農家の嫁の日記

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当ブログでも発表している『キョウジ兄さんに捧げる物語』を小説同人誌にしました。手作り感満載ですが、興味ある方はどうぞ〜

災害で亡くなられた方、被災された方に哀悼の意を捧げるとともに、心よりのお見舞いを申し上げます。
がんばれ日本!!

zoom RSS 龍と剣と、その拳と 20

<<   作成日時 : 2015/09/16 01:26   >>

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「はい。師匠。皆言われたとおりに避難してくれました。これで街の中は、人っ子一人おりません」
「うむ」
 ドモンの言葉通り、この街の境界線一帯には政府の協力の元、『立ち入り禁止』の黄色い線が張り巡らされ、その外側を警官が警護に当たっていた。それを、輪の外からドモンの恋人であるレインが、心配そうに見守っていた。
(ドモン………)
 そんな彼女の肩を、チボデーとともにアメリカからやってきた女性たちが軽く叩く。
「大丈夫よ、レイン」
 リーダー格のシャリーが、にっこりと微笑みかけて来た。
「チボデーもドモンも、きっと大丈夫。私たちは彼らを信じましょう」
「ええ、そうね」
 レインもにこっと微笑み返す。ただ、彼女の瞳から憂いの影が消えることは無かった。ドモンは多くは語らなかったが、何やらこのトラブルには、彼の兄であるキョウジも巻き込まれているらしい。彼はよく、理不尽な不幸に見舞われる事が多いから、彼女はそれを心配していた。
(ドモン、キョウジさん……。きっと、大丈夫よね………?)
 封鎖された街を見つめながら、ただ祈るしか出来ない自分が、レインにはもどかしく感じられた。


「それにしても……何かこう……寒くないか?」
 軽く震えているチボデーに、ドモンがきょとん、とした表情で答える。
「えっ? そうか?」
「確かに……何か寒いですね……」
 ジョルジュもそう言って眉をひそめる。その横でサイ・サイシーが、「うわあっ!!」と、突然大きな悲鳴を上げた。
「ん? どうした? サイ・サイシー」
 サイ・サイシーの声に驚いたドモンが振り向くと、サイ・サイシーの小さな身体が、ドモンの後ろに回り込んできた。
「あ、兄貴……! あそこで寝ている奴の身体から出ているあれ……何だよ!?」
「えっ?」
「ほ、ほら……! あれ……ッ!」
 サイ・サイシーは懸命に、ベッドに寝ているハヤブサの方を指す。すると、ハヤブサの身体から、黒い煙の様な物が溢れるように出て来て、床へと流れ落ちている。
(俺が最初見たときより……だいぶ増えたな………)
 ドモンはそれを見ながら、漠然とそう思う。だが、周りの皆の言う様に、『寒さ』や『恐怖』は相変わらず感じなかった。

「こ奴は『龍の忍者』と呼ばれる存在で―――――今回、お前たちを招集した原因でもある」

 皆の注目がハヤブサに集まったと感じた東方不敗は、改めて口を開いた。
「龍の忍者!?」
「実在していたのですか……!?」
「…………!」
 東方不敗の言葉に、チボデーとジョルジュとアルゴはそれぞれ息を飲む。しかし、サイ・サイシーだけが1人、きょとん、としていた。
「なあ、『龍の忍者』って、何だ?」
「伝説の『龍の一族』の血を引く忍者の事ですよ」
 サイ・サイシーの問いに、ジョルジュが優しく答えていた。
「何でもその腕は恐ろしく強くて、『龍剣』一本で神をも滅殺すると言われています。いろいろと話は耳にした事があるのですが……如何せんその話の中の『龍の忍者』の腕が凄まじ過ぎて、私は民間伝承か何かだと思っていたのですが……」
「ああ………実在していたとはな………」
 話をするジョルジュの横で、チボデーも「信じられない」と言った面持ちでベッドの上のハヤブサを見つめる。その横でドモンは、「やれやれ」とため息を吐いていた。
「みんな驚きすぎだ! 確かにこいつの腕は認めるが、山歩きとかが好きな―――――割と普通の奴だぞ!?」
「ドモンは、こいつを知っているのか!?」
 驚くチボデーに、ドモンは「ああ」と頷いた。

「シュバルツとハヤブサが、友人同士なんだよ」

 それまで黙っていたキョウジが、そっと口をはさんでくる。

「同じ『忍者』同士だからかな。馬が合うみたいで――――」

「ああ確かに、仲いいみたいだな。手を繋いで寝てやがる」
 チボデーが、忍者二人の繋がれた手を見て、少しおどけて見せる。それに対して、ドモンがかなりむくれた顔をした。
「ハヤブサの奴がシュバルツに付き纏いすぎなんだ!! シュバルツは俺の兄さんなのに――――!!」
 シュバルツに会いに行ったら、かなりの高確率でハヤブサとも会ってしまう。ドモンは少しそれが面白くなかった。腹が立つから、会うたびにハヤブサに手合わせを挑むのだが、ハヤブサが互角以上に自分と渡り合ってくるから、余計に腹が立つ。
 自分も結構口実を設けてシュバルツに会いに行っていることは置いておいて、ドモンはぶつくさと文句を言っていた。
「相変わらずのブラコンだなぁ」
と、チボデーが茶かすと、
「ブラコンじゃない!!」
と、怒鳴りつけるドモンなのであった。

「ですが……この手は、離さない方が良いみたいですね。これによって、何かを『封印』しているようにも見えます」

「お主もそう思うか?」
 東方不敗の問いに、ジョルジュは頷いた。
「ええ。二人の手を包むかのように、白い光が見えますので―――――」

「そう。この白い光は問題ではない。危険なのは、こ奴の身体から発せられている、黒い『邪気』の様な物だ」

 そう話す東方不敗の手元で、『邪気払いの香』の煙が、ゆらゆらと漂っていた。

「どう言う理由かは知らぬが、このリュウ・ハヤブサの身体は、かなり激しく衰弱しておる。そして、こ奴が衰弱する事によって、今まで龍の忍者が『封印』してきた数多の邪神の類が封を破り、復活しようとしておるのだ………。この『邪気』は、その邪神から漏れ出ている様なものよ」

「げっ!!」
「何ですって!?」
「うわあ、おっかね〜〜〜!!」
「……………!」
 東方不敗の言葉に、4人がそれぞれ息を飲む。ドモンはフン、と、鼻息を荒くし、東方不敗はそれを見てにやりと笑った。
「その邪神が完全に地上に解き放たれてしまったら、この世界は大変な事になる……。それを防ぐのが、我等の役目、と言う訳よ」
 

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