農家の嫁の日記

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当ブログでも発表している『キョウジ兄さんに捧げる物語』を小説同人誌にしました。手作り感満載ですが、興味ある方はどうぞ〜

災害で亡くなられた方、被災された方に哀悼の意を捧げるとともに、心よりのお見舞いを申し上げます。
がんばれ日本!!

zoom RSS 龍と剣と、その拳と 62

<<   作成日時 : 2015/12/07 23:47   >>

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「――――!」
 ギョッと目をむくドモンに、キョウジはさらに言葉をつづけた。
「シュバルツがそちらの世界でどうやら怪我をしているみたいなんだ……! それが、自力では治せないものらしくて………!」
「な―――――!」
「キョウジさんでも治せないのですか!?」
 問いかけてくるジョルジュに、キョウジは軽く首を振る。
「わからない……。でも、できうる限り治す努力はするつもりだが―――――」
「なんてこった……!」
 ジョルジュの横で、チボデーが舌打ちをする。その横から、ズイ、と、ドモンが進み出てきていた。
「わかった! 絶対にシュバルツを探し出す!! で、兄さん!! シュバルツを見つけたら、俺たちはどうすればいい!? 何か治療のためにできることはあるか!?」
 シュバルツの危機を聞いても、冷静に対応してきた弟の様子に、キョウジは小さく胸を撫で下ろした。やはり弟は、数々の修羅場を潜り抜けて、もう、一人前の戦士になっている。
「怪我をしているシュバルツを見つけたら、可能な限り速やかに、こちらの世界に連れてきてほしい」
 キョウジ曰く、今シュバルツは、精神と体が分離してしまっている状態にあるという。
 だから、その状態が治れば、DG細胞が持つ自己治癒能力が高まって、治せる確率もずっと高くなるはず――――というのが、キョウジの読みだった。
「わかった!」
「O.K!! 任せな!! 兄さん!!」
「シュバルツさんは、必ず見つけ出して見せます!!」
「ああ。頼む」
 キョウジの言葉に、全員が頷き返す。これからの行動指針が固まった。
「よしっ!! 急いでシュバルツを見つけるぞ!!」
「しかし……この闇の世界の中、どうやってシュバルツを探し出せばいいんだ?」
「そうですね……。せめて何か、手掛かりのようなものがあれば――――」
 考え込む3人に、声をかける者がいた。

「焦るな、ドモン。こういう時こそ、『明鏡止水』だ」

「―――――!!」
 ギョッと顔を上げる3人の視線の先に、キョウジの微笑んだ顔があった。

「――――て、シュバルツならこう言うんだろう?」
「あ………!」
「確かにそうだよな……」
「我々としたことが……焦って、見失うところでしたね……」
 皆でそう言って笑いあう。場の空気が、少し和んだ。

「兄さん! 待っててくれ……! 必ず、シュバルツを助け出すから……!」

 ドモンの言葉にキョウジが頷く。そして、彼のヴィジョンは闇の向こうに消えた。

「……よし! もう時間的猶予もない。皆、今から早急にシュバルツを探すぞ!」
 ドモンが皆のほうに向きなおって、声をかける。
「しかし、どうやって――――?」
 問いかけるチボデーに、ドモンは迷いなく答えた。

「『明鏡止水』の発動だ」

「―――――!」
「兄さんがヒントをくれた……。もともと我ら『シャッフル同盟』は、戦いの行方を見守る役目を与えられている者。『明鏡止水』を発動させて、なおかつ『戦いの波動』を感じ取ることができる『紋章の力』を最大限に発揮させれば――――」
「………! なるほど……! 『戦いの波動』が出ているところにシュバルツさんがいる、ということなのですね!」 
 ジョルジュの言葉にドモンも頷く。
「ああそうだ。この世界で戦っている者と言ったら、おそらく俺たちかシュバルツか――――最悪、ハヤブサの野郎ぐらいのものだろうからな!」
「なるほど、考えたなドモン!」
 にやりと笑うチボデーに、ドモンもフン、と、鼻を鳴らした。
「時間がない。とにかく急ぐぞ」
 3人は、誰からともなく手を取り合い、一つの小さな輪になる。
「では、始めよう。皆、全神経を――――紋章に集中させてくれ!」
「応っ!!」
 
 闇と静寂の中、佇む3人の男たち。
 だが、その外から見える静かな様子とは裏腹に、男たちの神経は極限まで集中し、研ぎ澄まされていた。やがて、皆の右手の甲に、各々が持つ『シャッフルの紋章』が浮かび上がってくる。
 紋章の発露―――――それと同時に、3人の男の身体から溢れ出す、眩いまでの黄金の輝き―――――
 それはあたかも、この空間に一つの太陽が生まれたが如くであった。闇の中、その輝きを見つめていたモンスターたちも、その光の勢いに押されて近づくことができない。
 いや、それでも近づいていくモンスターも当然いた。しかし、男たちのそばに到達する前に、光の力に撃たれ、引き裂かれていく。結果モンスターたちは、ただ遠巻きに見守ることを選択せざるを得なくなっていた。

(兄さん……! どこだ……? 兄さん……!)

 己が体から発する光が、モンスターを引き裂いていることにすら気づかぬドモンは、必死に兄の気配を探し続ける。そして、張り巡らされた紋章の力は、やがて、遠くの方に、小さく輝く淡い光を捉えた。そして、その中に、背中に大きな切り傷を作って、苦しげに刀を構えるシュバルツの姿が―――――

「兄さんッ!!!!」

 それと認めた瞬間、ドモンは猛ダッシュを開始した。
「うぉっ!? ドモン!?」
「我々も行きましょう!!」
 そしてその光景は、チボデーとジョルジュにも見えていた。彼らも間髪入れず、ドモンの後を追い始めたのだった。


「く…………!」

 乱れがちになる呼吸を、何とか整える。
 霞みがちになる視界に、何度も頭を振った。

 今倒れるな。
 今倒れてはだめだ。

 シュバルツは、懸命に自分に言い聞かせていた。
 自分の背後でハヤブサの『繭』が、もう半分破れかけている。きっと、龍の忍者の完全復活まであと少し。あと少しなのだ。

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