農家の嫁の日記

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当ブログでも発表している『キョウジ兄さんに捧げる物語』を小説同人誌にしました。手作り感満載ですが、興味ある方はどうぞ〜

災害で亡くなられた方、被災された方に哀悼の意を捧げるとともに、心よりのお見舞いを申し上げます。
がんばれ日本!!

zoom RSS 龍と剣と、その拳と 74

<<   作成日時 : 2016/01/08 01:25   >>

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「シュバルツ……! お願いだ、答えてくれ……!」
 目の前に居るのは歪な姿をした『化け物』
 周りに広がるのは、死臭と腐敗臭の漂う絶望の世界。

 だが、居る。
 俺の愛おしい――――大切なヒトは、必ずそこにいる。

 恐れるな。
 よく見極めろ。
 必ず――――見つけ出してやるから。

「シュバルツ……!」

 二人の手の間で光っている淡い光が、ゆっくりとだが、その強さを増し始めていた。


「何だ!? こりゃあ!!」

 ドモンの後を追って結界内に飛び込んできたチボデー・クロケットが、素っ頓狂な声を上げる。それもそのはずで、彼らの目の前には今――――見たこともないような歪で巨大な形をした、『怪物(モンスター)』のような物が、不気味な唸り声をあげながら鎮座していたのだから。
「ドモン!! 早く攻撃を!!」
 二人から少し遅れて走りこんできたジョルジュが、ナイフを手に構えながら叫ぶ。それを、ドモンの悲鳴のような声が制した。

「二人とも待ってくれ!!」

「どうした? ドモン!」
「なぜ、止めるのです!?」
 二人の問いかけに、ドモンは少しためらってからその口を開く。

「……あれは、兄さんなんだ……!」

「ええっ!?」
「あれが、シュバルツだというのですか!?」
 息を飲むジョルジュの横で、チボデーが小さく「Oh !! my god !!」とため息を吐く。ドモンは、歯を食いしばりながら頷いた。
 自分だって、にわかには信じがたい。
 できれば、あれはシュバルツではないと否定したい。
 だが――――自分は、目の前で変容していくシュバルツの一部始終を見てしまった。
 見てしまった以上、否定はできない。あれは、『シュバルツ』の変わり果てた姿なのだ。
 ハヤブサを庇って、彼はああなってしまった。ある意味、兄らしいと言えば兄らしいのだが。
「しかし……! だとしたら、俺たちはどうすればいいんだ!?」
「そうです! 我らの紋章には、DG細胞を討滅する力がある! もし、我らがあれに攻撃を加えたら、下手をしたら、シュバルツ殿をも殺してしまいかねない!」

「そうだ……! だから、攻撃を加えるのは、もう少し、待ってくれ……!」

 苦虫を噛み潰したような表情を浮かべて、ドモンは言う。だがチボデーは、納得できなかった。
「気持ちは分かるが……あれを、あのまま放置するわけにもいかないだろう!? それはどうするつもりなんだ!?」
「分かっている!! だから、見極めている………!」
「見極めている?」
 問いかけるジョルジュに、ドモンは頷いた。
「師匠は言った……! ただ破壊のために、やみくもに拳を振るうべからず……。打つべき時、打つべき敵を、必ず見極めろ、と……」

 ――――シャッフルの紋章の力は、ただ、破壊するのみにあらず。救う力も、必ず持っているのだ……。

 自分に『キング・オブ・ハート』の紋章を伝授するとき、自分の師である東方不敗は、そう教えてくれた。『破壊』と『救い』――――その両方を持つが故に、シャッフル同盟の面々は、歴史の戦いを見守る役目を与えられ、それを全うしてきたのだろう。
 変わり果ててしまったシュバルツ。しかし、それはそこに鎮座したまま、沈黙を守っている。周りを攻撃しようとも、破壊しようともしていない。

 兄はまだいるのだ。
 あそこに。

 ならば、あれの『核』となっている、兄の『本体』はどこだ。

 ドモンは先程から、懸命にそれを探していた。
 救うべきは、兄の『本体』
 そしてその近くに―――――必ず、打つべき『敵』もいるはずだ。

(そういえば、ハヤブサの野郎もあれに巻き込まれていたな……。まあ、あいつはどっちでもいいが、存外あいつのそばに兄さんがいる可能性も――――)
 そこまで思い至ってから、ドモンはブン! と、頭を振って、己が考えを否定する。
(あいつの力を借りるなんてもってのほかだ!! 俺は、自力で兄さんを探してやるんだからな!!)
 若干の私情を交えながらも、ドモンは右手に紋章を光らせながら、懸命に打つべき『敵』を探し続けていた。


「シュバルツ……!」
 自分の呼びかけに、ピクリ、ピクリと反応を返す右手。
 いるのだ。そこに。
 俺の愛おしいヒトは、まだ――――!

(そうだ……! 試してみる価値はある……!)

 ふと思いついたハヤブサは、片方の手で『印』を結ぶと、おもむろに邪気払いの『真言』を唱えた。

「ナウマク サマンダボダナン ――――インダラヤ ソワカ―――――ッ!!」

 ハヤブサの発した言葉は、『呪』となって、『モンスター』の中を切り裂く。
 果たしてそれは、モンスターの中から、ハヤブサの大切なヒトの姿を、うっすらと浮かび上がらせ始めた。愛おしいヒトは涙を浮かべながら、懸命にこちらを、案じるように見つめている。

「シュバルツ!!」

「…………!」
 自分にしっかりと視線を合わせ、明確に呼びかけてきたハヤブサに、シュバルツは知らず息を飲んでいた。

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