農家の嫁の日記

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当ブログでも発表している『キョウジ兄さんに捧げる物語』を小説同人誌にしました。手作り感満載ですが、興味ある方はどうぞ〜

災害で亡くなられた方、被災された方に哀悼の意を捧げるとともに、心よりのお見舞いを申し上げます。
がんばれ日本!!

zoom RSS 龍と剣と、その拳と 54

<<   作成日時 : 2015/11/16 00:40   >>

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 対してキョウジの方は、やる事の多さに知らず眩暈を覚える。だけどここで総てを投げ出して倒れる訳にもいかない。危険を顧みず闇の世界に乗り込んで行ったドモンのためにも。ハヤブサと共に、そこに囚われているシュバルツのためにも。

(お願いだ……! 皆、無事に帰って来てくれ……! 信じているから……!)

 ゲートを東方不敗の代わりに固定する装置を作りながら、キョウジはそう祈り続けていた。
 皆、彼にとっては失ってはならない、大切な人たちだった。


(ドモン……。キョウジ………!)
 閉じてしまった空間の向こうで、懸命に手を伸ばしてくれていた二人の顔を思い出す。
(ありがとう)
 勇気がわいた。
 戦う勇気が。
 剣を構え続ける希望が――――

 知らなかった。

 自分のことを無条件に思い続けてくれている人がいる、というだけで
 人の『ココロ』は、こんなにも励まされるだなんて。
 二人がこちらに伸ばして来てくれた手には、それほどの力があった。

(単純なのだろうか)

 たったそれだけのことに勇気づけられる自分にシュバルツは苦笑してしまう。
 だけど――――

 あの手は、確かに自分を強く支えていてくれた。

 そうしている間にも、空間に亀裂が走り、広がり始める。隙間から入れる小さなモンスターたちが、結界内に侵入し始めていた。
「………………」
 シュバルツは息を大きく吐きながら、静かに抜刀する。
 守る。
 ハヤブサの身も、自分の身も。
 懸命に自分に向かって手を伸ばしてくれたあの二人を、これ以上哀しませたくないと、願う。
「来い!」
 迫りくるモンスターたちに向かって、正眼で構えた。

「ギシャアアアアアアッ!!」

 シュバルツの声に応えるように、一斉にかかってくるモンスターたち。 その間を、白刃が一閃する。あっという間に最初にかかって行った集団が弾き飛ばされた。
 だが、物量で勝るモンスターたちは、次々と波状攻撃を仕掛けてくる。
 蹴る。
 殴る。
 弾き飛ばす。
 斬り倒す―――――
 四方から襲い来るモンスターたちを、次々と撃退していたシュバルツであるが、隙を見つけて繭となっているハヤブサの身体を抱えて跳躍した。四方八方から襲われる見通しのいいこの場所に、地形的不利を感じたが故だった。
 何度かの跳躍を繰り返し、モンスターの群れをかきわけ、目的の場所にたどり着く。
 そこは、『龍剣』が封印されている場所だった。
 剣を封印している石柱の様な物が、高々と聳え立ち、この世界の天と地を支えているようにすら感じられる。この石柱を背にして戦えば、とりあえず背後から襲われる心配は不要になりそうだった。
 シュバルツは『繭』になっているハヤブサの身体をそっと下ろすと、その前に立ち、改めて剣を構えなおした。

 守る。
 このハヤブサは、何としても守り切って見せる。

 大丈夫。
 恐れるな。
 希望はあるんだ。

『龍の忍者』の完全復活という希望が――――

 それさえ果たされれば、自分はもう、ここの世界での『役目』を終えていい。
 その後でならば、ここで闇に呑まれようが、ハヤブサに恨まれたまま殺されようが、どうなっても構わない―――――シュバルツは、そう思いかけた。
 だがそのたびに

「帰って来てくれ!! シュバルツ!!」

 必死に叫んでいたキョウジの姿を
 兄弟たちが伸ばしていた手を
 シュバルツは思い出す。

「兄さん!! 兄さん!!」

 弟が、必死の形相で叫んでいる。

「お願いだから………キョウジ兄さんを独りにしないでくれ!!」

(ああ、本当にそうだな)
 自分が見ていないと、何かと口実をつけて、すぐにいろんなことをさぼりたがるキョウジ。
 どこか飄々としていて、つかみどころがなくて――――でも、自分と話すときは、心底楽しそうに笑うキョウジ。
 彼ほど強くて
 でも、彼ほど『孤独』な存在を、シュバルツは他に知らない。

 大切だった。
 ハヤブサやドモンとはまた違った意味で、特別で、大切な人だった。

 その人の「帰って来い」という願いを、自分が踏みにじるわけにはいかない。

 シュバルツは強くそう思って、剣を上げ続けていた。
 そんなシュバルツが龍剣を封印している石柱の傍で、暫くモンスターたちと戦い続けていた時に――――それは姿を現した。
 それは、ハヤブサと戦い続けていた『仁王』であった。
 石柱から静かに現れた仁王は、二振りの剣を手に、静かにこちらに視線を合わせてくる。

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