農家の嫁の日記

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zoom RSS されど、龍は手を伸ばす。 179 ――無双OROCHI異聞録―――

<<   作成日時 : 2015/01/17 16:56   >>

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「だいたいだな……シュバルツ……」
 ハヤブサはぴくぴくと引きつるこめかみを押さえながら、その肺に思いっきり息を吸い込んだ。

「阿呆か―――――――ッ!!」

 ハヤブサの渾身の叫びに、耳が思わずキ―――ン、となってしまうシュバルツ。そこにたたみかけるように、ハヤブサの怒鳴り声が降ってきた。
「何故来た!? 何故、こんな所に出て来たんだ!! シュバルツ!!」
「な、何故って……! それは――――!」
「俺は言ったよな!? お前に忠告したよな!? ここに出てくればお前は死ぬと――――!! それなのに何で……!! お前は、俺の話を聞いてなかったのか!?」
「いや……聞いてたけど……」
「聞いていたのなら、何故―――――!!」

「な、何だ!? 貴様らは……!」

「――――!」
 忍者同士の言い争いに、突如として割って入ってきたその声に、二人ともがはっと振り返る。すると、わなわなと身を震わせながら、こちらを睨みつけている素戔鳴の姿が、そこにあった。
「………ッ!」
 バッと、ハヤブサは素早く龍剣を抜刀し、シュバルツを庇うように構える。それに対してシュバルツは剣も抜かず、正対したままだった。
「汝(なれ)らに問う……。ここの村人を逃がしたのは、汝らの仕業か?」
 その問いに、ハヤブサは沈黙を返そうとする。だが、彼の後ろから、反論する声が返ってきた。

「――――そうだ、と、言ったら?」

「…………!」
 その言葉に素戔鳴の眉が釣り上がり、ハヤブサの顔色が変わる。
「お……おい、シュバルツ!」
「隠すことないだろう? 事実なんだし」
「馬鹿!! お前が素戔鳴の前で目立つような事をしたら――――!」

「……何だ? 貴様は――――」

 案の定、シュバルツを目にとめてしまった素戔鳴が、怒気も顕わにこちらを睨みつけている。
(…………!)
 ハヤブサは天を仰ぎたくなった。

 どうして
 どうしてこのヒトは
 いちいち自分が傷つく言葉を、聞きに来るのか――――!

「何と邪悪な……! 何故、汝の様な歪な物が、ここにいる!?」

「――――!」
 案の定、その言葉を聞いて息をのむシュバルツ。そこに素戔鳴が更にたたみかけてきた。
「何と言う村だ……! 妖魔に続いて、汝の様な物まで引き寄せていたとは――――!」
 流石にこの素戔鳴の言葉には、ハヤブサもムッとする。シュバルツのみならず、村人たちの事まで悪く言われたのだから。
「汝の存在は許されぬ! 村人たちも同様だ!! 汝ら……村人たちを何処へ、やった?」

「―――答える義理は、ないな」

「――――!?」
 自分が口を開くよりも早く、シュバルツが酷く挑発的な口をきくから、ハヤブサはぎょっと、愛おしいヒトの方を見てしまう。すると、シュバルツは笑みを浮かべながら素戔鳴を見ている。だが、それは爽やかな笑みとは言い難い笑みで、その瞳は笑っていない。どちらかと言えば、完全に据わっている。

「どうしても聞きたくば、力づくで来い!!」

 しかも、完全に挑発モードになってしまっている。
「シュ、シュバルツ?」
 思わずハヤブサはシュバルツに声をかけてしまう。
「どうした? ハヤブサ」
 あくまでもにこやかに返事をしてくるから、ハヤブサは少し、落ち着かない気持ちになった。
「お、お前……どうした? 怒っているのか?」
 先程から割と「らしくない」言動をしているシュバルツ。だからハヤブサはそう問うてみたのだが、それに対して、シュバルツはフフフと笑って答える。
「あいつを誘い込むのが、私たちの『役目』だろう?」
「――――! それはそうだが……」
「なら、問題ないだろう。それに、ほら――――」

「貴様ら……余程命が要らんと見ゆるな……!」

「…………!」
 シュバルツが指さした先で、素戔鳴が完全にブチ切れた眼差しでこちらを見ている。
「私が出て行って『挑発』した方が、効果があると思ったが――――読み通りだったな」
「よ、読み通りって……! お前、まさか――――!」
 軍議の輪から外されたのに、最後までその部屋に残り続けたシュバルツ。それはつまり、このためだったのだ。この戦いの作戦を、把握するために――――!
 呆れかえるハヤブサに対してシュバルツは『にこり』と、笑っていない瞳を向ける。
「ほらほらハヤブサ、来るぞ」

「そこを動くな!! 小賢しい者どもめ……! まとめて始末してくれる!!」

 そう言って素戔鳴が、天叢雲を振り上げながら、ザンッ!! と、踏み込んでくる。
「『待て』と言われて、大人しく待つ奴などいない!!」
 そう言い放ったシュバルツは、さっと踵を返すと、脱兎のごとく走り始める。この行動にはハヤブサ以下全員が面食らってしまった。
「おのれッ!! 逃がすかッ!!」
「お、おい! シュバルツ!!」
 一呼吸置いてから、その場にいた全員がシュバルツを追って走り出した。
 こうして、対素戔鳴の戦いが、変な形で幕を開けたのだった。


「おいっ!! シュバルツ!!」

 村から抜けて森に入ったところで、ハヤブサはシュバルツにすぐ追いついた。正確には――――シュバルツがハヤブサを待っていたのだが。
「シュバルツ!! お前……! 何を考えている!?」
 ハヤブサはシュバルツの肩を捕まえて問いただした。

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