農家の嫁の日記

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当ブログでも発表している『キョウジ兄さんに捧げる物語』を小説同人誌にしました。手作り感満載ですが、興味ある方はどうぞ〜

災害で亡くなられた方、被災された方に哀悼の意を捧げるとともに、心よりのお見舞いを申し上げます。
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zoom RSS 龍と剣と、その拳と 57

<<   作成日時 : 2015/11/24 14:36   >>

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「闇の世界ですからね……。そんな簡単にはみつからな―――――」
 そこまで言ったジョルジュの言葉が止まってしまう。何故なら彼らの目の前に、探していたシュバルツその人が現れたからだ。

「ドモン……」

 その人は、優しく微笑みながら近づいてくる。
「兄さん……」
「随分探したぞ……。危ないじゃないか。こんなところまで私を追って来て―――――」
 つい、と、その手が、ドモンに向かって伸びて来た、その、刹那。

「ゴッド・フィンガ―――――ッ!!」

 いきなりドモンの黄金に輝く右手が、シュバルツの首元に掴みかかった。
「なッ!?」
「ド、ドモン!?」
 驚くチボデーとジョルジュを尻目に、ドモンの右手はますます輝きを放ちながら、シュバルツの首元を締め上げていく。
「ぐ………!」

「おのれ偽物!! よくもそんな格好で、俺の前にのこのこと姿を現したな!?」

「――――!?」
「偽物!?」
 その言葉が終わると同時に、シュバルツの像がグニャリと歪む。いびつな形をしたモンスターがその正体を現した瞬間。

「ヒート、エンドォッ!!」

 黄金の光に首根っこを破壊されたモンスターは、そのまま四散して行った。
「ドモン、大丈夫ですか?」
 走り寄るジョルジュに、まだ少し怒気を食んでいるドモンが「平気だ」と、無造作に答えていた。
「それにしてもドモン。よくあれが『偽物』だって、分かったな」
 少し感心するチボデーに、ドモンは振り向きもせずに答える。
「当たり前だ!! あんな物が兄さんであってたまるか!!」
「―――――!」
「先を急ぐぞ。この世界の奴らがどんな小細工を仕掛けてくるか分からん。一刻も早く、本物の兄さんを見つけなければ……」
 ぶっきらぼうにドモンはそう言い放つと、すたすたと歩き始めていた。
「行きましょう、チボデー」
「ヘイヘイ……っと」
 ジョルジュに促されながらチボデーも、ドモンの後に続いた。

 それから先の道行きでも、3人はモンスターの群れに出くわす。その中には、シュバルツの姿形をした物も、必ずと言っていいほど混じっていた。
 だが、そのたびに。

「ゴッド・フィンガ―――――ッ!!」

 ドモンの黄金の右手が、シュバルツの『偽物』を有無を言わさずに粉砕して行った。
「おい、ちょっとドモン!」
 あまりにも躊躇なくシュバルツの偽物を討滅していくドモンに、たまりかねたチボデーが思わず声をかけていた。
「なあ、参考までに教えてくれないか? お前はいったいどこで、シュバルツの『本物』と『偽者』を見分けているんだ?」
「確かに、そうですね……」
 ジョルジュもチボデーの言葉に同意していた。ドモンがあまりにも迷わずにシュバルツの姿かたちをした物を倒していく姿を見ていると、こちらの方がひやひやしてしまう。もしも、本物のシュバルツが混じっていたら、どうするつもりなのだろうかと。
「よろしければ、私にも教えていただけませんか? そうすれば、我々もぐっと戦いやすくなりますので――――」
「……フン、簡単なことだ」
 チボデーとジョルジュの言葉を聞いていたドモンが、おもむろに答えた。

「『本物』ならば、俺のあんな無造作な攻撃が、当たるわけがない」

「……………!」

「避けられない奴は『偽物』だ。ただ、それだけのことだ!」

 ドモンの、ある意味ものすごく乱暴な理屈に、チボデーもジョルジュも、空いた口がふさがらなくなるのを感じる。
(い……! いやいやいや、それはそうかもしれないか……! 危ないだろう!? 『本物』だって、調子が悪かったりしたら、攻撃が避けられないことだってあるかもしれないのに………!)
「何考えているんだ!? 奴は……! 本物のクレイジーだな……!」
 狂気じみている、と、頭を抱えるチボデーの横で、ジョルジュはある意味、納得もしていた。
「確かに常軌を逸しているようにも見えますが………それだけドモンは、シュバルツの腕に対して盤石の信頼を置いている、と言えなくもないですね……」
 ため息交じりに言葉を紡ぎながら、ジョルジュは内心こうも感じていた。ドモンのシュバルツに対する想いというのは、『信頼』というよりも最早『信仰』に近いのではないだろうかと。
 それはさすがに口に出すのは憚られたので、黙ることをジョルジュは選択したのだが。
「………『信頼』、ねぇ」
 チボデーも何かを含むように、ポツリとそう漏らしたのだが、頭をガシガシと2、3回かきむしると、ドモンにもう一度声をかけた。
「ドモン」
「何だ?」
「じゃあ俺たちも……今度シュバルツの姿をした奴を見たら、遠慮なく攻撃を仕掛けてもいいか?」
「……………!」
 ピクリ、と、ドモンの眉が一瞬動くが、「ああ、いいぞ」と、言いながらすたすたと歩き出していた。
 実はドモンは、本当はもう一つ、目の前のシュバルツが本物か偽物か、決定的に見分ける手段を一つ持っている。だがそれは、あまりにも腹立たしいから決して口に出すつもりはなかった。それを認めることは、ドモンにとっては非常に癪に障る事であったからだ。
 それは何か―――――答えは、簡単だった。

 そのシュバルツが、隣に『龍の忍者』であるハヤブサを連れているかどうか。

 ただそれだけが、本物と偽物を見分ける、決定的な証拠だと思っていた。

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