農家の嫁の日記

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当ブログでも発表している『キョウジ兄さんに捧げる物語』を小説同人誌にしました。手作り感満載ですが、興味ある方はどうぞ〜

災害で亡くなられた方、被災された方に哀悼の意を捧げるとともに、心よりのお見舞いを申し上げます。
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zoom RSS 龍と剣と、その拳と 55

<<   作成日時 : 2015/11/19 23:45   >>

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(まさか……! もう『試練』の時間なのか!? ハヤブサがまだ目覚めていないのに……!)
 シュバルツは咄嗟に『繭』になっているハヤブサを見る。ハヤブサの方はピクリとも動かない。昏々と繭の中で眠り続けているようであった。
(どうする!?)
 龍剣を手に入れるべきは、『龍の忍者』になるべきなのは、あくまでもハヤブサ。自分が、この仁王と戦う訳にはいかないのだ。
「く………!」
 シュバルツは仁王をけん制しながらモンスターたちと戦い続ける。仁王はしばらくそれを静観し続けていたが、その手に持つ刀の切っ先が、ピクリと動いた。
「――――!」
 シュバルツの身体は、咄嗟にハヤブサを庇うために動く。戦っていたモンスターを弾き飛ばして、仁王とハヤブサの間に体を入れた。仁王がハヤブサに斬りかかるのを、防ぐためであった。
 無言で、突進してくる仁王。
 やむを得ずシュバルツは、仁王に対して構えをとる。
 振り上げられる仁王の剣。
 ダンッ!! と、激しい踏み込み音と同時に振り下ろされたその剣は―――――

「ギャッ!!」

 シュバルツに襲いかかろうとしていたモンスターの方を、切り裂いていた。

「……………!」
 思わず仁王を見つめるシュバルツ。仁王は無言でその横に立つと、同じく『繭』となっているハヤブサを守るかのように構えをとった。
(そうか………! 仁王はある意味『龍剣の意思を体現する者』であるから――――)

 そう。
『龍剣』も待っているのだ。
 自分の封印が解かれる瞬間を。
 真の主が、自分をその手に取る瞬間を。
 だから、仁王がハヤブサを守るという行動は、ある意味当然のものであると言えた。

「よし!」
 シュバルツもまた、モンスターたちに対して、改めて剣を構えなおす。それから仁王と視線を合わせると、仁王も頷き返してくれた。
(共に戦おう)
 声なき声で、そう言われた気がした。
 自分は独りではない。それにこの空間内で、ハヤブサに味方をしてくれる者がいる。そう感じられるだけで―――――何と心強いものなのだろう。
(ハヤブサ……! 何としても、お前を守り切って見せる……! だから、早く目を覚ましてくれ………!)
 祈るような思いで、シュバルツはモンスターたちと戦い続けていた。

 そんな仁王とシュバルツの戦いを、少し離れた場所から観音像が、涙を流しながら見守っていた。

(リュウ……! リュウ……! 早く、目覚めてください……! もう、時間が………!)

 その観音像の上空に広がる空間のひび割れが、ビシッと音を立てて、また、大きく拡がっていった。


(おのれ………! あと少しで………! あと少しで、あの男の心を掌握できていたものを………!)

 漆黒の闇の中で『邪神』ラクシャサは、ギリ、と歯ぎしりをしていた。
 あのシュバルツとかいう男の心は、もう闇に落ちかけていた。後こちらがほんのひと押しするだけで、生きる気力を失い、絶望して―――――『怨』の術を完成させる最高の『駒』が出来上がるところであったのに。
 その寸前のところで、人間たちの呼び掛けにあい、それを邪魔されてしまった。
 今、あの男の心には、生きるための『希望』の光が眩いほどに灯ってしまっている。自分からしてみれば、これほど厄介で邪魔なものは他になかった。

(キョウジ・カッシュに、ドモン・カッシュか……! 人間の分際で、どこまでも目障りな奴らめ………!)

 邪神の殺気は、今―――――明確にこの二人に向かいつつあった。


 邪神のあからさまな『殺意』は、キョウジ達の戦場に、当然のごとく変化をもたらせ始めた。
(何だ……?)
 戦場の空気の流れが変わったような気がして、キョウジは顔を上げた。
 それまでキョウジは、目立った動きさえしなければ、モンスターたちから標的にされることはなかった。だが今は――――何故かモンスターたちの殺気が、自分の方に集中して向かって来ているように感じられるのは、気のせいだろうか。
「くっ!!」
 襲い来るモンスターたちの攻撃を、何とか体を転がしてかわす。しかし、キョウジがそれまで触っていた『装置』が、目の前で壊されてしまっていた。
「あ〜〜〜〜〜っ!!」
 思わず悲鳴をあげてしまうキョウジ。
「どうした!?」
 問い返してくる東方不敗に、キョウジは多少ひきつった笑顔を返す。
「いえ……作りかけの方の発電機が壊されてしまったので………」
 キョウジの言葉に、東方不敗は「何だ、そんな事か」と、フン、と、鼻を鳴らした。
「そのような物を未練がましく作ろうとするでない! 男だったら潔く、短時間勝負を挑まぬか!!」
「そ、それはまあ、そうなんですけどね……」
 キョウジがそう返事をしている間にも、モンスターたちはキョウジに向かって攻撃を仕掛けようとしてくる。
「わっ!! また!!」
 すばしっこく器用に、猫のようにその攻撃をかわしまくるキョウジ。だが同時に、「おかしい」とも感じていた。
 何故だ?
 何故―――――モンスターたちの殺気が、こんなにも自分に集中しだした?
 モンスターたちの攻撃を、何とかかわすことはできる。しかしこのままでは――――今まで戦いの合間を縫って出来ていた工作作業を、まるで進める事が出来ない。
「キョウジ!!」
 東方不敗も、モンスターたちの動きの変化を敏感に感じ取ったのか、逃げ回るキョウジにぴったりとくっついてくる。
「マスター! 私はいいですから、シュバルツとハヤブサの方を……!」
「何を言うのじゃキョウジ!! お主を守らずして何を守れというのじゃ!!」
「いや、ですから……本来守らなければならないのはあの二人な訳で――――」
 キョウジがそう説明している間にも、モンスターたちはキョウジに殺到してくる。東方不敗はことごとくそれを退けていた。
「おのれ!! わしの目の前で我が主に傷をつけようとするなど、100年早いわ!!」
 そう言ってキョウジを守る様に構えをとる東方不敗の後ろで、キョウジは頭を抱えてしまっていた。

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