農家の嫁の日記

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zoom RSS されど、龍は手を伸ばす。 187 ――無双OROCHI異聞録―――

<<   作成日時 : 2015/01/24 23:10   >>

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「――――えっ?」
「化け物?」
 張飛と趙雲が、驚いて素戔鳴が指さす方向に振り返る。その先には、青龍偃月刀を構える関羽と、その後ろに立つシュバルツの姿があった。
「関羽の兄貴が『化け物』な訳無いよな……。と、すると、後ろのあいつか……?」
「……………!」
 張飛の言葉に、シュバルツの瞳が哀しみゆえに曇る。

「そうだ……! あれは人の形をしているが、人には非ず。その身は、酷く邪悪な物で出来ている……! 放っておけば、人の子の世に害を為すぞ!?」

 素戔鳴の言葉に、周りの者たちが息をのむ気配が伝わる。
 ハヤブサは、チッ! と、小さく舌打ちをしていた。
 シュバルツの成り立ちがどうであろうと、身体を構成している者が何であろうと、自分にはさして問題にならない。シュバルツは『シュバルツ』だ。
 自分にとっては愛おしくて、大切なヒトである事に変わりはないのだから。

 だがハヤブサは、敢えて沈黙を選んでいた。
 見極めたいと思った。
 ここの者たちにこの素戔鳴の意見は、どう捉えられるのだろうかと。
 自分は、何があってもシュバルツの味方だが――――

 素戔鳴の意見がまかり通ってしまうようなら、今後の対応を考えねばならぬと思った。

 素戔鳴の言葉に対してシュバルツは、(ああ、事実だ)と、だけ思った。

 確かにそうだ。
 私は多くの血と涙の果てに、生まれ落ちたモノ。
 キョウジの動かぬ『罪』の証。

 この身体は『DG細胞』と言う物で出来ているが故に―――
 この細胞は常に、人間に害を為す可能性を秘めている。
 れっきとした『事実』だ。

 だから私は本当ならばここに存在していてはいけない。
 今すぐ滅せられなければならぬモノ――――

 その時関羽が青龍偃月刀の柄で、ドンッ!! と地面を叩いたが故に、その衝撃で、シュバルツの思考は中断させられてしまった。
「――――!」
 はっと顔を上げるシュバルツの視線の先で、関羽が険しい顔をして素戔鳴を睨みつけていた。

「……拙者はこの者を守る。例えその身が何で出来ていようが、関係無い」

 静かな物言いだが、酷く迫力があった。
「それは、何故か?」
 問う素戔鳴に、関羽は答える。

「……『約定』を交わしたからだ」

「約定? それは、誰とだ? ここに居る、龍の忍者とか?」
 怪訝な顔をして問う素戔鳴に、関羽は頭を振った。

「それもある。だが、それだけではない」

 関羽は真正面から、素戔鳴を見据える。

「拙者が『約条』を交わしたのは、村人たちとだ」

「村人たちだと?」
 素戔鳴は首を捻る。
「妙な事を言う……。関羽とやら。百歩譲って村人たちがいち早く汝らの城に逃げ込んでいたのだとしても、村人たちと汝の間に『約定』をかわし得る程の話し合いができる時間があったとは思えぬが?」
 それに対して関羽は静かに首を振った。

「いいや、拙者は確かに『約定』を交わした。この時間軸の者たちとではない。前の時間軸で、命からがら村から逃げて来た者たちと――――だ」

「何っ!? 汝も時を越えし者か!?」

 素戔鳴の驚愕の声に、関羽は「そうだ」と頷いた。


 この悲劇を救う手段を模索するために、太公望が生き残った村人たちと妖魔たちに話を聞きに行く、と、言った時、関羽もその手伝いの人員として、名乗りを上げていた。
 目の前で起こった悲劇を止める事が出来るのならば、その手助けをしたいと願った。
 だが――――
 実際村人たちに話を聞くのは、困難を極めた。
 それは何故かと言うと、『シュバルツの死』を知った村人たちが、皆――――泣き崩れてしまったからだ。
「シュバルツさん……ッ!」
「どうして……! わしらなどのために……ッ!」
 そう言って地面に突っ伏したり拳を叩きつけたりして泣く、村人たち。「これではどうしようもない」と、頭を抱えていた太公望の傍で、関羽は村人たちに懸命に呼びかけていた。
「頼む……! 皆の話を聞かせてくれ! 我等とてシュバルツ殿を助けたい……! 助けたいのだ!」

「本当に……助けてくれるだか?」

 関羽の言葉に反応して、ようやく顔を上げ始める村人たち。そんな村人たちに、関羽は力強く頷いた。
「ああ……。必ず助ける。だから頼む……! そなた達の話を聞かせてくれ……! 拙者はあの悲劇を、目の前で見てしまった……! だから時間を巻き戻して、今度こそ――――救いたいのだ!!」

「……時間を巻き戻す……。そんな事が、出来るだか?」

 茫然と聞き返してくる村人たちに、関羽は「ああ」と、力強く頷いた。
「本当に……シュバルツさん、死なないで済むようになるの……?」
「そうだ」
「じゃ、じゃあ、お願いします!」
「わしらの話が役に立つのなら、喜んで!!」
 話がようやく聞けそうになった村人たちに様子に、太公望も苦笑する。
「では――――皆で手分けして、話を聞いて行ってくれ」

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