農家の嫁の日記

アクセスカウンタ

本の販売を始めました!
ここより本の注文画面に飛べます。
当ブログでも発表している『キョウジ兄さんに捧げる物語』を小説同人誌にしました。手作り感満載ですが、興味ある方はどうぞ〜

災害で亡くなられた方、被災された方に哀悼の意を捧げるとともに、心よりのお見舞いを申し上げます。
がんばれ日本!!

zoom RSS ただひたすらに、君を想う。 4

<<   作成日時 : 2015/06/18 00:44   >>

面白い ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0


(よし! 今日のロードワークは終わったな……。後は……)
 額から流れる汗を拭いつつ、ドモン・カッシュは大きく息を吐く。
『キング・オブ・ハート』としての使命を背負っているのも勿論のことだが、もうすぐ『格闘家』としても大事な大会が近い。だから修業に手は抜けない。益々精進しなければ―――――と、ドモンが顔を上げた瞬間、一筋の鋭い殺気が、彼に襲いかかってきた。

「―――――!」

 バシン!! と、その拳を受け止めて、襲って来た者の顔を見て、ドモンは素っ頓狂な声を上げてしまう。

「兄さん!?」

 そう。彼に襲いかかって来たのは、兄キョウジの『影』にしてアンドロイドのシュバルツそのヒトであったから、彼はとても驚いてしまっていた。キョウジもシュバルツも、ドモンにしてみれば紛う事無き大事な『兄』だ。だから彼はシュバルツの事も『兄』と呼び、とても慕っていた。
「ドモン! 少し――――組み手に付き合え!!」
 一の拳を受け止められたとみたシュバルツは、その言葉の終わらぬうちに、もう次の手を繰り出してくる。ドモンはそれを紙一重でかわしながら、その瞳には不敵な色を宿らせて始めていた。
「良いぜ! 俺もちょうど――――組み手相手を探していた所だッ!!」
 繰り出されてきたシュバルツの拳を弾いて、ドモンは距離を取る。何故兄が急にこんな組み手を挑んできたのかは分からない。だが、ドモンは、兄の方の事情を慮ると言う事はしなかった。
 実際、兄と拳を交えるのは楽しい。
 大好きな兄に修業をつけてもらえると言うのであるならば、それこそ、願ったり叶ったりだ。
 それに拳を交える方が――――何百と言葉を交わすより、自分としては兄と雄弁に会話ができると言うものだ。

「来い!! ドモン!! 手加減なしだ!!」

 ファイティングポーズを取る兄が、嬉しい事を言ってくれる。
「言われずともッ!!」
 ドモンも喜々として、自分の『闘気』を爆発的に膨れ上がらせた。元よりシュバルツ相手に手加減などしたら、こちらがやられてしまうのだ。
「行くぞっ!!」
「来い!!」

 ドンッ!! と、派手な音を立てて、兄弟たちは今――――全力でぶつかり合い始めたのだった。

 ドモンの拳はひたすら真っ直ぐだ。
 そして、純粋で、混じり気のないひたむきな闘気を帯びて、こちらに向かってくる。
(さすがだな! ドモン!!)
 弟の拳を受け、時にかわしながら、シュバルツもまた歓喜に震える。

 真っ直ぐな闘志。
 迷いのない拳。
 弟の『心・技・体』どれをとっても充実している事が伝わってきた。

 これだ。
 自分はこれが、見たかったのだ。

 これに対応するためには、自分もまた、無我の境地に身を置かねばならぬ。
 雑念を持ち、邪念を抱けば――――この『キング・オブ・ハート』の拳に、自分はあっという間にやられてしまうだろう。
 可愛いだけだった『弟』が、幾多の試練を乗り越え、友を得て、一人前の戦士へと成長して行った。
 そんなお前を、誇りに思う。
 そして、そんな『弟』が―――――誇りに思えるような『兄』でありたい。

 ドモンの拳は、シュバルツの背筋を正し、心持を正しめる。

 この弟が居てくれて良かったと、シュバルツは今――――心から感じていた。

(兄さん……!)
 シュバルツと組み手をしながら、ドモンもまた歓喜に震える。
 シュバルツの拳は厳しい。だが、どこかに必ず優しさを秘めている。
 自分の師匠はあくまで東方不敗マスターアジアだ。だが、このシュバルツの拳にも、自分は確かに教えられ、守られ、そして導かれてきた。
 俺の、誇るべき『兄』――――
 兄さん、俺は
 そんな貴方の背中に、少しは追いつけているのだろうか?

「でりゃっ!!」
 繰り出した渾身の一撃がいなされ、返り討ちにあう。よろけた所に迫って来る拳を、逆にカウンターで返した。
「やるな!」
 不敵に笑うシュバルツに、ドモンもまた、挑戦的な笑みを返す。
「まだまだ!」
 こんな楽しい時間、簡単には終わらせたくないとドモンは願った。だがその組み手の終止符は、意外なところからもたらされる事になる。

「シュバルツさんが来てるの?」

 全く予想だにしなかった所から―――――と言うか、二人の戦っていた場所が、いつの間にか家の玄関の付近に移動していた物だから、不意打ち的にドアが開き、いきなり二人の傍にドモンの恋人であるレインが出現したような格好になっていた。
「――――!? レイン!?」
「わ……!? ちょっと……ッ!!」
 いきなり現れたレインにシュバルツは気を取られ、ドモンは振るった拳を止め損ねた。

 結果。

 バキャッ!! と、派手な音と共にシュバルツは吹っ飛ばされ、数メートル先の地面に叩きつけられてしまう。
「わっ!? 兄さん!?」
「シュバルツさん!!」
 2人が慌てて駆け寄ると、シュバルツが苦笑しながらその身を起こしてきた。

「いや〜、参った……。ドモン、すっかり強くなったなぁ」

「ご、ごめん! 兄さん! 拳を止められなくて―――」
 謝りながら手を差し出してくるドモンに、シュバルツも笑顔を返しながらその手を掴む。
「平気だ。よそ見をした私だって悪い」

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
面白い

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
 いつも愛読していただいてありがとうございます(^^)。
また、気持ち玉へのクリックもありがとうございます! 
ものすごくものすごく励みになります。
アンケート実施しています(*^^*)ご協力お願いいたしますm(__)m
 当方のブログの内容とあまり関係の無いTBは、削除させていただきます。
 悪しからず、ご了承ください。

アンケート実施中

ただひたすらに、君を想う。 4 農家の嫁の日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる