農家の嫁の日記

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zoom RSS されど、龍は手を伸ばす。 114 ――無双OROCHI異聞録―――

<<   作成日時 : 2014/10/16 15:17   >>

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 あきらめない。
 まだ――――あきらめたくない。
 シュバルツ……! お前を守るために……!

(最善は、こいつを倒すことだが……)
 そう思いながらハヤブサは、素戔鳴を見据える。
 この相手は、間違いなく今まで戦った相手の中でも最強クラスに当たる敵。流石に――――『神』と名乗るだけの事はある、と、思った。
 だが、どんな相手であろうとも、必ず攻撃できる『隙』があるはず。ハヤブサはそれを、何とか見つけ出したいと足掻いていた。せめて一太刀。一太刀でいいのだ。それを素戔鳴に浴びせる事が出来れば、例え自分が倒されても、後で戦う者たちへの負担が、かなり違ったものになって来るであろうから。
 龍剣を構え、息を吐く。
 素戔鳴が一歩、こちらににじりよってきた瞬間、もう一度、龍の忍者は全力で走りだした。素戔鳴に太刀を届かせるために、ハヤブサは何度でもこの強敵に立ち向かっていく。

 ガツン!!

 地面すれすれから繰り出されたハヤブサの太刀が、またしても素戔鳴に阻まれる。そうなるのは分かっていたから、ハヤブサは次の手を繰り出す。
 もう一度。

 ギンッ!!

 乾いた金属音が、素戔鳴の耳のすぐ横で響く。
 だが、この圧倒的な力を持つ軍神は、特にそれに頓着する事も無く、天叢雲を龍剣に擦り合わせながら、大上段からハヤブサの面を狙う。

「吻(ふん)!!」

 ハヤブサはそれを首を横に動かしてかわす。振り向きざまに龍剣を横に振り上げ、素戔鳴の胴を狙った。ガンッ! と、激しい金属音と火花が飛び散り、それも防がれる。
 ここで一度離脱する。
 素戔鳴の傍に、長居は禁物。
 あきらめない。
 太刀が届くまで――――もう一度。

 スタミナの消耗が激しい。
 息が上がりそうになるのを懸命に堪える。
 ハヤブサが走るのを目で追っている素戔鳴。その手に握られている天叢雲が、眩しい程の光を帯びているのが見える。

 ――――来る!

 ハヤブサはここで、走る方向を急転換させた。ハヤブサの読み通り――――その直後、彼の居た場所が素戔鳴から放たれた雷によって砕かれる。次の雷が放たれるまでのタイムラグは、およそ3秒。その僅かな隙に――――龍の忍者は素戔鳴に肉薄した。
「ぬっ!!」
 突如として眼前に迫ってきた黒い影に、しかし素戔鳴は動じない。雷をその剣に帯びさせたまま、ハヤブサから繰り出された剣を受けた。

 ガキンッ!!

 派手な火花と、金属音が飛び散る。そのまま鍔迫り合いの状態になると、素戔鳴の面に勝利を確信したような笑みが浮かんだ。
「――――ッ!」
 その瞬間、ハヤブサも半歩ほど僅かに体を引く。
 そうだ。
 お前がその攻撃を仕掛けてくるのを――――ある意味、こちらも『待っていた』のだから。
「愚か者!!」
 素戔鳴の身体が瞬間的に光を帯びると同時に、凄まじい稲光の嵐がハヤブサを襲う。
「ぐ…………!」
 凄まじい衝撃と剣圧に、ハヤブサは吹っ飛ばされないように耐える。身体のあちこちに、鋭い痛みが走る。だが――――こちらの読み通り、自分の意識が持って行かれる事はない。そう。素戔鳴から繰り出される雷の力も、この距離で受ければ、こちらが気を失うことはないのだ。
 踏ん張る。
 自分の四肢に、異常が出ていないかを確認する。
 動く――――思い通りに。
 よし、良いぞ。
 このまま、後一太刀、動いてくれ。
 自分が知りたいのは、この後だ。
「我が力!! 思い知れ!!」
 雷撃を放った直後、素戔鳴の左手が動いて雨と風を呼ぶ。その瞬間、踏ん張り続けていた龍の忍者が、動いた。

「な―――――!」

 普通なら気を失うか、雷撃に吹っ飛ばされているはずのターゲットが、いきなり目の前で動いたと認めた瞬間、素戔鳴も驚愕に襲われた。故に、右手に握られている天叢雲に、『動け』と命じるのが一瞬遅れた。

 ドンッ!!

 凄まじい衝撃音と共に、影が二つに分かれる。一つの影は投げ出されて、地面にもんどりうって倒れ込み、もう一つの影は――――その場にガクッと膝を付いた。
「う…………!」
 受け身すら取れずに倒れ込んだハヤブサは、起き上がろうとして、それか叶わない事に気づく。見ると、自分の左足の膝から下が、変なふうに折れ曲がっていた。
(しまった……! 足をやられた……!)
「おのれ、やりおるな……! だが、手応えはあった!!」
 そう言いながら膝をついていた素戔鳴が、剣を支えに立ち上がる。振り向いた素戔鳴の、左肩から胸にかけて、斬られた跡があった。
(浅かった……! 踏み込みが、足りなかったか……)
 そう感じて、ハヤブサは目を閉じて歯噛みする。せめて利き腕の方を、奪ってやりたかった。
 しかし、立ち上がることすら出来ない現状。そんな自分を、素戔鳴率いる仙界軍が、武器を構えて取り囲む。

(ここまでか………)

 龍の忍者は、死を覚悟した。

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