農家の嫁の日記

アクセスカウンタ

本の販売を始めました!
ここより本の注文画面に飛べます。
当ブログでも発表している『キョウジ兄さんに捧げる物語』を小説同人誌にしました。手作り感満載ですが、興味ある方はどうぞ〜

災害で亡くなられた方、被災された方に哀悼の意を捧げるとともに、心よりのお見舞いを申し上げます。
がんばれ日本!!

zoom RSS 龍と剣と、その拳と 94

<<   作成日時 : 2016/02/09 01:48   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 5 / トラックバック 0 / コメント 0


 迫りくる邪神を前に、キョウジの思考はぐるぐると回る。
(戦う?)
 無理だ。自分に、邪神に対抗し得るだけの力など、あろうはずもない。
(逃げる?)
 それも無理だ。背を向けた瞬間、自分はあの邪神に、打ち据えられてしまうだろう。
「……………!」
 死を覚悟した。だが、掌の中にある光を放つ鶴だけは、何としても守らねばならぬと思った。この光はおそらく、異世界で彷徨っているであろう弟たちを、導いてくれているはずなのだから。
(ドモン――――!)
 せめて、腹の下に鶴を抱え込み、覆いかぶさるようにして守った。

「ははははは!! 何の真似だ!? そのまま踏みつぶされることを望むか!!」

 邪神が嘲笑いながら、キョウジに向かって一歩、踏み出そうとする。その刹那。

「ガイア・クラッシャ――――ッ!!」

「フェイロン・フラッグ!!」


 キョウジと邪神の間の床が突如として隆起し、そこに突き刺さった何本もの旗が爆発した。
「うおっ!?」
 怯む邪神に、無数のパンチのラッシュが襲い来る。
「豪熱!! マシンガンパンチ!!」
「ローゼス・ハリケーン!!」

 激しい嵐と爆発が起き、邪神の進路を阻んだ。

「甘すぎるぜ!! 邪神のおっさんよぉ!!」
 サイ・サイシーが身軽に少林寺の構えをとる。
「俺たちを、そんな簡単に抜けるとでも思っていたのか?」
 チボデーがフットワークを利かせながら、ボクシングスタイルで構える。
「我らシャッフル同盟――――そんなに簡単にやられるようにはできてはいない!!」
 短剣を構えるジョルジュの後ろで、アルゴが無言でファイティングポーズをとっていた。
「フン……そうでなくては困る」
 その間に東方不敗が、邪神からキョウジを庇うようにその間にのそりと立つ。
「この程度でやられるような輩に、先代たちは紋章を託しはせぬわ」
 そう言って構えをとる東方不敗の腕から、血がしたたり落ちていた。
「マスター! 血が………!」
 案ずるような声を上げるキョウジに、東方不敗は振り向きもせずに答える。
「騒ぐでない! この程度――――掠り傷にもならんわ!!」
「しかし………!」
「それよりもキョウジよ! お主はドモンへの呼びかけに集中せい! お主の身は、我らがきっちり守ってやろう程に――――!」
「マスター………!」
「さあ! 皆の者!! ここが正念場ぞ!! 心してかかれい!!」
 東方不敗の呼びかけに、皆が「応!!」と応える。それを見たキョウジも――――腹を決めた。
(そうだ……! とにかく、ドモンたちに呼びかけ続けてみないと……! この光には、それだけの価値があるのだから………!)
 キョウジは鶴を両の掌にそっと乗せると、目を閉じて祈るように念じ始めた。
(ドモン……! シュバルツ……! ハヤブサ……!)
 この声はきっと皆に届く――――
 キョウジは、そう信じることにした。


「……………」
 鳥の形をした光を見ながら、ドモンは、『石破天驚拳』の構えをとる。しかし、彼の中に少しの迷いが生じていた。
 ハヤブサは、あの鳥を撃てという。
 あれが出口だからと。
 しかし――――

(いいのか?)

 あの光は、今まで自分たちを導いてくれた、いわば先導者だ。
 それを撃ってしまうことで、自分たちは導を失ってしまうことにはならないのだろうか? ここからの脱出の術を、失ってしまったら………。

「……………!」

 ギリ、と、歯を食いしばるドモン。
 ハヤブサを疑うわけではない。しかし、確証がほしかった。
「あの光を撃っていいのだ」という確証が。
 それを得ずして撃つのは―――――

 その時だった。

(ドモン……! ドモン……!)

 耳慣れた声が、響いてくる。
「…………!」
 ドモンが驚いて目を凝らすと、光の向こうに兄であるキョウジの姿が浮かんできた。
(ドモン……! こっちだ……! こっちへ来い!)
 兄は手を広げ、懸命にこちらに呼び掛けてくる。
「兄さん………!」
 ドモンは旅愁と焦燥にかられながら、兄に問いかけた。今すぐ兄に会いたいと願った。
「兄さん……! そこが出口なのか? そこに行けば、会えるんだね!?」
 その問いかけに、兄は笑顔で頷く。それを見て――――ドモンの腹も、ようやく固まった。
「分かった!! 兄さん!! 我が拳に、もはや一片も迷い無し!!」
 ドモンの右拳に『キング・オブ・ハート』の紋章が輝き、彼の身体が黄金の輝きに包まれる。彼の奥義――――『明鏡止水』の発動であった。
「俺の拳が光って唸る!! 勝利をつかめと、轟き叫ぶ!!」
 吹き荒れる時空嵐の中、ドモンの身体から発せられる黄金の光が、辺りを引き裂くように輝きを迸らせる。
「…………!」
 ハヤブサの結界にかかってくる『圧』も、当然相当な物になってくる。だがハヤブサは、歯を食いしばってそれを懸命に耐えた。
 愛おしいヒトを守り抜く。
 ハヤブサの心には、ただその願いのみが宿っていた。
「受けよ!! 我が流派『東方不敗』の最大にして、最強の奥義!!」
 ドモンの掌の中で貯められた『気弾』が、今――――最大限に膨れ上がっていく。
「爆熱!! 石破!! 天驚拳!!」
 凄まじい轟音とともに、熱と光を伴ったそれは、まっすぐその鳥に向かっていく。その瞬間、辺りはまばゆいばかりの光に包まれていた。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 5
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
面白い
ナイス

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
 いつも愛読していただいてありがとうございます(^^)。
また、気持ち玉へのクリックもありがとうございます! 
ものすごくものすごく励みになります。
アンケート実施しています(*^^*)ご協力お願いいたしますm(__)m
 当方のブログの内容とあまり関係の無いTBは、削除させていただきます。
 悪しからず、ご了承ください。

アンケート実施中

龍と剣と、その拳と 94 農家の嫁の日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる