農家の嫁の日記

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zoom RSS されど、龍は手を伸ばす。 121 ――無双OROCHI異聞録―――

<<   作成日時 : 2014/10/27 09:23   >>

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 ふうっと、大きな息を吐き、ハヤブサは呼吸を整える。
とにかく、シュバルツに敵を近づけさせない事が絶対条件だ。手が使えないシュバルツは、接近戦はどうしたって不利になる。それを防ぐのが自分の役割なのだ。
 矢と兵士が、また同時に襲いかかってくる。ハヤブサの放ったクナイは、また過たずに兵士の眉間を割った。その間にシュバルツは矢を避ける。そして間髪入れずに、また矢と兵士。今度は兵士の数は二人になった。
「兵は任せた!!」
「――――!」
 シュバルツのその言葉に、彼からの盤石の信頼を感じる。どんな励ましの言葉よりも、心強かった。兵の動きを読んで、迷わずクナイを放つ。仕留めた。眉間を打ち抜かれた兵士たちが、もんどりを打って倒れる。クナイは後2本。
「武器を所望か?」
 シュバルツに問われる。
「俺のクナイの数を、憶えていたのか?」
 問いに問いを返すハヤブサに、シュバルツはにこりと笑った。
「相手の武器の数を覚えておくのは、常識だろう?」
「それはそうかもしれないが……」
 そう答えながら、ハヤブサは少し落ち着かない気持ちになる。一体自分は、シュバルツにどこまで把握されてしまっているのだろう? 先程の説得のされ方といい、もしかしたら自分は一生シュバルツには頭が上がらないのではないだろうかとさえ、思えてきてしまう。
「飛び道具が良いよな?」
 シュバルツにそう問われて、ハヤブサははっと我に帰った。
「ああ、そうだな……」
 手裏剣もあるのだが、と、ハヤブサが言う前に、シュバルツが動いた。
「よし、任せろ」
 ダンッ! と、派手に足音を立てて方向転換される。彼の目の前には1人の弓兵が居た。
「わ………!」
 驚いた弓兵が矢をつがえる前に、シュバルツはもうその眼前に肉薄していた。

 ガンッ!!

 シュバルツの蹴りが、弓兵から武器をはるか上空へと奪う。
「おのれッ!!」
 仲間がやられたと知り、攻撃してくる兵士をハヤブサはクナイで撃退していた。残りあと一本。
「これももらうぞ!」
 シュバルツが兵の背に背負われていた矢筒も上空へと蹴りあげて――――
 その両方ともが、見事ハヤブサの手の内に収まっていた。
「ナイスキャッチ! ハヤブサ」
 振り向いたシュバルツから笑顔で言われる。ハヤブサは「ああ」と答えるが、内心冷や汗をかいていた。
「お前なぁ……! あまり敵に接近するなよ? かすり傷を負いでもしたら―――」
「大丈夫だ。まだあの程度の兵の矢に当たるつもりはない。それに……」
「それに?」
「当たりそうになっても、お前が守ってくれるんだろう?」
「―――――!」
 シュバルツのその言葉に目をぱちくりさせるハヤブサ。シュバルツはにこりと笑うと、再び前を向いて走り出した。
(見抜かれている……。ああもうちくしょう……! 可愛いなぁ……!)
 シュバルツのその言動と行動に、うっかり萌えてしまうハヤブサ。頭がくらくらしてしまっているのは、熱のせいばかりではないだろう。
 頼られている。
 信頼されている。
 それがハヤブサには、堪らなく嬉しかった。
 もしかしたら、こうやって自分が舞い上がってしまう事も、シュバルツの計算の内には入っているのかもしれない。しかしそれでいいのだとハヤブサは思う。愛おしいヒトの掌で転がされ続ける今の状態は、決して悪いものではない。寧ろ、心地いいくらいだ。
 乱れそうになる息を整えながら、矢をつがえ、構える。突進してくる兵士たちに向かって、矢を放つ。その矢は、過たず兵士たちを仕留めていた。
 一見、順調そうに見える逃避行。しかし、仙界軍の兵士たちによる組織だった追跡は、止む気配がない。
(そう言えば、素戔鳴はどうした?)
 ハヤブサは、周りの兵士たちの気配を探りながら、ふと思った。

 素戔鳴が、あのまま大人しくシュバルツの追跡をあきらめるとは思えない。
 それなりに数が倒されているとはいえ、組織だった攻撃を続けている仙界軍の兵士たち。
 これらの攻撃が、総て、素戔鳴によって仕組まれているものだとしたら。

 ―――嫌な、予感がした。

 その旨をハヤブサがシュバルツに伝えようとした、刹那。
 パリッ、と、音がして、自身の左側に帯電の気配を感じ取る。素戔鳴の雷撃が来る――――と、確信したハヤブサは、迷わず叫んだ。
「シュバルツ!! 右奥に向かって跳べ!!」
「――――!」
 シュバルツは、ハヤブサの言葉に従って迷わず跳ぶ。その直後、彼らの居た場所が雷撃によって激しく穿たれた。
「な、何だ!?」
 驚くシュバルツに、ハヤブサが声をかける。
「素戔鳴の雷撃だ!! シュバルツ!!」
「な…………!」
「気をつけろ!! すぐに次が来るぞ!!」
 ハヤブサの言葉通り、素戔鳴の雷撃は次々と、シュバルツの足元を狙って放たれてくる。シュバルツはそれを、走り抜けたり跳んだりしてかわしていた。そこに更に、仙界軍の兵士たちが、シュバルツの着地地点を狙って矢を放って来る。
「させるか!!」
 ハヤブサも負けじと矢を放ち、兵士たちを牽制しようとするのだが、如何せん矢を放ってくる兵士たちの数が多すぎた。矢と雷撃をかわすシュバルツの着地のタイミングと姿勢が、徐々にシビアな物へとなって行く。
 そして何度目かの雷撃に襲われた時――――シュバルツはついに、バランスを崩してしまった。
「うあ……!」
「シュバルツ!!」
「――――!」
 転びそうになりながらも、咄嗟にシュバルツはハヤブサを庇う。おかげでハヤブサは地面に投げ出されずに済んだが、それでも転倒してしまった忍者二人に襲いかかってきたのは最悪の展開だった。
 雷光を帯び、青白く光る天叢雲の剣を携えて、素戔鳴が近づいてくる。

「―――――死ね」

 無情の宣告と共に、素戔鳴が剣を最上段に振りかぶろうとした刹那。
 一本のクナイが、シュウッ! と、音を立てて素戔鳴の右手首に突き刺さっていた。 
「ぬうっ!?」
 あまりにも不意をつかれたため、素戔鳴は天叢雲の剣を落としてしまう。驚いてクナイが飛んできた方を見ると、それを投げた格好のまま、肩で息をしながらこちらを睨みつけている龍の忍者の姿があった。

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