農家の嫁の日記

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当ブログでも発表している『キョウジ兄さんに捧げる物語』を小説同人誌にしました。手作り感満載ですが、興味ある方はどうぞ〜

災害で亡くなられた方、被災された方に哀悼の意を捧げるとともに、心よりのお見舞いを申し上げます。
がんばれ日本!!

zoom RSS 龍と剣と、その拳と 33

<<   作成日時 : 2015/10/07 13:57   >>

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「―――――!」
 少し驚いたように見る男の視線を、まっすぐ受け止め、睨み返す。
「ただし、全力で――――手加減なしでだ!!」

 そう。
 彼の真の強さを見てみたかった。
 龍剣を手に入れるためにも。
 その先へ、自分が進むためにも――――

 もしかしたら、この戦いで自分は、命を落としてしまうかもしれない。
(それでもいい)
 ハヤブサは強く思った。
 この男の全力を対処できないようなら、この先に進むことも不可能だ。
 そうなってしまったら、目的が果たせない自分は、もう死んだも同然だった。

 だから、男には全力で戦ってもらわねば困るのだ。
 そうでなければ――――

 その『先』へは進めない。

(ハヤブサ……!)
 刀を油断なく構え、真っ直ぐこちらを見つめてくる少年ハヤブサの眼差しを、シュバルツも真正面から受け止める。
(どうやら、修行をつけても大丈夫そうだな)
 ハヤブサの瞳が憎悪に曇っていない事を見て取って、シュバルツの顔に小さな笑みが宿る。流石にハヤブサだ。彼の『精神』は―――――やはり強い。
「いいだろう。相手になってやる」
 手にした刀を中段に構える。この小さな『龍の忍者』に失礼のない様に。

「いざ―――――」

 二人の間を、里の風がヒョオ、と、音を立てて吹き抜ける。
 龍剣を得るための忍者たちの戦いが、今まさに、始まろうとしていた。


 ドゴオッ!!

「覇ッ!!」

 ドゴオッ!!

「吻ッ!!」

 シュバルツとハヤブサが眠るキョウジの部屋の中で、東方不敗とキョウジの戦いは続けられていた。キョウジがショットガンを撃ち、敵の動きが怯む、あるいは止まったところを東方不敗が次々と仕留めて行く。
「どうした雑魚共!! かかって来んかぁ!!」
 喜々として構える東方不敗の横で、キョウジがふうっと小さく息を吐いていた。
(やっぱり難しいな……。戦いながら、もう一台自家発電の装置を作ると言うのは……)
 ショットガンの弾込めをしながら、周りの状況を確認する。すぐに発砲する必要性を感じなかったキョウジは、素早くショットガンの弾を精製する作業に取り掛かった。魔法の様に動くキョウジの手元から、あっという間に10発程の弾が作られ、そこに『結界の波動』を注入する装置に掛けられていく。
 今のところ敵の数もそんなに多くなく、強さもまだそれほどでもないため、こうしてショットガンの残弾を戦いながら増やして行くことができるが―――――それでも、これをするので手一杯だ。とても自家発電機を作る、ましてや折り鶴を直す作業までは、手が回らない。
(フフフ……キョウジは戦いのセンスも、なかなかの物じゃな……)
 この戦い、まだ自分1人でも余裕で対処できるが、キョウジのサポートのおかげで随分と戦いやすくなっている。キョウジの射撃は正確無比。それに数多いる敵の中で、どの敵が自分たちにとって一番の脅威となるか、瞬時に判断している。それは、自分たちと敵との位置関係を正確に把握していなければ、到底できない技だと東方不敗は感じていた。
 射撃の腕を褒めると、キョウジは苦笑しながら頭を振る。
「そんな大したものじゃないですよ。射撃の正確性が要らないから、わざわざショットガンを選んでいるんです」
「なるほど……」
 確かに、ショットガンの弾は放たれた瞬間、プラスチック製の弾が破裂し、その中に入れられていた無数の金属製の小さな弾が銃口から放射線状に広がり、一定範囲に均等に広がって着弾する。故に精密な射撃を必要とせず、動く対象にも当てやすい。その威力は近接戦闘において、存分に発揮される物だった。
 それでも先程からキョウジが撃つ弾に無駄弾など無い。一体一体着実に仕留めて行く様は、見事と言うほかはなかった。
「十二王方牌大車併―――――ッ!!」
 複数の敵を同時の屠る東方不敗の大技。「爆発!!」と叫ぶ東方不敗の声と共に、技をかけられた敵たちが、一斉に爆ぜた。家じゅうに爆風が巻きあがり、ガラスが割れ、壁に穴が開いた。
「フフフ……他愛も無い奴らじゃの……」
 そう言って笑う東方不敗の横で、キョウジは顔をひきつらせながら苦笑している。
(いろいろ壊れちゃったなぁ……。後で直すのが大変だぞこれは……)
 でも東方不敗ばかりを責められない。自分のショットガンも、家中の細々とした物を壊しているのだから。
「まだまだ来るぞ!! 油断するでない!!」
 構えながら東方不敗は、改めて自分が守るべき者たちを確認する。
 守るべきはキョウジ。結界を発生させる装置。そしてどうでもいいが、ベッドで眠り続ける忍者たちの身体―――――
 本当なら東方不敗にとって、キョウジ以外はどうでもいい。だがキョウジが、他の者たちを守りたいと願っている。
 ならば、その願いは叶えられなければならぬ。自分は、それを叶えるために動く。それが―――――『仕える者』としての義務だと東方不敗は思った。
「…………!」
 キョウジもショットガンに弾を込め、撃鉄を起こす。まだ次から次へと、床から黒い影達が立ち上がって来るのが見えた。
(キリが無いな………)
 キョウジはギリ、と、歯を食いしばった。この戦い―――――本当に、終わりが来るのだろうか?
 ふと、自分の背後で眠り続ける忍者たちの姿が、視界に飛び込んでくる。
(弱音を吐くな)
 キョウジは頭をふり、顔を上げた。
 この二人を守り抜く。そう決めたのは自分だ。
 ならばそれを貫け。何が何でも――――
(何が壊れてもいい。せめて……我が家のライフラインだけは、壊れませんように………)
 今――――総ての装置の命を繋いでいるのは『電気』だ。これが気にせず使えるのと、時間を限られてしまうのとでは、戦いの難易度がぐっと違ってくる。そう言う最悪の事態だけは、起きないで欲しいとキョウジは祈っていた。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
はじめまして。星空文庫の作品にこちらの連載作品と、空様の温もり溢れるキャラ描写に魅了され日参しております。
管理人様の書かれるマスターとキョウジの関係が好きなのですが、今回この二人の活躍を再度見ることができてとても嬉しくなりしました。
これからも創作活動頑張って下さい。応援しております。
てっこ
2015/10/08 23:38
てっこ様、はじめまして〜。
コメントありがとうございます(*^^*)コメントの存在に気付いたときは、しばらくパソコンの前で固まって、涙を流しておりました! いえ、本当に……(^^;
キョウジと東方師匠の関係がお好きなのだとか。ありがとうございます! そう言っているだけで、心の中にアンパンマンのマーチが鳴り響いております。勇気100倍でございます(*^^*)
師匠……本当はもっと出してあげたいのですが、この方、活躍する舞台を選ぶ人なんですよ(^^; ちゃんと舞台を用意してあげないと「いやじゃ!」と言っててこでも動いてくれなくなるので、師匠が安心して活躍できる場をもっと提供してあげたいものです。
物語はまだまだ続きますよ〜。
ゆっくりお付き合いいただけたら、これ幸いです(*^^*)
農家の嫁
2015/10/08 23:51

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