農家の嫁の日記

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当ブログでも発表している『キョウジ兄さんに捧げる物語』を小説同人誌にしました。手作り感満載ですが、興味ある方はどうぞ〜

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zoom RSS されど、龍は手を伸ばす。 182 ――無双OROCHI異聞録―――

<<   作成日時 : 2015/01/20 19:40   >>

ガッツ(がんばれ!) ブログ気持玉 4 / トラックバック 0 / コメント 0

「だから、シュバルツを閉じ込める、なんて、土台無理な話なんだよ」
「いや、しかし――――! それでも俺の仕事を勝手に覗きに来たりしている事があるから危ないんだ!! せめて、そう言うことは止めさせないと……! 俺の仕事は、きな臭い物が多いから――――!」
 万が一の間違いがあったら困る、とぼやくハヤブサに、キョウジはにこりと微笑んだ。
「だからと言って、シュバルツの自由意思を縛る権利なんて、私には無いよ」
「それはそうかもしれないが……! いざという時、シュバルツを押さえる手段だって無いと、お前だって困るだろう!?」

「いや? 全然?」

「…………!」
 ズバッとキョウジに切り返されて、ハヤブサは言葉を失う。
「だからシュバルツが『こう!』って決めた事を覆そうとするなんて労力の無駄だよ? ハヤブサ。そんなめんどくさい事、私だってしたくないから」
「めんど……!」

「だからいろいろとあきらめて――――頑張ってね。ハヤブサ♪」

 そう言ってキョウジが爽やかに「あははは………」と笑って、その回想に終止符が打たれる。ハヤブサはこの空しい回想に、(キョウジの馬鹿野郎〜〜〜!!)と叫んで、脱力しそうになった。

「ほらほらハヤブサ、何をぼさっとしている!」

「――――!」
 シュバルツの声で、はっと我に帰るハヤブサ。振り返ると、仙界軍から大量の矢が放たれて、こちらに向かって来ている。
「――――いっ!?」
 流石に身の危険を感じた龍の忍者が脱兎のごとく走りだす。シュバルツもそれについて――――というより、ちゃっかりハヤブサの前に立って、彼を盾にしながら走りだしていた。

「おのれッ!! 待て―――い!!」

 素戔鳴の雷撃や仙界軍の矢をかわしながら、忍者たちは走る。その二人の動きのシンクロ率たるや、さながら『街の遊撃手ごっこ』の如きだ。
「――――クッ!」
 時々ハヤブサが振り返って、矢を叩き落とす。仙界軍の攻撃が身体に当たり負傷したら、シュバルツから容赦なく仙桃を口の中に突っ込まれた。
「頑張れ! ハヤブサ! ファイト!!」
 一つも笑っていない『笑顔』のシュバルツから、割と心のこもっていないエールを送られる。彼の持っている袋の中の仙桃も、一向に減る気配がない。
(うううう……! チクショウ……!)
 ハヤブサは心の中で泣き伏しているが、面には出さないように努力していた。――――が、その努力も、そろそろ限界を迎えそうだった。

 もう、本当に何なのだ。
 いい加減にしろと言いたい。
 いや、この場合、悪いのはやっぱり俺なのか――――!?

 何てことだ。
 俺はただ、シュバルツに死んで欲しくないだけなのに。
 軍議の席でいきなり締め出してしまった事が、そんなに悪いことだったのか――――?

 頼らないとか
 力量を認めていないとか
 そんな事を言ったつもりではなかったのに――――!

 それでもシュバルツには死んで欲しくないから、ハヤブサは、ほぼ条件反射的に彼を守ってしまう。
 そして、負傷する。
 そのたびに無理やり仙桃を食べさせられようとも
 冷たい眼差しを向けられようとも
 やっぱり、好きなものは好きなのだ。

 このままでは俺は殺されるかもしれない。
 素戔鳴ではなく、シュバルツに殺されるのかもしれない。

「フ……! それも良いな……!」

 ハヤブサはそう言いながら、いつしかその面に笑みすら浮かべていた。
 愛おしいヒトに殺されるのなら―――――それこそ、本望ではないか。

 だが、そのハヤブサのうすら笑いから何かを察したのか、シュバルツから

「変態」

 と、冷たい一言がかけられる。龍の忍者は、真面目に心が傷ついた。
「〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!」
 ガクッと崩折れるハヤブサに、また、ぷすっと刺さる一本の矢。

「どうした? ハヤブサ。そろそろ攻守交代しようか?」
「―――――!」
(冗談ではない!!)
 シュバルツのその言葉に、龍の忍者はガバッと立ち上がる。シュバルツと仙界軍を戦わす事だけは、断固として避けねばならないのだ。例えこの命に代えても。

「じゃあ、頑張るんだな! ハヤブサ!」

 そう言いながらシュバルツは、またハヤブサの口にガボッ! と、仙桃を押し込んでくる。
(うううう……こんちくしょう――――!)
 龍の忍者はとうとう、えぐえぐと泣き出してしまった。

 決めた。
 この戦いが終わったら、絶対にシュバルツを抱き潰す覚悟で、抱いてやる――――!
 いやだって言われたって
 泣いて許しを乞われたって
 絶対に許してなんかやらないからな――――!
 腕の中でその身を嫌という程のたうちまわらせて
 あられも無い声で可愛らしく喘がせてやる―――――!!

 もう2カ月近くもお預けを喰らっている状態のハヤブサは、もう正直ブチ切れる寸前だった。ハヤブサの中で何かの危険なメーターが、どんどん上がって行っている。だがシュバルツの方も怒りまくっているので、当然そんなハヤブサの中の危険な気配には気づかない。忍者二人の間に今――――妙な火花が散りつつあった。

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