農家の嫁の日記

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当ブログでも発表している『キョウジ兄さんに捧げる物語』を小説同人誌にしました。手作り感満載ですが、興味ある方はどうぞ〜

災害で亡くなられた方、被災された方に哀悼の意を捧げるとともに、心よりのお見舞いを申し上げます。
がんばれ日本!!

zoom RSS 龍と剣と、その拳と 77

<<   作成日時 : 2016/01/11 01:43   >>

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『おのれッ!! 人間の分際で――――!!』
 『核』がなければ、自分の復活の工程が滞ってしまう。当然ラクシャサは、怒りに震えた。
『『それ』は、我の物だ!! 返せ!!』
 ラクシャサから二人に向かって、四方八方から攻撃が開始された。

「オン マイタレイヤ ソワカ――――」

 印を結ぶハヤブサから、新たに紡がれる『真言』
 ハヤブサの周りで燃えるように揺らめいていた青白い炎のような光が、バンッ!! と、音を立てて、綺麗な球状に形を変えた。それは、ハヤブサとシュバルツを中に包み込み、ラクシャサの攻撃から、二人を守った。

「シュバルツ!! 絶対に、この結界から外には出るなよ!!」

 印を結び、結界に『気』を込めながら、ハヤブサは叫んだ。
 奇跡的にラクシャサの『核』から逃れることができたとはいえ、シュバルツはまだ『呪』によって、その霊体を具現化している、か細い存在であることに相違ない。その身体が少しでもラクシャサに触れてしまえば、また強引に、その『核』へと戻されてしまう事だろう。そうなってしまったら、もう一度このように助け出すことは、ひどく困難なことになってしまう。
 冗談ではない、と、ハヤブサは強く思った。
 ここでシュバルツを失ってしまっては、例えその後にラクシャサを倒したとしても、その勝利の意味は自分にとっては皆無に等しいものとなる。シュバルツがいないその後の自分の『生』に、いったい、何の意味があるというのだろう。

 だから、失うわけにはいかない。
 何が何でも
 この命に代えても

 絶対に、守り切って見せる――――!

「叭―――――ッ!!」

 ハヤブサは、結界の強度を最大限に上げる。
 ラクシャサの絶え間ない攻撃を、すべて弾き返す。
 だが、邪神の邪悪な意志を持った攻撃は、術者にダメージを与えてきた。
「ぐ………!」
 堪えるが、それでも低い呻きが漏れる。
「ハヤブサ!!」
 案ずるような愛おしいヒトの悲鳴に、ハヤブサは振り向き、少しの笑みを見せた。

 心配するな。大丈夫だ。

 そう意思を伝えるのに、どうして――――この愛おしいヒトは、涙を浮かべて心配そうにこちらを見つめているのだろう。

(ハヤブサ……!)
 ハヤブサを見つめながら、シュバルツは唇をかみしめていた。
 額から流れ落ちる汗。
 印を結ぶ手が、小さく震えている。
 ラクシャサから攻撃を受けるたびに、低い呻きが唇から漏れている。

 分かる。
 ラクシャサの『核』から脱出できたとはいえ、まだここは、ラクシャサの体内に等しい場所だ。その中で、彼の邪神の邪悪な魔力をすべて遮断する結界を張り続ける――――その行為が、どれだけハヤブサに消耗を強いているか、想像するに難くなかった。

 酷くダメージを受けているはずなのに
 それでもこちらに『心配するな』と、笑みを浮かべることができる、優しい人。

 そんな彼に、自分は
 何をしてあげられることができるのだろう――――
(何もできないな……私は………)
 代わりに結界を張ることも、ハヤブサの前に立って戦うことも出来ない自分。
 シュバルツは、己の無力を痛感する。

 どうして―――――
 こんなにも、役に立たない自分を、ハヤブサは―――――

「………………」

 ボウ、と、音を立てて、ハヤブサの張る結界が燃える。
 『呪』とは、心の具現化だ。結界に込められているハヤブサの『心の声』が、そのまま『呪』によって具現化されているシュバルツにも流れ込んできた。

 ――――生きよう。

 その声は、シュバルツに呼びかけてきた。

 ――――生きよう。
 ――――生きよう。
 ――――共に、生きよう。

 帰るんだ。
 絶対に。
 俺たち二人で。

 愛すべき人たちの待つ、あの場所へ――――

 キョウジの顔が
 ドモンの顔が
 隼の里の人たちの顔が

 次々と訴えてくる。

 帰ってきて
 どうか無事で――――
 待っているから

(ああ、本当にそうだな)
 シュバルツもまた、強く想った。
 一心に、こちらの無事を祈ってくれている人たちがいる。
 その人たちを、哀しませるわけにはいかないのだと。

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