農家の嫁の日記

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当ブログでも発表している『キョウジ兄さんに捧げる物語』を小説同人誌にしました。手作り感満載ですが、興味ある方はどうぞ〜

災害で亡くなられた方、被災された方に哀悼の意を捧げるとともに、心よりのお見舞いを申し上げます。
がんばれ日本!!

zoom RSS 龍と剣と、その拳と 9

<<   作成日時 : 2015/08/31 18:20   >>

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「ハヤブサ……!」
「眠りたくない……! 怖いんだ………! またあの夢を見てしまいそうで……!」

 夢の中にはいつも、『悪意の塊の様な者』が存在している。
 それがいつも、ハヤブサに囁いてくるのだ。

「お前はいつか、お前の大事な物を引き裂く事になるぞ」と………。

「怖いんだ……! 徐々に、夢が夢だけで済まなくなってきているのが分かる……! さっきみたいに意識が無くなってしまった時に、今度は自分が何をしてしまうのか―――――!」

「ハヤブサ……」

「もしかしたら今度は、シュバルツ……お前を傷つけてしまうかもしれない……! いや、それだけじゃない……下手をしたらキョウジも―――――!」

「ハヤブサ!!」
「お願いだ、シュバルツ……! もし今度、俺がそんな事をしそうになったら、俺を―――――んっ!! んう………!」
 シュバルツは、半ば強引にハヤブサの唇を奪っていた。舌を深くその口腔に侵入させ、強引に弄る。
 馬鹿な事を言い出したハヤブサ。
 そこから先の言葉は聞きたくないし、言わせたくないと思った。
 だから―――――

「ん………う………」

 シュバルツからのキスを受け入れているハヤブサの身体から、力が徐々に抜けていく。
 シュバルツはハヤブサの舌を優しく吸い上げると、そっと彼の唇を解放した。
 少し放心状態になっているハヤブサを、優しく抱きしめる。

「――――愛している、ハヤブサ……!」

「…………!」
 はっと、息を飲むハヤブサの耳元で、シュバルツは尚も囁く。
「お前が、どうなろうとも………この気持ちは変わらない自信があるから………」
「シュバルツ………!」

「だからお願いだ……ハヤブサ……! 『死ぬ』とか、『私の前から消える』とか―――――そんな哀しい事を言わないでくれ………!」

「―――――!」

「そばに、居させてくれ……! そして、守らせてくれ……!」

「シュバルツ………」

「私を、『独り』にしないでくれ……!」

「……………!」

「ハヤブサ……!」

 愛おしいヒトからの思いもかけぬ夢の様な言葉に、ハヤブサの瞳からも、いつしか涙が溢れていた。
「シュバルツ……!」
 ハヤブサも、縋りつく様に、シュバルツの背に手を回す。
「シュバルツ……! シュバルツ……!」
 シュバルツはそのまま、ハヤブサが眠りに落ちるまで、彼の身体を優しく、抱きしめ続けたのだった―――――。


「……………」
 眠ったハヤブサの身体を、そっとベッドに横たえる。ふう、と、小さくため息をつきながらシュバルツが身を起こすと、キョウジから声をかけられた。
「ハヤブサ……眠った?」
「あ、ああ……。何とか、な………」
 シュバルツは、少しやつれてしまったハヤブサの寝顔を見つめる。『寝たくない』と言われても、寝なければ――――休養しなければ、治る物も治らない。しかし………。
 シュバルツは、首を捻ってしまう。

『眠る』ことは本当に―――――今のハヤブサにとっては、いいことなのだろうか?

「………………」
 キョウジも同じような事を感じているようで、少し難しい顔をして黙りこくっている。その手元では、ボロボロにされた千羽鶴を、綺麗に修復する作業が続けられていた。ぐしゃぐしゃになってしまった紙を一枚一枚広げて、手早く丁寧に、鶴に折りなおしている。
「手伝おう」
 シュバルツがそう言って隣に座ると、「頼む」と、キョウジもシュバルツに紙を渡してきた。暫く二人は無言で鶴を折り続けていたが、やがてキョウジがポツリと口を開いた。
「………ハヤブサが起きるまでには、綺麗にしておいてあげたいよね……」
「そうだな………」
「本当は、花も直してあげたいけど……」
「花は無理だな……」
 ため息交じりに返すシュバルツに、キョウジは少し笑顔を浮かべる。
「『禁じ手』を使えば、直せないことも無いけどね……」
「お………おい――――!」
 少し驚くシュバルツに、キョウジは苦笑する。
「冗談だよ。冗談」
 『禁じ手』とは、『DG細胞』の事だ。この細胞の『自己再生』の能力を使えば、傷ついた花々も、すぐに元に戻す事が出来るだろう。
 しかし――――
 この細胞には常に『暴走』の危険が付きまとう。下手に扱えば、手に負えない不死の『化け物』を作り出してしまうことすら可能だった。キョウジの取り込まれかけた『デビルガンダム』が、まさにそれに当たった。だから『DG細胞』は『禁じ手』として封印されて居る筈なのだが。
 実はキョウジが1人でその細胞について今も秘かに研究を続けている事を、シュバルツも知っている。だが彼は、それに強く反対も出来なかった。キョウジにとってその研究は、学術的な意義もあるだろうが、どちらかと言えば『償い』の気持ちの方が強いと言う事を、シュバルツも承知していたからだ。
(もしも……キョウジが死んでしまったら……この研究は、私が引き継いでいく事になるのかな………。自分の身体の事も含めて……)
 千羽鶴を一枚ずつ折りながら、シュバルツが漠然とそんな事を考えていると、キョウジがポツリと口を開いた。

「やはり、ハヤブサは………何か、おかしいよね……」

「キョウジ?」
「だって、おかしいだろう! ハヤブサがこんな事をする筈がないことぐらい、私にだってわかる! これはもう、医学的な範囲を越えておかしい! 何かが………狂ってるように感じる……!」
 

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