農家の嫁の日記

アクセスカウンタ

本の販売を始めました!
ここより本の注文画面に飛べます。
当ブログでも発表している『キョウジ兄さんに捧げる物語』を小説同人誌にしました。手作り感満載ですが、興味ある方はどうぞ〜

災害で亡くなられた方、被災された方に哀悼の意を捧げるとともに、心よりのお見舞いを申し上げます。
がんばれ日本!!

zoom RSS されど、龍は手を伸ばす。 247 ――無双OROCHI異聞録―――

<<   作成日時 : 2015/03/27 00:49   >>

ガッツ(がんばれ!) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0


 シュバルツ達が前の時間軸で助けた、生き残った村人たち。それが、関羽に涙ながらに訴えて来た。
「必ず、シュバルツさんを助けてください」
「あい分かった。必ず助ける」
 1人1人と、関羽はそう約束した。そして、今に至る。

 時を渡った今、あの城の中に逃げ込んできた村人たちの中には、そんな記憶などかけらも残っていないだろう。
 だが、関羽は覚えている。
 村人たちの涙を。握ってきた手の強さを。
 彼らの必死な願いを。

「必ず助ける」

 そう交わした約束を。

 覚えている以上、それは守らなければならぬと関羽は思う。例え相手に忘れられてしまった『約束』であろうとも、『無かった事』になってしまっている物だとしても。自分が一度引き受けた物ならば―――――それは、果たされなければならぬと思うのだ。

「……この者の出自や成り立ちがどうあれ、この者は村人たちを助けていた。弱き者を慈しみ、守ろうとする者であることを、少なくとも拙者は知っている!」
 関羽はもう一度、その柄で地面をドンッ!! と、叩いてから、青龍偃月刀を構えた。

「なれば、拙者はこの者を守る!! これ以上の理由は必要ない!!」

 関羽に続いて張飛も趙雲も、シュバルツを守る様に関羽の傍に駆け寄り、武器を構えて素戔鳴に対して立った。
「……………!」
 シュバルツが、「信じられない」と言わんばかりに息を飲み、
 それに向かってハヤブサが、優しく微笑んでいる様が見える。

(良かった………)

 キョウジの瞳から、自然と涙が溢れていた。

 良かった
 良かったな、シュバルツ

 出自がどうとか、成り立ちがどうとか、本当に関係が無い。
 シュバルツの『心』を見て、その『行い』を見て――――判断して、受け止めてくれる人たちが、ちゃんと居るんだ。

 きっと、大丈夫だ。
 私が完全に消えてしまっても、シュバルツは人間たちの間で、ちゃんと生きていける。
 だから――――

 キョウジがそこまで思った時、ふいに後ろから声をかけられた。

「………キョウジ……!」

「――――!」
 驚いたキョウジが振り向くと、そこに屁舞留が立っていた。
「屁舞留……!」
 結界が破られた事は知っているから、屁舞留の出現自体にキョウジは驚かない。
 ただ――――少し『早すぎる』と、思った。
 自分はまだ、『シュバルツを救う』と言う自分の役目を、成し遂げてはいない。
 それを行ったが故に被らなければいけない『リスク』は、自分が被らなければならないのであって、屁舞留を巻き添えにしてはいけない、彼はそう思った。
 しかし――――屁舞留はそれを望まなかった。
 屁舞留はかなり怒気を食んだ視線でキョウジを睨みつけると、つかつかとその傍に歩み寄ってきた。

「この馬鹿もの!!」

 怒声と共に振り上げられた屁舞留の手が、キョウジの腹の辺りを叩く。だがそれは、屁舞留の非力も手伝ってか、ぺちん、と、可愛らしい音を辺りに響かせていた。
「あの程度の結界で、本気で吾を閉じ込められると思うておったのか!? あまり吾を見くびるな! あんな物を破る事など、吾にとっては朝飯前じゃ!!」
(嘘じゃ。本当は、独りで破ることもできなくて、左慈と言う方術師の力を借りたけどな!)
 怒鳴りながら屁舞留は、心の中で懺悔をする。
 だけど腹が立つから――――その懺悔は、屁舞留の腹の中にしまい込まれる事になった。
「全く、くだらん『策』を弄しおってからに……! そんなに吾は、お主の戦いの同士としては、頼りがいの無い者だったのか!?」
「ち、違う! 屁舞留――――!」
 キョウジは屁舞留に酷く誤解させてしまっていると悟って、慌てて叫んだ。
「『頼りがいが無い』なんて……! そんな事思わせるつもりではなかった。ただ、ここから先は、私自身の戦いだ。この戦いには『リスク』が高くつくから―――!」
「お主の戦いが終わっておらぬのなら、吾の戦いもまた、終わってはおらぬ!! 違うのか!?」
「―――――!」
 屁舞留のこの言葉に、キョウジは一瞬気圧される。だがしかし、すぐに思いなおして口を開いた。
「だけど屁舞留―――! 貴方は村人たちに『土地神』として必要とされている。シュバルツだってそうだ! 村人たちや、ハヤブサに――――!」
「そうじゃ! お主の『影』は、吾の村のために働いてくれた、立派な村の一員じゃ!!」
 キョウジの言葉を遮る様に、屁舞留は叫ぶ。今ここで、後に引く訳にはいかない、と、屁舞留は強く感じていた。
「『村の者』を救う戦いならば……! 吾もその戦いに参加する権利がある!! 違うのか!?」
「屁舞留………!」
「あれだけ村のために働いてくれたお主の『影』――――今更、『村と無関係の者』だなどと、吾は言わせぬぞ! キョウジ!!」
「…………!」
 屁舞留のこの言葉に、キョウジは反論する言葉を失ってしまう。そんなキョウジの手を、屁舞留は縋りつく様に握った。
「キョウジ……! お願いだ……! 吾も最後まで、この戦いを戦わせてくれ……!」
「しかし……!」
「お願いだ……! 吾も、『土地神』としての責務を果たしたいのだ!!」


テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
ガッツ(がんばれ!)

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
 いつも愛読していただいてありがとうございます(^^)。
また、気持ち玉へのクリックもありがとうございます! 
ものすごくものすごく励みになります。
アンケート実施しています(*^^*)ご協力お願いいたしますm(__)m
 当方のブログの内容とあまり関係の無いTBは、削除させていただきます。
 悪しからず、ご了承ください。

アンケート実施中

されど、龍は手を伸ばす。 247 ――無双OROCHI異聞録――― 農家の嫁の日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる