農家の嫁の日記

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当ブログでも発表している『キョウジ兄さんに捧げる物語』を小説同人誌にしました。手作り感満載ですが、興味ある方はどうぞ〜

災害で亡くなられた方、被災された方に哀悼の意を捧げるとともに、心よりのお見舞いを申し上げます。
がんばれ日本!!

zoom RSS 龍と剣と、その拳と 51

<<   作成日時 : 2015/11/09 15:43   >>

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「シュバルツ!?」

「どうした!?」
 叫ぶキョウジに、東方不敗が鋭く反応する。
「そ、そこにシュバルツが……!」
 懸命に見つめるキョウジの視線の先に、空間の亀裂の様な物があり、その奥にシュバルツの姿があるから、東方不敗も知らず息を飲んでしまう。
「キョウジ!! マスターアジアもそこにいるのか!?」
 シュバルツの呼び掛けにキョウジは頷く。
「ああ。マスターもドモンも一緒だ! シュバルツこそ、独りか!? ハヤブサは傍にいないのか!?」
「ハヤブサなら、私のすぐ後ろにいるが……」
 キョウジの質問にシュバルツは少し怪訝に思いながら答える。すると、キョウジから驚いた様な声が帰ってきた。
「後ろ!? その後ろにいるのが、ハヤブサなのか!?」
「!?」
 キョウジが振り向くと、ハヤブサが寝ていたところに、『繭』の様な物があるから、シュバルツもかなり驚いてしまう。
(眠っている間にこうなったのか!? そうか……! ハヤブサ自身次の目覚めで完全に『龍の忍者』としての資質を取り戻すから――――)
 まるで、幼虫からさなぎを経て、成虫に変化するが如くだな、と、シュバルツは軽く苦笑する。
 しかし、妙な納得もしていた。それだけ『龍の忍者』としての資質を身体に得ると言う事は、莫大なエネルギーを消耗すると言う事なのだろう。
 そうならば、眠りに落ちる前の彼の奇妙な行動も、ふに落ちてくる。
 彼は、自分がこうなる事を予知していたのだ。だから、身の安全を少しでも確保しようとしていたのならば―――――
(………と言う事は、やはりお前は、ほんの少しでも私の事を信じてくれたんだな。ありがとう。お前にとっては、『仇』に見えているはずなのに……)
 普通ならば酷く困難な事を、よくぞやってのけてくれた、と、シュバルツは嬉しくなる。知らず、その面に、穏やかな笑みが浮かんでいた。

「ああっ!! 空間が閉じる!!」

 キョウジの叫び声に、シュバルツもはっと顔を上げる。見ると、キョウジと繋がっている空間の小さな裂け目が、塞がろうとしていた。
「キョウジ!! シュバルツに意識を繋げよ!!」
 東方不敗が叫びながら、その空間に手をかざしてくる。
「い、意識を繋げる!? どうやってですか!?」
 戸惑うキョウジに、東方不敗は尚も呼び掛けた。
「何でも良い!! とにかくシュバルツに呼びかけ続けるのじゃ!!」
 頷いたキョウジは、懸命に空間の裂け目に向かって声をかけ始める。
「シュバルツ!! シュバルツ!!」
「キョウジ……!」

「シュバルツ!! 帰って来てくれ!!」

「……………!」
 キョウジの言葉に、瞳をはっと見開くシュバルツ。
「お願いだ!! 帰って来てくれ!! お前が居ないと困るんだ!!」
「キョウジ……!」
「シュバルツ!! お願いだから!!」
「兄さん!! シュバルツがそこにいるのか!?」
 叫び続けるキョウジの横に、ドモンが入ってきた。
「ああ、ここに――――」
 キョウジに指示されるままにドモンも亀裂に目をやり、その向こうにいるシュバルツと
視線が合う。
「シュバルツ!! いや、兄さん!!」
「ドモン……!」
 茫然とするシュバルツであるが、こちらを懸命に見つめる兄弟たちの背後に、モンスターが迫っている事に気づいてしまう。
「ドモン!! 後ろだ!!」
「――――!!」
 ドモンがキョウジを庇いたてするよりも早く、もう一つの影が兄弟たちを守る様に割って入ってきた。ジョルジュ・ド・サンドの後ろ姿であった。
 ジョルジュは剣でモンスターを退けると他の場所で戦う仲間たちに呼びかけた。

「皆!! ここにきてドモン達を守ってください!! ここが重要な局面!! 今が戦いの要です!!」

「よし来た!!」
「おいらに任せろって!!」
「承知した」

 ジョルジュの呼び掛けに応じて、チボデーが、サイ・サイシーが、アルゴが、空間に向かって手をかざす東方不敗と、空間に向かって呼びかけ続ける兄弟たちを背後に守るように立つ。その『陣』の中で、自分たちの安全が確保されたと判断したドモンは、再び裂け目の向こうにいるシュバルツに呼びかけ始めた。

「兄さん!! 兄さん!!」
「ドモン……!」

「兄さん!! 帰って来てくれ!!」

 弟が、自分に向かって懸命に手を伸ばしてくる。

「お願いだから………キョウジ兄さんを独りにしないでくれ!!」

「―――――!!」
 はっと弾かれた様に、シュバルツはキョウジの方を見る。キョウジは、食い入るようにこちらを見つめていた。
「シュバルツ……!」
「キョウジ……!」

「兄さん!! 俺の手に掴まって!!」

 空間の裂け目を強引にこじ開けたドモンの手が、シュバルツに向かって伸びてくる。その横から、キョウジの手も一緒にその空間に入ってきた。
「シュバルツ……!」
「兄さん……!」

「あ…………!」

 懸命にこちらに向かって伸ばされてきた二つの手は、シュバルツの心を揺さぶるには充分だった。
(そうだ……! 私は帰らないと……! あの二人が待つ場所に………。『家族』が待つ場所に帰らないと―――――!)

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