農家の嫁の日記

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<<   作成日時 : 2016/12/22 11:33   >>

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 ハヤブサさん×シュバルツさんのBL小説です。
 興味のある方は、どうぞ〜〜〜


























 それでもそのヒトは、『人を信じろ』と言った。
 『世界は優しく、美しいのだ』と言った。
 弱者に手を差し伸べることを、彼は躊躇わなかった。
 闇を纏ったその『光』は、優しく、そして力強い輝きを放っていた。

 ああ──────
 会いたい。
 シュバルツに会いたい………!

 狂おしいほどに願った。
 今すぐあの『光』に触れたい。
 抱きしめたい。
 包まれたいのだと。

 まるで傷つけられた幼子が、母親を求めるが如くに
 ハヤブサはシュバルツを─────求めていた。

 だからハヤブサは、日本に帰って直ぐに、シュバルツの元へと足を運んだ。
 里への報告もせず、己の怪我の手当すらせずに─────彼を求めたのだ。


「………………」

 勿論、ハヤブサは『罠に嵌められた』という以外は、シュバルツに伝えることはしなかった。
 この優しいヒトは、知らなくて良いと思った。
 あの悲惨な戦場も
 罠に嵌められた瞬間、自分はその男とその地区の住民ごと、殺されそうになったことも。
 誰1人として、救えなかったことも
『人殺し』と罵られたことも─────

 人が人を食い物にする暗黒の世界。そこに自分は身を置いている。これは謂わば、自分の宿業だった。
 覚悟を決めて─────自分が背負うべきなのだとハヤブサは思った。

「………………」

 『罠に嵌められた』と言って、その後は、押し黙ってしまったハヤブサ。こちらに、余計なことを言う気も無いのだろう。
 それでもシュバルツは、眉をひそめる。唇を噛みしめる。
 痛々しい背中の大きな傷。いや、それ以上に─────身体のあちこちに、無数の小さな傷が刻まれていた。

 一体、どれほど過酷な戦場にいたのだろう。
 どれほどの哀しみを辛さを─────その身に受けてきたのだろう。

 それなのに、どうして─────

 この人はその身に宿す優しさを、失わないのだろうか。

 知っている。
 世界は醜い。
 人は、裏切る。
 この世にはびこる悪意に、歯止めがかけられることはない。

 信じれば、踏みにじられる。
 弱者は、食い物にされる。

 その最たる世界に、この人は生きているのに。

 自分を蹂躙するように抱いてきたとき、この人は泣いていた。
 まるで、縋り付くように、暴かれた。

 きっと、傷ついたのだ。
 その優しさ故に、苦しんだのだ。

 ────俺ノコトナドドウデモイイ…………

 嵐のように抱かれている最中、シュバルツのDG細胞の共鳴は、ハヤブサの己を呪うような心の声を、何度もシュバルツに聞かせていた。

 哀しかった。
 暴力的に奪われる身体よりも、ハヤブサのその心が痛くて、シュバルツは泣いた。

 それだけ苦しむのならば、自身の持つ優しさなど、最早呪いでしかないだろうに。
 それでもその優しさを手放さず、その世界を歩み続ける覚悟を持った『リュウ・ハヤブサ』という人は、とても強くて─────希有な存在だとシュバルツは思った。

 大切な人。
 愛しい人。
 その心を護りたい、と、シュバルツは願った。
 それが適うのなら、自分はどう扱われようとも構いはしなかった。

「……………」

 だから、手当が終わった後、シュバルツはハヤブサの背を、そっと抱きしめた。
 治療をしている間中、ずっと彼の背中が、泣いているように感じられたから────

「……………!」

 愛おしいヒトの思いもかけない行動に、ハヤブサは少し硬直し、息を呑む。優しく身を寄せてきたそのヒトは、小さな声をかけてきた。

「よく………帰ってきて、くれたな………」

 傷つけられても
 踏みにじられても
 生きることをあきらめず
 何度でも、立ち上がって─────

 よく、帰ってきてくれた。
 よくぞ、私のところに、帰ってきてくれた─────

(シュバルツ………!)

 その寄り添ってきた優しさに、ハヤブサは色々とたまらなくなる。
「シュバルツ……ッ!」
 気がつけばハヤブサは、再び愛おしいヒトを、布団の上に押し倒していた。

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