農家の嫁の日記

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当ブログでも発表している『キョウジ兄さんに捧げる物語』を小説同人誌にしました。手作り感満載ですが、興味ある方はどうぞ〜

災害で亡くなられた方、被災された方に哀悼の意を捧げるとともに、心よりのお見舞いを申し上げます。
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zoom RSS 龍と剣と、その拳と 79

<<   作成日時 : 2016/01/13 01:21   >>

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「待てっ!! ドモン・カッシュ! シュバルツを俺の結界から出そうとするなよ!!」
「なんだ、居たのか。リュウ・ハヤブサ」
「『居た』もなにも――――最初から俺は、シュバルツのそばに居るが?」
 ハヤブサの顔を見て、あからさまに嫌そうな顔をするドモンに対して、ハヤブサもしれっと言葉を返す。ドモンに好かれようが嫌われようが、一向にお構いなしと思っている節があった。ドモンもそれが面白くないのか、ますます眉間にしわを深く寄せる。
「兄さんを離せ!! 兄さんは、俺が助けるんだ!!」
「人の話を聞いていなかったのか? シュバルツを結界から出したら駄目だと言っているんだ!」
「お、おい、二人とも!」
 シュバルツは慌てて、喧嘩になりそうな二人を止めた。
「今は喧嘩などしている場合ではないだろう? 第一ここは敵の真っただ中で――――」
「そんなことは分かっている!! 俺は何でハヤブサの野郎が、兄さんにべったりくっついていないといけないんだと聞いているんだ!!」
「ドモン、私は別にハヤブサにくっついているわけではないんだ。これは、必要にかられた措置で――――」
「おい、この馬鹿に事の顛末の説明は必要か?」
 ハヤブサが、心底うんざりといった表情でシュバルツの方を見る。シュバルツも眩暈に襲われるのを感じた。ハヤブサとドモン――――この二人がそろうと、とても心強いのだが、どうしてこの二人は、こうも仲が悪いのだろう?
「おい! 貴様……! 俺のことを『馬鹿』と言ったか?」
 ハヤブサの言葉に、要らぬ反応を示すドモン。それに対してハヤブサも、別に悪びれもせずに口を開いた
「ああ。それがどうかしたか?」
「貴様に『馬鹿』呼ばわりされる筋合いはない!! 俺を『馬鹿』と言っていいのは師匠と兄さんだけだ!!」
(あ、そうなんだ)
 ドモンの言葉に妙な感心をするシュバルツを尻目に、不毛な言い争いは続行された。
「お前、ちょっとは自分の馬鹿さ加減を真面目に考えた方がいいぞ? 二人から『馬鹿』呼ばわりされているというのに――――」

『おい!! 貴様ら!! いい加減にしろっ!!』


 ここでラクシャサの怒鳴り声が、この言い争いに割って入ってきた。3人が振り向くと、怒りでわなわなと震えるラクシャサの姿が視界に飛び込んでくる。
 無理もないな、と、シュバルツは思った。今の今まで、ものの見事に、華麗に無視されていたのだから。

『人間の分際で、吾に恐れもせぬとは何事か!! 貴様らの立場を、もう一度思い知らせてくれる!!』

 ラクシャサからの攻撃が、ドモンに向かっていく。しかし――――

「吻!!」

 ドモンはラクシャサからの攻撃を、あっという間に粉砕した。
『な―――――!』
 息を飲むラクシャサ。それと同時にあることに気が付いた。ドモンの身体を包む金色の光。それが、自分を構成している『モノ』を、強制的に消滅させていっている、という事実に。
(この男は本当に危険だ!! 何としても、ここで葬り去らなければ――――!!)
 ドモンを見るラクシャサの目つきが変わった。

「おい、今のうちに脱出するぞ」

 ドモンとラクシャサが相対しているうちに、ハヤブサはシュバルツにそう声をかける。しかし、シュバルツからは猛反対された。
「何を言っているんだ!? ハヤブサ!! こんなところにドモンを独り置いて行けというのか!?」
「完全に置いていくわけではない。一旦お前を外に出すだけだ」
「駄目だ!! 弟を置いて私だけ脱出するなんて―――――そんなことは出来ない!!」
「あの馬鹿を見てみろ!! ちょっとぐらい置いて行ったって大丈夫だ!!」
 ハヤブサの視線の先には、ラクシャサの攻撃を端から粉砕しているドモンの姿がある。その戦う姿は危なげはなく、このままここを任せてもいいぐらいだと思った。しかし、シュバルツは尚も頭を振った。
「それでもここは、邪神の体内だぞ!? 万が一の間違いが起こらないとも限らない!!」
「だから!! 弟よりもお前の方が、今はもっと危ないんだ!!」
 ハヤブサはそう言って、何とかシュバルツを説得しようと試みるのだが、シュバルツの方が頑として、首を縦に振ってはくれない。
(この………兄馬鹿め!!)
 この事態にハヤブサは内心泣きそうになる。しかし、そんなシュバルツに対して、ハヤブサもこれ以上強く言うことは出来なかった。自分の身よりも、弟を守ろうとする――――彼がそう言うヒトであることは、自分も百も承知だった。そんな彼だからこそ、自分は、好きになったのだから。
(これが、惚れた弱みってやつかな……。結局俺も『馬鹿』なのかな……)
 ため息を吐くが、どうしようもない。ハヤブサは、開き直ることにした。

 絶対に、このヒトは弟を守るために動く。
 俺は、それに後れを取るな。
 何が何でもこのヒトを、守り切って見せる――――!

 ハヤブサは自身の意識を、ドモンとシュバルツの動きに向けて、何が起こっても対処できるようにそっと身構えた。

「貴様が今回の黒幕か……! お前を倒せば、すべての片がつくって事だな?」

 ラクシャサの攻撃をすべて退けたドモンが、指をバキバキと鳴らしながら、一歩前に踏み出す。それを、歯噛みしながら見つめていたラクシャサであるが、不意に小さく息を吐くと、その面ににやりと笑みを浮かべた。

『いかにも我がこの戦いを仕掛けた者だ……。面白き『気』を纏う人間よ』

 フオン、と、音を立てて、ラクシャサの右の掌に、黒い球体状の物が浮かび上がってくる。
『吾の攻撃をすべて退けたその腕は見事………。なれば、これはどうかな……?』
 そのままラクシャサは、無造作にその黒い球体を放り出した。それは、空気のように軽い物なのだろう。ふわふわと宙を漂いながら、ゆっくりとドモンの方に近付いていく。
「フン―――――」
 ドモンは鼻を鳴らしながらそれを見ていたが、やがて、おもむろに拳を構えた。
「何を企んでいるかは知らんが、こんなもので俺を倒せるものか!」
(あ………! あれは………!)
 対してハヤブサは、その球体の危険性をいち早く察していた。ハヤブサは一度ラクシャサと戦って、それを封印することに成功している。それ故に、対ラクシャサの知識には一日の長があった。
「待てっ!! ドモン・カッシュ!!」
 ハヤブサは必死に呼びかけようとした。その球体状の物に、攻撃を加えてはいけないと。
 

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