農家の嫁の日記

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当ブログでも発表している『キョウジ兄さんに捧げる物語』を小説同人誌にしました。手作り感満載ですが、興味ある方はどうぞ〜

災害で亡くなられた方、被災された方に哀悼の意を捧げるとともに、心よりのお見舞いを申し上げます。
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zoom RSS 龍と剣と、その拳と 12

<<   作成日時 : 2015/09/04 14:27   >>

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(それにしてもどうしてしまったんだ、ハヤブサ……。一体彼に、何が起こっている……?)
 明らかに、何者かに操られそうになっていたハヤブサの身体。とりあえず気を失わせたのは良いが、このハヤブサを、このままにしておいていいものかどうか悩んでしまう。
(しかし……危ないからと言って、拘束する訳にもいかないよな……)
 重ねて言うが、ハヤブサは半死半生の重病人。本来なら楽な姿勢で、ゆっくり休ませてやりたいところだ。そうしなければ、治る物も治らない。それを『危ないから』と、縛り付けてしまうのは人道に反しているし、言語道断だとシュバルツは思った。
 だが、だからといって、このまま放置しておいてもいい訳がない。操られてしまっているハヤブサの身体が、次に何をするか分からない。

 これはもう、異常事態。
 たしかに、異常事態になってしまっていた。
 キョウジの、妙な勘が当たってしまったな、と、シュバルツは軽く苦笑する。

(とにかくキョウジに今あった事を報告しないと……。それと、ハヤブサからも目を離さないようにして行かないといけないな……)
 そう考えながら、シュバルツがハヤブサの身体の下から、這い出ようとした、刹那。

「……う………?」

 急にシュバルツを襲う、眩暈。身体から、勝手に力が抜けていく。
(何だ……? これは……)
 無理やり、眠りに誘われるような感覚。懸命に覚醒しようと努力してみるも、それも叶わず、どんどん意識が薄れていく。
 身体に、先程ハヤブサ以外の何者かとキスをした時の様な、おぞましい感覚が這いまわる。

(しまった……! もしかして、捕らえられた………?)
 
 シュバルツがそう悟った時には、既に彼の身体の自由はほとんど利かない状態になっていた。
(駄目だ……! せめて、キョウジに……! 異常があった事だけでも……伝えないと………!)
 ハヤブサのベッド脇に、キョウジに直通しているコールボタンがある。緊急時にだけ押すようにと言われているそれを、今こそ使うべきだと思った。
「…………ッ!」
 ぐ………ぐ………と、懸命に手を伸ばすが、コールボタンまで、なかなか手が届かない。距離にして僅か数センチ。しかしその距離が、今のシュバルツにとっては恐ろしく遠く感じられた。
(キョウジ……! キョウジ……!)
 祈るように伸ばされた手がやっとのことでボタンに触れる。
「―――――――」
 そのままシュバルツは昏倒してしまった。
 部屋にはただ、沈黙のみが訪れていた。


 家から徒歩圏内に在る24時間営業のスーパーで、キョウジがレジの精算を終えた時、それは突然鳴り響いた。
 慌てて携帯を確認し、それがシュバルツからの緊急コールと確認して、キョウジの顔色が変わる。買い物を早々に袋に詰め、転がり出るようにスーパーを後にする。家まで猛ダッシュで帰りつき、蹴破るように玄関のドアを開けると、中から弟であるドモンの声が聞こえて来た。

「こいつ!! 兄さんから離れろッ!!」

(ドモン……! シュバルツ――――!)
 キョウジは買い物袋を放り出すと、そのまま声のする部屋へと走って行った。
 どうか、皆無事で。
 そう祈りながら―――――

「大丈夫か!? ドモン!!」

 部屋に走り込むと同時にキョウジの視界に飛び込んできたのは、気を失って折り重なる様に倒れている忍者二人と、そのハヤブサからシュバルツを引きはがそうと、悪戦苦闘している弟の姿であった。ドモンが、シュバルツの手を掴むハヤブサの手を引きはがそうとしているのだが、どうした事か―――――彼の手はドモンがどのように力を加えても、少しも離れようとしなかった。
(…………!)
 キョウジはそんな3人の様子を見て、ある事に気づく。だから、思わず叫んでいた。

「ドモン!! 止めろ!!」

「えっ?」
 振り向いたドモンは、ここでようやくこちらを食い入るように見つめているキョウジの姿に気づく。
「兄さん!?」
「……ドモン、その二人の手を離そうとするのは、止めておいた方がいい」
「えっ? 何で?」
 きょとん、と振り返るドモンにキョウジもはっと我に帰る。
(そうか……。ドモンにはあれが見えていないんだな……。あの二人の手を包む白い光が………)
 ハヤブサとシュバルツの繋がれた手を、淡い輝きを放つ白い光が包み込んでいる。それがキョウジには、何故か二人を守っているように感じられたからだ。
「……とにかく、二人の手はそのままにして――――二人をベッドに寝かしつけよう。手伝ってくれるか、ドモン」
「えっ? ま、まあ、いいけど……」
 ドモンが、まだ少し納得できないと言う表情をしながらも、とりあえず二人の手を引きはがそうとする事は止めた。
「でも兄さん」
「何だ? ドモン」
「何でシュバルツの服、破れているんだ? どうやったら、こんな破れ方をするんだ?」

「……………ッ!」

 ドモンの指摘に、流石のキョウジも顔色が変わる。
「やっぱり、ハヤブサの奴が破ったのか? ……でも何で、シュバルツの服を破る必要があるんだ?」
「あ〜〜〜〜ははははははは!!」
 その辺の事情を、いろいろ深く説明したくないキョウジは、とりあえず、笑ってごまかす事を選択した。
「と……とにかく、二人をベッドに寝かしつけよう。どうして服が破れたかは、シュバルツが起きてから聞けばいい様な気がするから………な?」
「あ、う、うん」
 キョウジの言い分にドモンもとりあえず納得してくれたのか、追求する事を止める。キョウジは、ホッと胸を撫で下ろした。

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