農家の嫁の日記

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zoom RSS されど、龍は手を伸ばす。 169 ――無双OROCHI異聞録―――「

<<   作成日時 : 2015/01/04 00:59   >>

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「さあ、残りの半分は、百々目鬼軍と戦いに行くぞ!! 野郎ども!! ついて来い!!」
 張飛の号令に、兵士たちから、おおっ!! と、力強い声が返ってきた。


「……どうした? もう、来ないのか?」

 龍剣を構えて、じりじりと威嚇するハヤブサ。周りの百々目鬼軍の妖魔たちは、すっかり怖気づいていた。
「す……すげぇ……」
「ば、化け物だ……! 敵う訳無いよ……!」
 彼の後ろで戦っていた味方の妖魔たちも、それは同じだった。
「強い……!」
「良かった……! この人が味方で……」
 その戦いを見守りながら、安堵のため息が漏れる。それほどまでに、龍の忍者の戦いは―――――圧倒的だった。
「……………」
(このまま、攻め込むべきか……?)
 戦いながらハヤブサは、度々そう思うようになっていた。しかし、そのたびに頭を振った。
 まだだ。
 まだ今は、攻め込むべき時ではない。
 自分がここを離れてしまったら、戦列が間延びして、百々目鬼軍に付け入るすきを与えてしまう。それだけは、断固として避けねばならないのだ。今度こそ――――皆を救うのだから。

 攻めるのは、援軍と合流してからだ。

 自分にそう言い聞かせながら、剣を振り続ける。と、そこに、後ろから力強い馬の蹄の音が響いて来た。
「…………?」
 振り返るハヤブサの視界に飛び込んでくるのは、燃えるような赤毛の馬と、青龍偃月刀を構えた武将。

「ハヤブサ!!」

 関羽殿、と、ハヤブサが叫ぶよりも早く、関羽の方が声をかけて来た。

「今度は、間に合ったか!?」

「―――――!」
 その言葉に、前の時間軸の戦場の事を思い出してしまって、ハヤブサの中に一瞬何とも言えない想いがこみ上げてくる。
 前の時間軸では、自分はもう立ち上がる事も出来ない程ボロボロに傷つき、シュバルツを殺そうとする素戔鳴の前に、どうする事も出来ない状況だった。だが、今は違う。
 シュバルツも村人も、そして妖魔たちも無事だ。素戔鳴の襲来もまだ無い。

 間に合った。
 関羽の援軍は、間に合ったのだ。

 だからハヤブサも、黙って頷く。それだけでもう―――充分だった。
「そうか」
 そう言いながら関羽も、満足そうに微笑んだ。

 やがて後方から、シュバルツや劉備軍の面々がハヤブサたちの所に合流してくる。少し遅れて、甲斐姫も走って来ていた。
「ハヤブサ!」
「シュバルツ……!」
 村人たちを庇いながら戦った割には、シュバルツが傷らけにはなっていなかったので、ハヤブサはとりあえず、ほっと胸を撫で下ろしていた。
「ハヤブサ、村人たちは皆、この戦場から離脱したぞ」
「本当か!?」
 駆け寄ってくるなりシュバルツは、ハヤブサにこう声をかけてくる。あまりにも手際が良すぎる村人たちの避難に、ハヤブサは少し驚いた。それに対してシュバルツは頷きながら、さらに言葉を続けた。
「ああ。劉備軍の方たちが村人たちに手を貸して――――あっという間に戦場から離脱させてくれたんだ」
「…………!」
「何度も言うが、慣れているんだよ」
 驚くハヤブサに、張飛が苦笑しながら声をかけてくる。その姿を見て、ハヤブサは更に驚いた。
(何故、張飛殿がここに……!? 前の時間軸ではいなかった筈だが……!)
「ん? どうしたよ?」
 ハヤブサが息を飲んでいる気配を感じて、張飛が訊ねてくる。
「ああ、いや――――」
 それに対してハヤブサは、少し返答に窮してしまった。まさか「前の時間軸ではいなかったはずだが……」などと、聞く訳にもいかないから、少し困ってしまう。
「張飛さんだけじゃないわ! 趙雲さんも、そして城には玄徳様も、いらっしゃったの! 私もびっくりしちゃった! こんな偶然、あるものね」
 ハヤブサの驚きが分かる孫尚香が、助け船を出すかのように声をかけて来た。
(そうか……! それで、太公望は………!)
 ここに至ってようやくハヤブサも、自分が療養している間に太公望がこの時間軸に対して打った手の全容を理解した。自分達の逃げ込む先の城に、関羽のみならず、劉備軍の主力が集まっている―――――こんな奇跡のような偶然を起こすために、太公望はどれだけの手を打ってきたのだろう?

 もう本当に、この戦いは絶対に負けられない。
 強く、そう思った。

「それにしても関羽の兄者の赤兎馬は速過ぎるよ! 追いつくのに少し時間がかかっちまったぜ」
 そう言う張飛に関羽も苦笑する。
「あい済まぬな、張飛。ここの者たちはどうしても助けたかった故――――」
「確かに、そうですね……」
 関羽の言葉に、趙雲が納得したように頷いた。
「種族を越えて助け合える人たちを、見殺しになど出来ませんから」
「そうだな……」
 趙雲の言葉に、皆も頷く。
 ここまできたら――――
 もう、想いは一つだった。

「では、我らはこれより反撃に移るぞ!!」

 関羽のこの言葉に、兵士たちも、そして、戦っていた妖魔たちも、「オオッ!!」と、歓声を上げた。ついに、待ちに待っていた時が来たのだ。
「もうここには、守るべき村人たちはいない……。君はどうする? 劉備殿の城の方へ行くか?」
 そんな中、シュバルツは自分の後ろについて来ていた甲斐姫に声をかけていた。彼女の体力的にもきつそうだし、遠慮なく反撃に出て良い今、自分に対する護衛は必要ない、と、シュバルツは感じていた。

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