農家の嫁の日記

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当ブログでも発表している『キョウジ兄さんに捧げる物語』を小説同人誌にしました。手作り感満載ですが、興味ある方はどうぞ〜

災害で亡くなられた方、被災された方に哀悼の意を捧げるとともに、心よりのお見舞いを申し上げます。
がんばれ日本!!

zoom RSS 龍と剣と、その拳と 91

<<   作成日時 : 2016/02/04 00:30   >>

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(だめだ……! ここで死んではだめだ……! ここで死ねば、シュバルツを巻き込んでしまう……!)

 自分の命が尽きるのはいい。
 だが、ここで結界が解けてしまえば、シュバルツはこの時空の乱流の中に独り、放り出されることになってしまう。死ねない身体を持ったシュバルツは、下手をすれば永遠に、時空の狭間を彷徨わなければならなくなるかもしれないのだ。
(それは駄目だ……!)
 ハヤブサは強く想う。
 シュバルツを、そんな哀しいめに遭わせたくはない。自分が願うのは、ただ愛おしいヒトの幸せそうな笑顔だけだ。

「シュバルツ!」

 叫ぶキョウジが、嬉しそうにシュバルツを抱きしめる。シュバルツもまた、キョウジを幸せそうに抱きしめ返す。
 そんな光景が、見たいと思った。
 それを見届けてから死ねたら―――――最高だ。

 苦しい。
 目が霞む。
 ドモンの背中越しに小さな光が煌く。
 あの光
 あの光さえ、見失わなければ――――

 ああ
 遠い

 後、どれぐらいだ?

「ハヤブサ……。大丈夫か?」

 優しい問いかけに、頷く。だが、笑顔を見せられているかどうかは自信がない。普段から、あまり笑いなれてはいないから。
 それにしても気のせいだろうか。
 先ほどから、光が揺らめいているように見える。

「……………?」

 いや、気のせいではない。
 先ほどから光が、小さく右に左に揺れている。
 ハヤブサが目を凝らすと、それはだんだんと鳥の姿へと、その形を変えていった。

「鳥だ……」

 どうやら前を行くドモンにも、光が同じように見えているようで、ドモンもぽつりとつぶやく。
 その鳥は、まるでこちらを導くかのように、嵐の中を静かに、しかし力強く飛び続けている。一同はその鳥の後を、懸命について行っていた。


「キョウジッ!!」

 東方不敗がキョウジを抱きかかえ、横っ飛びに飛ぶ。襲い来る触手たちから、間一髪、キョウジの身を守った。
「おのれ!! 逃がさぬ!!」
 東方不敗が体制を立て直すよりも前に、ラクシャサは再び触手たちにキョウジを襲うよう命じる。
「おおっと! 行かせるか!!」
「ローゼス・ハリケーン!!」
 チボデーとジョルジュが、その触手たちを破壊した。「ギャッ!!」と、悲鳴を上げ、一瞬怯むラクシャサ。その隙に東方不敗はキョウジを抱きかかえ、建物の影に隠れることに成功していた。
「大丈夫かい!? キョウジの兄ちゃん!!」
 サイ・サイシーの問いかけに、「ああ」と、キョウジは笑顔を見せる。
「キョウジよ。ここは危険じゃ。もう少し下がって――――」
 一息ついた東方不敗が、そう言いかけて言葉を止める。何故ならキョウジが、懸命に己が手の中を見つめていることに気付いたからだ。
「どうした? キョウジよ」
「あ………マスター……」
 東方不敗の問いかけに、キョウジが顔を上げる。
「さっきからこの折り鶴が、光っているように見えて―――――」
「光っているだと?」
 キョウジに言われるままに東方不敗も折り鶴を覗き込むと、なるほど、確かに、淡い光を鶴が纏っているように見えた。
「……この鶴は、さっきドモンたちの世界とこちらをつないでくれたんです。だからもしかしたら――――この『光』が、ドモンたちをこちらの世界をつなぐ物になっている可能性が高くて―――――」
「……………!」
 その時、キョウジたちが身を隠している建物の壁を、ラクシャサが攻撃してきた。ドカン!! と、辺りに轟音が響いて建物が揺れ、瓦礫が四散し、粉塵が舞い踊った。

「おのれ!! キョウジめ!! どこへ逃げようと無駄だ!!」

 さらに触手を振り回し、建物を破壊しようとする。その前にアルゴ・ガルスキーが立ちはだかった。
「ガイア・クラッシャ―――――ッ!!」
 アルゴが拳で砕いた地面から、バキバキと音を立てて、巨大な壁のようなものが立ち上がってくる。それがラクシャサの触手を阻み、進路を阻んだ。
「おのれ!!」
 ラクシャサはその壁を壊そうと躍起になるが、次々と隆起してくるその壁は、なかなか思うように破壊が進められない。
「フェイロン・フラッグ!!」
 その間をサイ・サイシーがちょこまかと動き回り、旗状の武器でラクシャサを攻撃していた。そのおかげで東方不敗とキョウジの間に、少しの間会話をする余裕が生まれた。
「マスター………」
「うん?」
「この鶴を、預かっていただけませんか?」
「何故じゃ?」
 怪訝な顔をする東方不敗に、キョウジは軽く笑みを見せた。
「この鶴は今――――絶対に失ってはならない物です。ならば、あの邪神に集中的に狙われている私が持つよりも、マスターが持たれていた方が―――――」
「馬鹿者。絶対的に大切な物であるならば、なおさらお主が持っておけ」
 キョウジの提案を、東方不敗は一蹴する。
 東方不敗にとって、絶対的に大切な物は、ただキョウジのみ。それ以外はなかった。
 そのキョウジが『大切だ』というのなら、大切なもの同士で固まっておけばいいと、東方不敗は思う。その方が、守りがいがある、というものだった。

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