農家の嫁の日記

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zoom RSS されど、龍は手を伸ばす。 259 ――無双OROCHI異聞録―――

<<   作成日時 : 2015/04/12 00:17   >>

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 それから人間たちと神仙たちは、その力を結集して、ついに妖蛇と対抗し得る力を得た。
 そして、総力戦の末に、ついに人間と神仙の連合軍は、妖蛇『遠呂智』を討滅した。
 だが、遠呂智によって作られたこの世界は、その存在が滅んだが故に、消滅の一途をたどっていく事になる。地面がひび割れ、空が崩れ落ち始めた。
 このまま皆――――時空の狭間に消滅するしか道がないのかと思われた瞬間、神仙たちが動いた。
「このまま、この者たちが消滅に巻き込まれるのは惜しい」
 伏犠の言葉に、女媧も頷く。
「そうだ。我らにも、まだ出来る事がある筈だ」
「世界にほころびが生じた今ならば――――」
 かぐやの言葉に太公望も続く。
「皆をそれぞれ、元居た場所に戻す事が出来る。そうだな? 素戔鳴」
 その言葉に、素戔鳴は頷いた。
 素戔鳴はその後の戦いの中で、次第に人の子たちの力を認めるようになり、ついにはその戦いに助力するようになっていく。
 今ここにこの素戔鳴がいなければ、とても滅びゆく世界からすべての人の子たちを、元の世界に戻すことは不可能であっただろう。あの時、素戔鳴を斬る事を踏みとどまったハヤブサの判断が、ここに生きた。

「では、皆さま方――――『術』の用意を―――――」

 そう言うかぐやの元に、走り寄って来る人間たちが居た。
 ハヤブサとシュバルツである。

「かぐや、頼みがある」

 龍の忍者はかぐやの傍に走り寄ると、おもむろに口を開いた。
「何でしょう? ハヤブサ様」
 たおやかに問い返してくる仙女を、ハヤブサはまっすぐ見つめ返す。

「俺たちが、どうしても帰りたい時間軸があるのだが」

 その言葉に、神仙たちは頷いた。
「諾」
「よかろう! きっちりと送ってやるぞ!」
「気をつけてな。縁があれば、どこかで会う事もあろう」
「全知全能の私がサポートするのだ。大船に乗った気でいろ」

「感謝する」

 ハヤブサが短く謝意を述べて頭を下げ、踵を返そうとする。そこに、素戔鳴の声が追いかけて来た。

「シュバルツ。吾は汝に、一つだけ言い置いておく」

「―――――!」
 ハヤブサが咄嗟に、シュバルツを守ろうとする。だがシュバルツはそれを手で制して、素戔鳴の前に進み出た。
「何だ?」
 あくまでもまっすぐこちらを見つめてくるシュバルツの視線。それを見た素戔鳴の瞳に、一瞬穏やかな色が宿る。だが彼は、すぐに『仁王』の顔を作った。

「絶対に――――悪には堕ちるな!」

「…………!」
 はっと息を飲むシュバルツに、素戔鳴は更に言葉を続けた。

「もしも汝が悪に落ちなば―――――吾は瞬時に駆けつけ、それを滅するであろう」

 かなりきつい言葉ではあるが、シュバルツは素直に頷いた。
「ああ。肝に銘じる」
 それに素戔鳴が頷いたのを見て、シュバルツは踵を返した。そして、ハヤブサもそれに続く。

「やれやれ。素直に『頑張れ』と激励してやればいいものを……」
 ぼそりと呟いた伏犠の言葉を、素戔鳴が聞き咎めた。
「……! 何か言ったか?」
 じろりと素戔鳴に睨まれて、伏犠は素っとぼける。
「いやぁ、別に……」
「――――フン」
 その神仙二人のやり取りを、太公望も苦笑しながら見つめていた。

「さあ、皆さま―――――」

 崩れゆく世界の中、かぐやのたおやかな声が響く。

「どうか、心に強く思い浮かべられませ。貴方が『帰りたい』と思う場所を。帰るべき世界を――――」

 神仙たちの繋いだ手の間から、眩いばかりの光芒が溢れだす。
 その光の中、ハヤブサはシュバルツに呼びかけた。
「シュバルツ」
「ハヤブサ――――」
 穏やかに微笑む、愛おしいヒト。
 その中にある願いが、自分と同じものなのだと言う事を、ハヤブサは改めて確認した。

「未来へ」

 ハヤブサの伸ばしてきた手を、シュバルツが掴む。

「ああ。未来へ」

 未来で 会おう

 光の中、そう約束した忍者たちの手が、離れて行った―――――

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