農家の嫁の日記

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zoom RSS されど、龍は手を伸ばす。 160 ――無双OROCHI異聞録―――

<<   作成日時 : 2014/12/18 16:46   >>

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「どうした? 関羽。何を驚いている?」
「あ……。いや………」
 劉備に聞かれて、関羽は返事に窮してしまう。どうしてここに劉備が居るのか――――今の自分は咄嗟に理解できないからだ。
「どうしたよ? 兄貴?」
「――――!」
 さらに張飛まで現れて、関羽はさらに混乱する。
(こ……これは……! まさか、太公望殿の『策』の為せる業か?)
 そう思いながら周りを見回すと、孔明と趙雲の姿まであった。
(もう間違いない……! これは、太公望殿の介入が働いているのだ。しかし、何故――――?)
「関羽殿? 如何為された?」
 余程自身の動揺が表に漏れていたのだろう。孔明からも怪訝そうに問いかけられるから、関羽は、いろいろと観念する事にした。
「申し訳ない……。少し、拙者の方にも事情があって……。軍師殿、少々状況を整理させていただいてもよろしいか?」
「ええ。それは構いませんが……」
 関羽の言葉に、孔明は白扇を手の中でゆっくりと揺らめかせながら答える。関羽はそんな孔明に向かって軽く一礼をしてから、玄徳に向かって話しかけた。

「兄者……。兄者は確か、張飛を連れて北方で曹操殿と相対していたのではないのか?」

 そう。
 これが時を遡る前の時間軸での、関羽が記憶している玄徳の行動だった。玄徳と張飛は曹操軍と。そして孔明と趙雲は東の方で孫堅軍と戦っていた筈である。
 平和裏に過ごせる国を作ったと言っても、それは玄徳が治める領地の中での話だった。まだまだ国境付近では余断を許さず、散発的な戦が時々起っていた。だから劉備軍も戦力を分散して、それぞれが国境付近の守りについていたのだが。

「ああ……。確かに私は張飛と共に曹操殿と戦っていた。だが少し前に、『遠呂智が復活したから人間同士手を携えねばならぬ』と、曹操殿と休戦協定を結んだではないか」

「えっ?」

「忘れちまったのか? 兄貴?」
 茫然とする関羽に向かって、張飛が更に言葉を続けてくる。
「ほれ、この前襄陽で戦った時によ。関羽の兄貴が救援に駆けつけて来てくれたじゃないか。その時に――――」
「―――――!」
 この言葉で関羽はようやっと、張飛の言っている事の『内容』を理解する。

(そうか……! 確かに拙者は少し前に、太公望殿の指示で襄陽の戦いへとかぐやの光陣で跳んだ。それが、ここへと繋がって来ていたのか……)
 あの時はただ、太公望に命じられるままに襄陽の戦いへ駆けつけ、劉備軍を勝利へと導いた。それが、曹操軍との休戦協定にまで繋がって行くとは、夢にも思っていなかった。

「……と、言う事は、孫堅軍と戦っていた軍師殿と趙雲の方も――――?」

 関羽の問いかけに趙雲は頭を振る。
「いえ、我々は特に何かした、と言う訳ではないのですが――――」
「孫堅軍の方から、休戦協定を持ちかけて来たのですよ」
 軍師孔明が、静かに答える。
「確かに……遠呂智が復活した、と、あっては、人間同士が争っている場合ではありませんからね……。孫堅殿が手を引かれるのであれば、我々の方から戦をしかける理由もありませんから……」
「孫堅が手を引いたのは、確かなのか?」
 問いかける関羽に、孔明は頷いた。
「何でも、尚香殿と北条氏康殿が、孫堅殿に休戦協定を結ぶよう、強く働きかけてくれたようです。ですから確かな物でしょう。孫堅殿が不意をついて、我々に戦を仕掛けてくる事はない筈です」

「……………!」

 孔明のこの言葉に、関羽の脳裏にある光景が浮かび上がる。シュバルツの『死』の際に、自分の傍で泣き崩れていた孫尚香と甲斐姫――――二人の女性の姿が。
(そうか……! 甲斐姫のために氏康殿が……そして、尚香殿が……!)

「それにしても、皆でそろうのは本当に久しぶりだよなぁ。やっぱり、皆で一緒に居るのが一番良いぜ!」

 張飛の言葉に、関羽ははっと息を飲む。
 そうだ。自分達は国造りのために、そして国を守るために――――それぞれがばらばらの場所で行動せざるを得なかった。それが、今この瞬間、この城に皆がそろうために、曹操や孫堅をはじめ、どれだけの人の協力と働きかけがあったのだろう?
 これは、太公望の緻密な計算と過去への介入と、それに協力した皆が築き上げたからこそ舞い降りた、小さな奇跡と言って良かった。

 関羽の脳裏に、ある光景が浮かび上がる。
 着の身着のままでボロボロになりながらも、手を取り合いながら助けあっていた妖魔と村人たち。
 傷だらけのハヤブサを抱きかかえ、それを守るために、素戔鳴の攻撃の前にその身を投げ出したシュバルツ。

(いけるか……? 今度こそ……!)

 目の前に並ぶ、玄徳をはじめとした頼もしい仲間達を関羽は見つめ、想う。

 救えるか?
 今度こそ
 村人たちを 妖魔たちを
 そして、あの二人を――――

 いや、救えるかではない。救わねばならぬ。
 今この瞬間を迎えるために力を貸してくれた、多くの人々のためにも
 自分はそれに、応えねばならぬのだ。
 それが出来ずして、何が『武人』か――――!

「兄者! お願いがあります!」

「ど、どうした?」
 いきなり義弟が思い詰めたような眼差しで声を上げるから、玄徳は少し驚いてしまう。
「実は――――」
 関羽がこれから起きる『事件』に皆の協力を仰ごうと、口を開いた瞬間――――1人の兵士が広間に入ってきた。

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