農家の嫁の日記

アクセスカウンタ

本の販売を始めました!
ここより本の注文画面に飛べます。
当ブログでも発表している『キョウジ兄さんに捧げる物語』を小説同人誌にしました。手作り感満載ですが、興味ある方はどうぞ〜

災害で亡くなられた方、被災された方に哀悼の意を捧げるとともに、心よりのお見舞いを申し上げます。
がんばれ日本!!

zoom RSS ただひたすらに、君を想う。 29

<<   作成日時 : 2015/07/23 15:06   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

 私と生きるのか。
 それとも、ハヤテ殿と生きるのか。
 その未来を――――

「それでも私は、望んでいる……。ハヤブサとの未来を」

「…………!」
「そう望んで手を差し伸べなければ―――――ハヤブサは、真の意味で選べないと、思うんだ……」
「シュバルツ……」
「だが、この道は修羅の道だ」
 シュバルツは己が手を見つめながら、静かに言葉を紡ぎ続ける。
「ハヤブサがそう決断すれば、霧幻天神流の者たちを、完全に敵に回す事になる……。そうなれば、隼の里の者たちも、そして、キョウジ……お前も、二度と平穏な生活を望めないようになってしまうかもしれない……」
「………………」

「それでも……それでも、『ハヤブサと共に居たい』と――――そう願う、私の『ココロ』は……間違っているのか? キョウジ……!」

「シュバルツ……!」
 瞬間キョウジは目を見開いたが、やがて、優しい笑みをその面に浮かべた。
 シュバルツの『ココロ』の在りようが、『間違っている』とか『正しい』とかは、それは誰にも判断できない事だと思う。出来るとしたらそれは、人を超越した『神』と呼ばれる存在だけだろう。

 だけど、たった一つだけ、自分にはっきり言える事がある。
 それは、シュバルツが下した決断ならば―――――それがどのような物であれ、自分は全面的に支持する、と言う事だった。
 シュバルツの事だ。熟慮に熟慮を重ねて、そこに至ったのだろう。
 ならば、その決断を自分がどうこう言う必要はない。ただそれを、手助けしてやればいいのだと思った。それが自分の役割なのだと、キョウジは感じていた。

「『ココロ』に、正しいも間違いもない。だから、私はその判定をする事は出来ないけれど………貴方がそう判断を下したのならば、私はそれでいいと思うよ、シュバルツ」

「しかし、キョウジ……! 私は―――――」
 シュバルツが何を言わんとしているのか、何となく察したキョウジは、シュバルツの唇を、己が指で優しく塞ぐ。それ以上言葉が紡げなくなって、怪訝な顔をするシュバルツに、キョウジは優しく微笑みかけた。
「貴方に、一つ言わせて」
「キョウジ……?」

「幸せになろうとする事を―――――躊躇ってはいけないよ、シュバルツ」

「……………!」
「私は、今も昔も変わらず願っている。貴方の『幸せ』を」

 そう。
 最初に『DG細胞』として、自分の前にそれが姿を現した時から、キョウジは願っていた。
 突出し過ぎた特性を持つが故に、『役に立たない』と、廃棄されかかったそれを、キョウジが拾い上げた。自分の境遇と、この細胞の境遇が、何故かとても似ていると感じてしまったから、放っておけなかった。

 人はこの細胞の事を『危険な細胞』だと言う。
 何故だ?
 優しい『ココロ』を向け続ければ――――ちゃんと、穏やかに優しく応えてくれるのに。

 それを証明したくて、作り上げたアルティメット・ガンダム。しかしそこに襲いかかってきた悲劇。暴走してデビルガンダムと化してしまったガンダムは、辺り構わず破壊し、大量殺戮をし始めた。それを止めたい、弟を守りたい、と、キョウジの祈りにも似た思いが作りだしたモノこそが――――「シュバルツ」と言う存在だった。

 自分の拾い上げたモノ。
 作り上げたモノが、今度こそ幸せになって欲しいと願う。

 これは、誰に何と言われようとも、譲れない想いだった。

「だからお願いだ、シュバルツ……。私を『枷』にして、自分の幸せを躊躇う様な事だけは、止めてくれ……。それは、私が最も望まない事だから」
「キョウジ……!」
「大丈夫だって、シュバルツ。私たちは独りじゃない。頼れる人たちがちゃんと居る。私が身を守る術などいくらでもあるし、どうとでもなる」
 はっと息を飲むシュバルツに、キョウジはにこりと微笑んだ。
「だから貴方は、貴方の思うままに――――『想い』を遂げておいで」
「キョウジ……ッ!」
 いつしかシュバルツの瞳から、大粒の涙が零れ落ちていた。

 どうして
 どうしてキョウジは――――
 いつも、他人(ひと)の事ばかり

 それに対してキョウジが答える。

 『他人』じゃないだろう、シュバルツ
 私たちは一蓮托生
 運命共同体の様な物だ
 だから、ある意味自分を優先している様なものだよ、と

 でも
 でも、キョウジは
 キョウジの幸せは――――――

 それは、前にも言った筈だよ

 そう言って、キョウジは笑う。

『貴方の幸せが、私の幸せだ』と………。
 幸せになる機会(チャンス)があるのなら
 どうか、躊躇わないで
 勇気を出して

「勇気………」

 シュバルツは、己が手を再びじっと見つめた。

「そうだな……。私には今、確かに勇気が必要だ」

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
 いつも愛読していただいてありがとうございます(^^)。
また、気持ち玉へのクリックもありがとうございます! 
ものすごくものすごく励みになります。
アンケート実施しています(*^^*)ご協力お願いいたしますm(__)m
 当方のブログの内容とあまり関係の無いTBは、削除させていただきます。
 悪しからず、ご了承ください。

アンケート実施中

ただひたすらに、君を想う。 29 農家の嫁の日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる