農家の嫁の日記

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当ブログでも発表している『キョウジ兄さんに捧げる物語』を小説同人誌にしました。手作り感満載ですが、興味ある方はどうぞ〜

災害で亡くなられた方、被災された方に哀悼の意を捧げるとともに、心よりのお見舞いを申し上げます。
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zoom RSS マリオネット狂想曲 23

<<   作成日時 : 2016/05/22 00:26   >>

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「……『術』にかかっているって……シュバルツは大丈夫なんだろうな!?」
 噛みつかんばかりに聞いてくるドモンに、キョウジは苦笑するしかない。
「『術』をかけているのがハヤブサだったら――――シュバルツの安否はほぼ心配しなくていいと思うよ」
「何でそんなことが言い切れるんだよ!?」

「ハヤブサはシュバルツのことを、『刎頚の友』だと思っているから」

「ふんけ………なんだって??」
「互いに首を刎ねられても、後悔はしない仲、と言うことじゃ」
 ドモンのために、横から東方不敗が解説を挟む。
「ドモン、お主にも居るであろう? 相手のためならば、命を取られてもいいと思える友人が………存在が……」
「………確かに……」
 東方不敗の言葉に、ドモンの脳裏に数人の友人の顔が浮かぶ。

 確かにそうだ。
 自分は、あの友人たちのためなら喜んでこの命を差し出すだろうし、友人たちもまた然りだろう。そして、今目の前に居る兄も――――
 兄も自分のために命を投げ出してくれる人だ。
 だから自分も、兄を助けるためならば、この命を取られても惜しくはないと思った。
(そうか………そういうことか………)
 ドモンは少し、シュバルツとハヤブサの関係を理解する。
 しかしやはり――――何となく面白くない、と、感じてしまうのはなぜなのだろう。自分だって、同じぐらいシュバルツに命をかけられると思うのに。

「それでさっき、ハヤブサが『仕事に行くから』と言って、シュバルツをこちらに預けに来てくれたんだけど、ハヤブサが出て行ってすぐに、シュバルツも出て行ってしまって―――――」
「出て行った? 後を追っていったってことか?」
 問い返すドモンに、キョウジは首をひねる。
「よく分からないけど………多分、やっぱりそうなのかなぁ……」
 出ていく直前、シュバルツはハヤブサの名前を口にしていた。だから、その可能性が高いとキョウジは思っている。
「でも……何故なんだろう? ハヤブサは、シュバルツに私の家にいるようにと命を下していた。なのに、どうして自発的に動いたんだろう? シュバルツには今、『自分の意志』がない筈なのに……?」

「『腐墨の術』にかかった者は、その術者と一定以上の距離は離れられないと聞いたことがあるぞ」

「ええっ!?」
「―――――!」
 東方不敗の言葉に、ドモンとキョウジが同時に息を呑む。
「………て、事は、やっぱりハヤブサについて行っちゃったのか……! あちゃ〜〜〜……参ったな………」
「兄さん! ハヤブサの野郎は何処に行ったのか聞いているのか!?」
「聞いてないよ」
 がっつくようなドモンの問いに、キョウジは心底困ったような顔をする。
「ああ見えてハヤブサはプロだ。自分の『仕事』に関係のない第3者を巻き込むような真似は絶対にしない」
「……………!」
 キョウジの言葉を受けたドモンは、立ち上がりかけた椅子に、再びドスン、と、腰を落としていた。「為すすべなし」とはまさに、このことだ。

「………こうなったら、ハヤブサが、シュバルツのことをうまく対処してくれる事を、祈ろう」

 落とされたキョウジの言葉に、ドモンは「チッ!」と、舌打ちをした。
「シュバルツ……大丈夫なのか……? ハヤブサめ……! シュバルツに何かあったら、ただじゃおかないからな……!」
「シュバルツの安否に関しては、私は心配してはいないよ。シュバルツを真の意味で殺せるのは、ハヤブサの『龍剣』か、ドモンたちが持っている『紋章の力』だけだから」
 そう。
 その身体がDG細胞で出来ているシュバルツは、ある意味『不死』の存在だった。
 銃で身体を撃たれようが、剣で刺し貫かれようか、DG細胞の『自己再生』の力が働いて、彼は何度でも甦ることができるのだから。
「それはそうかもしれないけどさ……!」
 キョウジの話を聞いて尚も、ドモンは不満げだ。
「とりあえずハヤブサの野郎は、帰ってきたら一発殴ってやるからな!! シュバルツをとんでもない目に遭わせやがって!! こっちはえらい迷惑しているんだ!!」
「め、迷惑!? どうして!?」
 少し驚くキョウジにドモンは思わず喚いていた。

「本当に―――――どれぐらい俺はシュバルツと手合わせできていないと思っているんだ!!!」

「…………!」
 キョウジは知らず、椅子からずるっとずり落ちそうになる。
(あ〜〜〜………でも、気持ちは分かるかも………)
 弟の渾身の喚きに、不覚にも少し共感してしまうキョウジ。
 自分だってそうだ。
 もうずいぶん長いこと――――自分はシュバルツに雑用を押し付けたりご飯を作ってもらったり、代わりに仕事に行ってもらったりをしていないような気がする。
 いい加減シュバルツに甘えたい。
 ちょっとしたストレスが、割と限界のような気がしたキョウジも、「は〜〜〜〜〜〜………」と、盛大にため息を吐きながら、机の上にごん、と、頭をぶつけて突っ伏してしまう。
(こ、この兄弟は………!)
 こうなってくると、少々面白くないのが東方不敗だ。
(確かにあ奴はキョウジのコピーで優秀な部類に入るかもしれんが、手合わせの相手ぐらいわしがいくらでもするし、少々の雑用ぐらいだったらわしもこなせるのに、いったい何が不満なんじゃ!? わしがシュバルツに劣るとでもいうのか!?)

「フン! 貴様の腕では龍の忍者に一発浴びせるどころか、返り討ちに会うのが落ちじゃろうよ!!」

 東方不敗の苛立ちは、ドモンへの八つ当たりとなって表に出てくる。案の定、ドモンはすぐにこの挑発に乗ってきた。
「何おう!?」
 ガタッと椅子を蹴倒すドモンを、東方不敗はさらに挑発してきた。
「悔しかったらまずは一発、このわしに当ててみろ!!」
 ベロベロバーと、いい歳をした老人が、かなり大人げなくドモンをコケにするものだからたまらない。ドモンはそれに頭から突っ込んでいく。
「おのれ!! いくら師匠でもそれは許さん!! まずは貴様の顔面に、俺の拳をめいいっぱい叩き込んでやる!!」
「やれるものならやってみよ!! この馬鹿弟子がぁ!!」

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