農家の嫁の日記

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当ブログでも発表している『キョウジ兄さんに捧げる物語』を小説同人誌にしました。手作り感満載ですが、興味ある方はどうぞ〜

災害で亡くなられた方、被災された方に哀悼の意を捧げるとともに、心よりのお見舞いを申し上げます。
がんばれ日本!!

zoom RSS マリオネット狂想曲 2

<<   作成日時 : 2016/04/26 19:50   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 0

「そんなものは関係ない。それよりも、シュバルツが危地に陥っている方が問題だ」
「そうかもしれないけど………」
 なおも渋るキョウジに、ハヤブサは少し諭すように口を開いた。
「心配するな、キョウジ。シュバルツが人質として利用されたとしても、俺にとって彼が足手まといになる、ということはまずあり得ない」
「ハヤブサ………」

 シュバルツは、不死だ。
 たとえ喉を刀で掻っ捌かれようとも、銃をその身体に撃ち込まれたとしても、問題なく生き返ることができる。だから、彼の『命』を盾にとっての『脅し』は、自分にとっては全くの無意味だった。
 それよりも―――――

「俺を狙うためにシュバルツに手を出すというのなら―――――そんなことを企てたことをたっぷりと後悔させてやる………!」
「――――!」
 電話越しに、ハヤブサの殺気がビシビシと伝わってくるから、キョウジは思わず携帯を放り出しそうになっていた。

 本気だ。
 龍の忍者が本気で怒っている――――――!

「だからキョウジ、シュバルツの居場所を」
「分かったよ」
 キョウジは、早々に折れることを選択した。ここで『教えない』などと言おうものなら、ここに殴り込んでこられたりして、自分も無事では済まない気がする。
 それに、シュバルツが拉致られていることで、怒りを感じているのは自分も同じだ。だから、自分がハヤブサに対して協力を拒む理由は何もなかった。
「待って、今、シュバルツにつけてあるGPSの信号をキャッチするから」
 ハヤブサと話しながら、キョウジは片手でパソコンのキーをカチャカチャと操作する。シュバルツのGPSの受信状態は良好であったことに、キョウジは少し胸を撫で下ろす。
「信号をキャッチした。シュバルツは今、私のアパートから南東に10kmの地点にいる」
「キョウジ、俺の端末のGPSもONにした。俺の場所もわかるか?」
「えっ? ああ、待って、やってみる」
 キョウジの指はキーの上を軽快に滑り、ハヤブサの信号をパソコンでキャッチすることに成功する。
(えっ? 割と近くにいた?)
 自分のアパートの近くにハヤブサのGPSが点滅したのを見て、キョウジは少し目を丸くする。彼が特に用事もない時、自分のアパートの近くでうろうろしている可能性が浮上してきた。
「ばっちり受信できたよ。割と近くにいるね?」
「まあな」
 キョウジの突っつきを、ハヤブサはしれっと受け流す。キョウジは苦笑するしかなかった。
「じゃあ行く。キョウジ、案内を頼めるか?」
「いいよ、任せて」
「よし――――」
 ハヤブサは改めてイヤホンとマイクを装着しなおすと、目的地に向かって走り出した。
(やれやれ……気の毒に……)
 キョウジはそんなハヤブサのGPSの動きを目で追いながら、軽くため息を吐いていた。
 これから怒りに燃えるハヤブサにギタギタに叩きのめされるであろう敵のことを考えると、同情を禁じえなかった。敵は、ハヤブサの最も触れてはいけない逆鱗に、触れてしまったのだから。


 これより数刻前。
 シュバルツ・ブルーダーは、自身の周りの異変に気付いていた。
(尾(つ)けられている?)
 数人の気配が、自分とつかず離れずの距離で、同じ呼吸でついてきているのを感じた。雑踏の中で歩いていて、偶然そうなることもあるかもしれないが、もう10数メートル、同じような呼吸で気配がついてきているこの事態。これは、どう考えても異常だった。
「……………」
 だからシュバルツは、わざと人気の無い方を選んで歩を進めた。自分たちの戦いに、巻き込まれる人間が出ないように。

 しかし、だれが、何が狙いなのだろう。

 歩きながらシュバルツは考えた。

 私か?
 キョウジか?
 それとも―――――

 郊外の、雑木林の近くに来た。
 殺気が、気配が、一層鋭くなる。
(来る―――――!)
 シュバルツが確信すると同時に、「それ」は襲い掛かってきた。
 音もなく飛来してくる棒手裏剣。シュバルツはそれを、横っ飛びに躱す。
(棒手裏剣―――――! 相手は『忍者』か!!)
 シュバルツが得物を確認すると同時に、さらに襲い来る棒手裏剣。シュバルツはそれを三角飛びの要領で躱した。着地した地点に、一人の忍者が抜刀しながら襲い掛かってくる。身体ごと体当たりしてくるその突きを躱したシュバルツは、相手の刀を強引にもぎ取ってその体を蹴り飛ばしていた。
「近寄るな!! 遠巻きにして、生け捕りにするのだ!!」
 どこからか、指示の声が飛んでくる。「応っ!」と、それに応えた忍者たちが、一斉に飛び道具を構え、シュバルツに向かって放ち始めた。
(何者だ!? いったい何人いるんだ!?)
 雨あられと降ってくる矢や手裏剣を躱しながら、シュバルツは周りの気配を探る。しかし、巧みに位置を変えながら、間断なく武器を降らせて来る襲撃者たちの攻撃は、位置の特定を容易にさせてはくれなかった。
「―――――!」
 投網が飛んできて、シュバルツの身体を絡めとろうとする。しかしシュバルツの刀は、投網が巻き付く直前にそれを粉砕していた。
「うぬっ!!」
 投網を投げた忍者が、舌打ちしながらもう一度、懐から投網を出そうとした、刹那。

「お前たちは何者だ? 何故、私をつけ狙う?」

 自分の背後から標的の男の声が聞こえてきたから、男は死ぬほどびっくりして、木の上から落ちてしまう。
「ひっ!!」
「問いに答えてくれれば、命まで取りはしない」
 シュバルツがそう問いかけながら、男の後を追うように、地面に着地してきた。そのまま、静かに距離を詰めてくる。彼の手に下げた刀が、鋭い光を放っていた。
「さあ――――」
 シュバルツはそう言いながら、男との間合いを一足一刀にまで詰める。一歩踏み込めば、一太刀振り下ろせば―――――男を斬り下げることができる。そんな距離であった。

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