農家の嫁の日記

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当ブログでも発表している『キョウジ兄さんに捧げる物語』を小説同人誌にしました。手作り感満載ですが、興味ある方はどうぞ〜

災害で亡くなられた方、被災された方に哀悼の意を捧げるとともに、心よりのお見舞いを申し上げます。
がんばれ日本!!

zoom RSS マリオネット狂想曲 48

<<   作成日時 : 2016/06/21 23:41   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 0


「ド、ドモン!?」
「兄さん!! 手合わせに行こう!! 今すぐ!!」
 そう言いながらドモンが、強引にシュバルツを外に連れ出そうとする。シュバルツは少し慌てた。
「ま!! 待てっ!! ドモン!!」
「どうしたの? 兄さん」
「い……いや、キョウジが―――――」
 そう言いながらシュバルツが、キョウジの方にちらりと目線を走らせる。
「キョウジ兄さんが?」
 ドモンもシュバルツにつられて、キョウジの方を見る。そしてそこで言葉を失ってしまった。何故ならキョウジが、とても悲しそうな瞳で、こちらを見つめていたからだ。
(ああ……。私がドモンに連れていかれそうになって、ものすごく嫌がっているな)
 キョウジの気持ちが手に取るように分かるシュバルツは、キョウジの表情からそんなことを読み取っていた。
(あ、でも、兄として弟を優先してあげなければならない、と、葛藤しているな。「お兄ちゃんでしょ!?」と、自分で自分に言い聞かせている状態だ……)
 椅子の背を握りしめながら、唇をかみしめて視線を横にそらしているキョウジ。それがそのままずるずると、床に座り込んでしまった。
(でもこっちにだって仕事があるんだ……! それを、それを……! って、なってる……。だが、ドモンの気持ちもわかるし……。うう〜〜ん……どうしたものか………)
「な、なあ、シュバルツ……。キョウジ兄さん、どうしちゃったんだ? 様子が変だけど……」
 普段、自分の前でなかなか感情を露わにしないキョウジが、床に座り込んだりしているものだから、ドモンも動揺が隠せないらしい。シュバルツはもう、苦笑するしかなかった。

「………いいよ、ドモン………」

 ここで、それまで黙っていたキョウジから、絞り出されるような声が発せられる。

「………シュバルツと、手合わせに………行ってくればいい………」

「いや、でも兄さん………」
「キョウジ、そういうことを言うのなら、せめて血涙を流すな」
 キョウジの様子に、シュバルツが呆れ返りながら突っ込みを入れる。
「仕方がないだろう!? 私だって……ッ!」
 反論するために顔を上げたキョウジだが、その言葉はすぐに途切れることになってしまった。何故なら―――――

「フン! 相変わらず兄御に迷惑をかけておるのか! この馬鹿弟子が――――!」

 いきなり東方不敗が床から生えてきたので、その場にいた全員が、ひっくり返るほどに驚いてしまったからだ。
「師、師匠!?」
 立ち直ろうとしたドモンの前に、東方不敗は居丈高に立って構える。
「ドモンよ! 今日のロードワークはどうした!? わしのところにまだ終了の報告が入っておらぬようだが―――――」
「そ、それは………! もう少し後でやろうとしていたんだッ!!」
「修行に後も先もあるか!! この馬鹿弟子が!!」
 東方不敗はドモンの言葉を一刀両断にする。
「よいか!! 男児たるもの己に課せられた課題というものは、何があっても投げ出してはならぬもの!! それを己の感情に負け、放り出すとは何事かぁ!!」
「放り出したわけじゃない!! 兄さんの無事を確認したくて………!!」
「フン!! その為体―――――次の大会では、優勝どころか一回戦負けじゃろうよ!! この馬鹿弟子が!!」
「何ぃ!?」
 ぎりぎりと睨み付けるドモンに対して、東方不敗は右手をバッと目の前に開いて突き出してみせる。
「5秒じゃ!」
「?」
「今の貴様など―――――5秒で瞬殺してくれる!!」
「な―――――!」
 傍目にも大変分かりやすい挑発行為。しかしドモンは、東方不敗のこの挑発に、頭から突っ込んでいった。
「上等だ!! 5秒で瞬殺されるのは東方不敗!! 貴様の方だ!!」
「ぬっ!! 師に向かってなんという口の利き方……! その根性、叩き直してくれる!!」
「やれるものならやってみろ!!」
 一流の格闘家の、阿呆みたいなやり取りを一通りした後、師弟は勢いよく外へと飛び出していく。呆然とそれを見つめていたキョウジのところには、一枚のメモの切れ端がひらひらと舞い落ちてきて、シュバルツのところには、丸まった紙がぶつけられていた。
「?」
 二人は、同時にそれを開く。
 キョウジの物にはこう書かれてあった。

(ドモンは引き受けた。後は存分にやるがよい)

 対してシュバルツのところには

(貸し一つじゃぞ!!)

と、でかでかと書かれていたので、シュバルツは「うわ……」と、思わず口走ってしまっていた。
 東方不敗に『貸し』だなんて、微妙に怖い。後で、3倍返しを要求されたりしないだろうか。
「よかった……! シュバルツ、じゃあ早速、書類の整理をしてくれる?」
 だが、キョウジのこの心底嬉しそうな顔を見ると、細かいことは割とどうでもよくなる。こういうところが、自分はかなり単純なのだろうか。
「分かったよ」
 シュバルツもため息を吐きながらも立ち上がり、書類の山へと向かっていった。その面にかすかに、優しい笑みを浮かべながら――――

 しかし。

 小一時間もしないうちに、シュバルツの表情にはしかめっ面が張り付くようになってしまう。何故なら、やはりと言うべきか―――――キョウジの甘えっぷりがひどくなっているからだ。
「キョウジ………」
「なに? シュバルツ」
「いつまで私の背中にくっついているんだ?」
「ああ……私は一向にかまわないから、そのまま作業を続けてくれる?」
 そう言いながらキョウジは、シュバルツの背にもたれかかりながら書類を読みつつコーヒーを飲んでいる。これはもちろん、シュバルツの淹れてくれたコーヒーだった。
「いや、お前が構わなくても、私が構うんだ」
「なんで?」

「邪魔だ!!」

 シュバルツは知らず、大声で叫んでいた。
「何故私の背中に張り付いて、いちいち書類を読んでいるんだ!? ここじゃなくても他に椅子とかあるだろうが!!」
「だって、ここでいるのがいいんだもん。は〜………シュバルツの背中、落ち着く………」
「キョウジ………!」
 いつものシュバルツなら、ここで「阿呆か―――――!!」と、怒鳴りつけているところだ。しかし、シュバルツの方にも、しばらく家を何の予告もなく空けてしまったという微妙な負い目がある。それが、彼の反撃の手段を何となく奪う結果となっていたのだ。
 そうこうしているうちに、今度はドモンが部屋に入ってくる。

「は〜………疲れた……。シュバルツ〜〜」

 彼もまた、そう言いながらキョウジの横に座って、シュバルツの背中にもたれかかってきた。
「おい………」
 かなりシュバルツは苛立ちながらドモンに声をかけたのだが、ドモンは逆に身をすりすりと摺り寄せてきた。
「は〜〜……本当に、こうやって触っても、もう大丈夫なんだな……」
「…………!」
「ずっと、キョウジ兄さんや師匠やレインから、「シュバルツに触っちゃダメ!」って言われ続けていたから……」
「ドモン……」
 弟のその言葉に、ハヤブサのみならず、本当に皆に迷惑をかけてしまったんだな、と、シュバルツは少し申し訳ないような気持ちになる。しかし――――

「シュバルツ〜……」

「はあ〜……落ち着く……」

 二人がかりでまったりともたれかかられると、どうにも重いし、結構邪魔になるわけで――――

「ええい! 鬱陶しい!! いい加減離れろ―――――ッ!!」

 シュバルツの叫び声が、キョウジのアパートからこだまする。
 この兄弟の甘えっ子攻撃は、当分の間続くことになるのであった。


 END





 やっとこさ、書き終わりました! ここまで読んでくださって、どうもありがとうございました!<(_ _)>
 毎度毎度思うんですが、話の終わらせ方って本当に難しいですよね。なんでもない文章を書くのに、ものすごく時間がかかってしまいました(^^; 筋書きは決まっていたのにね。終わらせるのは本当に難しい。こんな葛藤感じるのは、もしかして私だけなのでしょうかと思ったり。

 今回のお話も、私自身はものすごく楽しんで書きました! 怪しからん内容で、本当にすみません(^^;
 見捨てずに最後まで読んでくださった方、本当にありがとうございました。書ききれたのも、あなた方のおかげです! ええ本当に……。
 
 感想聞かせてくれたらうれしいですが………どうなのかな。
 作者は泣いて喜びます。

 感想書くほどの話じゃないことも、承知しているんですけどね(^^;



 さて、これからの予定ですが、また、製本の方に取り掛かりたいと思います。

 2票票が入っていたんです。入れてくださった方、本当にありがとうございます<(_ _)>

「されど、龍は手を伸ばす」これを、同人誌化していこうかなと。

 私自身は、これもものすごく楽しんで書いた記憶があります。
 三国志もハヤブサさんもシュバルツさんも大好きなので、こんな、好きすぎる話がコラボレーションしていていいのかなと一人、感極まっておりました。

 挿絵と表紙を書いて………たぶん、書いてくれる人いないだろうから、今回も私頑張って書きます。如何せん下手だから申し訳ないのですが……(^^;
 それと、パロディ漫画みたいなのをつけられればいいな、と思っております。
 何ページぐらいになるのかなぁ。

 挿絵はブログやツイッターにも上げさせていただきますが、漫画の方は、購入者様の特典にしようと思っています。それぐらいはないとね(^^; せっかく、貴重なお金を払っていただけるわけですから。特典になるかどうかもわからないですが(^^;

 というわけで、しばらく小説の方の更新はなくなります。ご了承くださいませ。
 如何せん次の話、浮かんではいますが、まだ形がきちんと整っていませんので。
 でもまた、製本作業が終わって、話の方のめども立てば、書いていきたいと思います。それまでにこのブログが忘れられていなければ、また、どこかでお会いしましょう!


 それでは、長々と失礼いたしました。
 皆さまどうかお元気で!

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