農家の嫁の日記

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zoom RSS されど、龍は手を伸ばす。 120 ――無双OROCHI異聞録―――

<<   作成日時 : 2014/10/24 22:37   >>

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「ああ………」
 シュバルツの、ある意味最もな危惧に、ハヤブサは己が動かない左足を意識する。確かにこの足の状態では、何かと不自由は付き纏いそうだった。しかし、こんな不自由など、些細なことだ。
「別に問題ないだろう。お前が俺の上で動いてくれれば――――」
「おおっと!! 足が滑った!!」

 ゴ〜〜〜〜〜ン

 間抜けな音と共に、ハヤブサの背中が手近にあった木の幹に、思いっきり打ちつけられてしまう。
「いっ………!」
 あまりにも不意をつかれたため、しばらく声も出せずにのたうちまわる龍の忍者。シュバルツはそんなハヤブサをしばしジト目で睨みつけていたが、「フン!」と、小声で言うと、また走り始めた。
「おまっ……! 俺一応怪我人で……!」
 涙目になりながら抗議の声を上げるハヤブサに対して、シュバルツからは容赦のない声が飛ぶ。
「阿呆か!! 何故私がお前にそこまでサービスしてやらねばならんのだ!? 怪我が治るまでそういうことは禁止だ!!」
「ええ〜〜〜〜〜〜!?」
「ええ〜〜〜!? じゃないだろう!? ハヤブサ!! 怪我はちゃんと治さないと――――!」
 シュバルツのその言葉に、ハヤブサはまたしくしくと泣き出してしまう。
「ひどい……! もう1カ月以上も、お前に触れていないのに………!」
「さっき口付けをしただろう? それで我慢しろ」
「あんなので満たされるか!! もっとお前の奥深くにまで侵入して、ぐちゃぐちゃに掻き回さないと――――!」

「……もう一度、足を滑らせてやろうか?」

 足を止めて低い声で言ってくるシュバルツに、ハヤブサもさすがにやばいと思ったのか、懸命に首を横に振った。
「………俺が悪かった。もう言いません」
「よし」
 シュバルツは短くそう言うと、また走り始めた。ハヤブサはやれやれ、と、ため息をつくと、シュバルツの背にポス、と、音を立ててもたれかかった。
(……でも結局、俺が本気で求めたら、シュバルツはそれに応えてくれるんだよなぁ。基本、こいつはお人好しで、優しい奴だから………)
 事に至るまでが難儀な奴だが、いざ褥に突入すると、自分がどういうふうにシュバルツに触れても、彼から拒絶された事があまりない事に、ハヤブサは気づいている。だからこそ、彼が嫌がる事はしたくはないし、大事に抱いてやりたいと思うのだ。
(……早く、シュバルツに触れたいな……)
 そう思って、彼の髪に顔をうずめたその時。

 パリ………

(―――――!?)
 自分の耳が、何か聞いてはいけない不吉な音を捉えた様な気がして、ハヤブサは思わず顔を上げていた。

 何だろう、今の音は。
 まさか――――

「居たぞ!!」

 大声が響き渡ると同時に、パン! パン! と、空中で何かが炸裂する音が響き渡る。仙界軍の兵士たちに発見されてしまったようだ。
「シュバルツ!!」
「飛ばすぞ!! ハヤブサ!!」
 ダン!! と、激しい音を立ててシュバルツが加速すると同時に、背後から兵士たちが放った矢が飛んでくる。
「―――――ッ!」
 その矢が近くを掠めるたびに、ハヤブサは身が縮む思いをする。この矢一本一本に、シュバルツを破壊してしまう力があるのだと思うと、恐怖で叫び出しそうになってしまう。
(俺に当たるのは良い……! だが、シュバルツには当たってくれるな――――!)
 そうやって祈りながらシュバルツの背にしがみつくしか出来ない自分の現状が、堪らなくもどかしかった。
 それでもさすが、シュバルツと言うべきか。
 彼は、その背にハヤブサを背負いながらも、仙界軍からの攻撃をあしらう様にかわしていた。その動きには、余裕さえ感じられる。
 しかし仙界軍の方も負けてはいない。個々の動きはシュバルツには劣るが、彼らは『集団』と言う力を生かしてシュバルツに挑んで来ていた。彼に休む間を与えず、その攻撃は徐々にシュバルツに肉薄してくる。

「もらった!」

 シュバルツの死角から、仙界軍の兵士が飛び出してくる。
「――――!」
 その反対側からは、弓矢も飛んできていた。このままではどちらかの攻撃をかわせたとしても、どちらかの攻撃がシュバルツの身体に当たることは避けられない。
「く………!」
 しかもシュバルツが、背後に背負う自分の身体を守ろうとしたのがハヤブサには分かってしまったから――――
「守るな!! シュバルツ!!」
 ハヤブサは叫ぶと同時に、自分の太腿の所に挿してあるクナイを、襲ってきた兵士に向かって投げつけていた。クナイは見事、襲ってきた兵の眉間に命中する。その間にシュバルツは、自分に向かって飛んできていた矢を何とかかわしていた。それでも最後の一本が、ハヤブサの腕を掠めてしまう。
「く………!」
「ハヤブサ!!」
「平気だ……! この程度……問題ない!」
 そう言いながらハヤブサは、もう次のクナイを手に取る。
「俺の事はいい……! それよりもお前は、ここを突破する事だけを考えろ!」
「――――!」
「こいつらの攻撃が少しでもお前に当たれば、お前は終わりなんだ……! それを、忘れるなよ!!」
「ハヤブサ……!」
 そう言いながらクナイを握るハヤブサは、もう敵の方しか見据えていない。その姿を見たシュバルツも、「分かった」と、前を向いた。今は二人で力を合わせて、この危地を脱出するしかないのだ。
 足が折れ、そこから来る熱で意識も朦朧としているだろうに、それでもまだ、自分を守ろうとしてくれるハヤブサ。死に場所を定め、死を覚悟していた彼を、無理やり頼み込んで連れて来たのは自分だ。だから――――だからこそ、願う。何としても、ハヤブサを守り抜きたいのだと。
(くそ……ッ!)
 クナイを投げただけで、息が乱れそうになる今の自分の状態を、ハヤブサは歯噛みする。
 シュバルツを守りたい。足手まといにはなりたくない。彼の盾になりたいと――――願う。
(集中……集中するんだ……!)
 手にあるクナイは後5本。投げ時を見極めなければとハヤブサは思った。

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