農家の嫁の日記

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zoom RSS されど、龍は手を伸ばす。 127 ――無双OROCHI異聞録―――

<<   作成日時 : 2014/11/03 23:37   >>

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「――――ッ!」
「共に……死んでくれ、シュバルツ……」
「ハヤブサ……ッ!」
「俺と、共に――――」
「…………ッ!」

 ぽろぽろと、大粒の涙を零し続ける愛おしいヒト。
 泣き顔ですら、素直に美しかったから――――ハヤブサは、こんな時ですら幸せな気持ちになってしまう。不謹慎なのだろうが、自然と頬が緩んでしまっていた。

「………私には、『魂』が無い……! だから……死んでも、お前と同じ所に逝けないかもしれない――――」
「シュバルツ………!」
「それでも……お前は、『私と共に死ぬ』と、言うのか………?」
「…………!」
(騙されてくれた………!)
 ハヤブサは知らず、歓喜に震える。

 ああ、良かった。
 これで、俺は――――

 シュバルツを守って、死ねる。

「ああ……。もう、独り残されてしまうのは、嫌だ」
 想いを込めて、その頬を撫でる。

 済まないな、シュバルツ。
 酷いよな。爆殺なんて……。

 本当は、こんな酷い目に遭わせずに、ちゃんとお前を守ってやりたかった。
 こんな風にしかお前を守ってやれない俺を
 どうか、許して欲しい――――

「ハヤブサ……!」

 ぽろぽろと涙を流し続ける愛おしいヒト。

 何故、泣く?
 何故、泣くのだシュバルツ。

 俺はこんなにも――――幸せなのに。

 でも、お前を独り、残して逝ってしまう。
 もしも、お前がそれに気が付いたら――――恨まれて、しまうかな。
「酷い、酷い」と
 詰られて、しまうかな。

 俺の事は、恨んでくれても、詰ってくれてもいい。
 生きて。
 生きてくれ、シュバルツ。

 そして、俺に縛られることなく
 自由に何処へでも、羽ばたいて行ってくれ。

(ああ、でも、今度もこの気持ちを伝える術がないな)

 そう感じてハヤブサは苦笑する。
 何てことだ。
 愛おしいヒトは、目の前に居るのに―――― 

 だけど駄目だ。
 今、お前にこれから先生き残る可能性がある様な事を匂わせてしまったら。
 何もかもがばれてしまう。自分の企みが。シュバルツにも、そして素戔鳴にも。
 それでは、意味がない。

 だから、何も言わずに逝く。
 許せ、シュバルツ。

「ハヤブサ……! ハヤブサ……!」
 ヒック、ヒック、と、しゃくりあげる愛おしいヒトが、そっと手を伸ばしてきた。
「ハヤブサ……ッ!」
 縋る様に、腕を掴まれる。その涙が、その行為が、俺を思いやる故の物であると言うのなら
 俺は何と、幸せ者なのだろう。

 愛している。
 最期まで。

 涙に濡れたお前の顔――――これが人生最後の光景か。
 それも悪くはない。あの刀を振りあげた仁王を見るよりは、百倍いい景色だと思う。

 だが出来得るならば――――お前の笑顔が見たかった。

 駄目か。
 駄目だな。こんな状況でシュバルツは、笑える訳がない。
 それこそ、贅沢過ぎる望みだ……。

 思えば俺は、お前を泣かせてばかり、怒らせてばかり、困らせてばかり――――だったな。
 やはり俺は、『恋人』としては、ろくでなしの部類に入るのかな――――


「……話は付いたか?」
 少し離れた所で静観していた仁王が、声をかけてくる。
「ああ。話は付いた」
 ハヤブサは素戔鳴の方に振り向き、答えた。

 さあ、ここからが勝負だ、素戔鳴。
 このままシュバルツが『死んだ』と思わせる事が出来さえすれば――――

 この勝負、俺の勝ちだ。

「では、黒の忍者よ。そこから退け。吾はシュバルツを滅殺せねばならぬ」
 チャッ、と、音を立てて天叢雲の剣を構えながら、素戔鳴が近寄ってくる。それをハヤブサが「その必要はない!」と、制した。
「……どう言う、事だ?」
 そう言いながら眉をひそめる仁王に対して、ハヤブサがにやりと笑いかける。
「事の決着は、俺たちが自分でつける、と言う事だ――――」

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