農家の嫁の日記

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当ブログでも発表している『キョウジ兄さんに捧げる物語』を小説同人誌にしました。手作り感満載ですが、興味ある方はどうぞ〜

災害で亡くなられた方、被災された方に哀悼の意を捧げるとともに、心よりのお見舞いを申し上げます。
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zoom RSS 龍と剣と、その拳と 19

<<   作成日時 : 2015/09/14 11:33   >>

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「りゃああああああっ!!」

 ガキッ!!
 ガツン!!

 重々しい太刀の音が、辺りに響き渡る。
 シュバルツは少年ハヤブサと手合わせをしながら、さすが、と、内心唸っていた。
 ハヤブサの太刀は何処までも鋭く、そして真っ直ぐだ。その戦いぶりには危なげがなく、こちらの繰り出す太刀にも即座に対応してくる。
 齢にして12、3歳ごろだろうか。この年齢でこれだけの戦いをするハヤブサの技量は、確かに常軌を逸していた。後に『伝説の龍の忍者』と称されるのも、おおいに頷ける。
 ただ、惜しむらくは―――――

 ガツン!!

「…………!」
 その太刀筋が、哀しみに、怒りに、恨みに―――――濁り過ぎている、と言う事であった。これではいくら鋭く打ち込んだ所で、相手には届かない。それどころかその感情は、自分にそのまま跳ね返って来て、却って諸刃の剣にすらなりかねない。更に何故か「焦り」の感情まで見え隠れしているから、シュバルツは首を捻ってしまう。

「どうした? ハヤブサ」

 だからシュバルツは、戦いながら思わずハヤブサに問うてしまう。
「何をそんなに―――――焦っている?」
「うるさい黙れっ!!」
 怒りに満ちたハヤブサの剣が、シュバルツに襲いかかる。
「貴様のせいで――――!!」
 それを軽くいなしながら、シュバルツは少しずつ後ろに下がる。このまま自分は、彼の『仇』として討たれても良いが、迷ってしまう。
 本当に、このままでいいのか?
 このまま、討たれてしまっていいのか?

 討たれる以外に―――――彼の『助け』となる方法は、ないのだろうか。

 不意に、下がり続けたシュバルツの背が、壁の様な物に当たる。
「……………?」
 何気なく振り向いて―――――驚いた。氷のような透明な『壁』と言ってもいい物の中に、紛う事なきハヤブサの『龍剣』があったのだから。

「な……! 龍剣……!」

「――――――!!」
 思わず漏れ出た、シュバルツの小さな声。それに、ハヤブサが敏感に反応した。

「貴様ッ!! やはり龍剣を狙っていたのか!?」

 もう生かしてはおけないと言わんばかりに、ハヤブサの攻撃が一層激しいものになる。
「ハ……ハヤブサ……!」
 元よりシュバルツの方にハヤブサと戦う気などない。ハヤブサの猛攻の前に、シュバルツの対応はどうしても後手後手に回ってしまう。シュバルツは次第に、切り立った崖の方へと追い詰められてしまった。下がった足が、崖を踏み外しそうになる。それにシュバルツが一瞬気を取られた、刹那。

「死ねええええええっ!!」

 ハヤブサの渾身の一撃が、シュバルツを襲う。それがシュバルツの脇腹を切り裂き、体勢を崩した彼は、そのまま崖から転落するよりほかはなかった。
(ハヤブサ………!)
 見上げるシュバルツに、ハヤブサの冷たい視線が突き刺さる。そのまま彼は、崖から奈落の底へと落ちて行った――――――


(何だ………?)
 何か妙な胸騒ぎを感じて、キョウジはその顔を上げていた。
 目の前には、相変わらず手をつないだまま眠りこけている、忍者二人の姿がある。そして二人の繋がれた手を守る様に、包み込む『光』が優しい輝きを放ち続けていた。
(大丈夫、だよな?)
 白い光を見つめながら、キョウジは自分に確認するように言い聞かせる。
 いくら邪悪な物にその精神を捕らえられているとはいえ―――――ハヤブサとシュバルツの二人が揃っている。その状態で二人が『邪神』に後れを取るだなどとは、思いたくもなかった。
 その横で東方不敗が何かの『香』の様な物を焚きしめている。部屋には、独特の香りが充満していた。

「師匠! 皆を連れて参りました!」

 そう言いながらドモンが部屋に入って来る。その後から、ドモンと同じくシャッフルの紋章を持つ者たちが、続けて入ってきた。

「よう! 師匠に兄さん! 久しぶりだな!」
 と、チボデー・クロケットがキョウジに向かって手を上げる。ブルーの髪の毛にピンクのメッシュを入れたセミロングの髪形をしている彼は、アメリカ人で、プロのボクサーでもあった。
「うわっ!? 何だ!? この匂い!!」
 部屋に入るなり、背の低い子どもと言ってもいい少年が、無造作に一つに束ねた黒髪を揺らしながら鼻を摘まんでいる。彼―――――サイ・サイシーは、実は中国拳法の達人で、亡き父親の後を継いで、道場の再興に勤しんでいる。
「何やら『香』を焚いているようですね……。それにしても、変わった香りだ……」
 その後ろから、少しキザで優雅な雰囲気を醸し出している、フランス人の青年が入って来た。彼の名はジョルジュ・ド・サンド。貴族の出身で、フランスの王族の1人であるマリアルイゼ姫に忠誠を誓っている騎士でもある。フェンシングと飛び道具の達人でもあった。
「……………」
 一番最後に、2mを越える巨躯を持った筋肉隆々の男が無言で入って来る。
 彼の名はアルゴ・ガルスキー。ロシア人で、海賊として暴れまわっていた経歴を持つ。ただ、彼は誰も彼もを襲う賊ではなく、弱気を助け、強きをくじく義賊の様な存在であったらしい。彼を捕らえた女性軍人ナスターシャと気持ちを通わせるようになり、『デビルガンダム事件』以降、彼女と結婚して、幸せな家庭を築いているようである。

「おう、来たな」

 東方不敗は、ドモン以下5人の姿を認めると、その面ににやりと笑みを浮かべた。
「師匠、それは何ですか?」
 早速ドモンは、東方不敗の手元の『香』を見つけて問いかける。
「これは、『邪気払いの香』よ」
 香からくゆる煙を見つめながら、東方不敗は答える。
「今回の戦いには、どうしても必要な物なのでな。所でドモンよ……。この街の住人達は皆、無事に避難を済ませておるのか?」

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