農家の嫁の日記

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<<   作成日時 : 2016/12/18 23:23   >>

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 ハヤブサさん×シュバルツさんのBL小説です。
 興味ある方はどうぞ〜〜〜


























 シュバルツはひたすらそれを受け止めてくれていた。
 それどころか、こちらに向かって必死に手を伸ばそうとしてくれていた。

 ─────死なないでくれ……。ハヤブサ………。

俺をただただ案じ続けてくれた、健気な花。
 そのいじましさに、愛しさばかりが募った。
「シュバルツ………ウッ………!」
その髪を撫でようとして、背に受けた傷にズキリ、と、鈍い痛みが走る。ハヤブサは、苦々しい気持ちになった。
こんな傷、受けたこと自体が恥だ。シュバルツに、心配させる気もなかったのに。
 背中から臀部に、ぬるりと生暖かい物が伝い落ちているのが分かる。目眩にも襲われる。消耗している自分を自覚した。
(布団を汚してしまったな……。止血もしなければ………)
 理性は、そう訴え、身を起こせとハヤブサに要求してくる。
 だが今は─────愛おしいヒトから離れがたく感じていた。
(すまない、シュバルツ………。少しだけ、隣で休ませてくれ………)
 彼のヒトの隣に、そろりと身を横たえる。
 その白い肌が暴力の痕を直していくのを感じながら、ハヤブサは何時しか、まどろみの中に、その身を預けていった─────

しかし、直ぐにその眠りは覚まされる事になる。
隣で寝ていたシュバルツが、うなされ始めたからだ。

「う……………う……………」

「シュバルツ!?」
シュバルツは、複雑な出自を持つアンドロイドだ。
しかも、制作者であるキョウジと共に死にかけた経験があるが故に、悪夢にうなされる事が頻回にあった。
「いや…………! 嫌だ…………!」
涙を散らしながら頭を振る愛しいヒト。
(覚まさなければ)
ハヤブサは身を起こし、シュバルツに呼び掛けようとする。すると。
「嫌だ…………! ハヤブサ………!」
「……………!」
自分の名を呼びながら頭を振るシュバルツの言葉に、ハヤブサは少なからずショックを受ける。
(もしかしたら、先程の行為を夢に見てしまっているのかもしれない)
 あの行為は「愛し合っている」と言うよりも、暴力と陵辱で、一方的に屈従を要求するような物だった。もしかしたらそれに、うなされてしまっている可能性があった。
 ならば、自分は傍に居ない方が。
 そう考えたハヤブサであるが、次のシュバルツの発した言葉に、また、衝撃を受けることになった。

「死なないでくれ……! ハヤブサ………!」

「……………!」

「独りにしないでくれ………! 置いて逝かないでくれ………!」

「シュバルツ………!」

「ハヤブサ……! ハヤブサ……ッ!」

「シュバルツ……! シュバルツッ!!」
 ハヤブサは、慌ててシュバルツを起こしにかかった。どうやら彼は、自分を喪って嘆き悲しむ夢を見てしまっていると気づいたからだ。
 冗談ではない。
 俺は今、ここにこうして生きているんだ。
 シュバルツをこれ以上そんな風に哀しませてたまるか────!
「シュバルツ!!」
 頬を軽く叩き、身を揺すって呼びかける。二、三度それをするうちに、愛おしいヒトは、はっと目を覚ましていた。

「あ…………!」

 そして、現在に至る。

 愛おしいヒトは、は、は、と、短く息をしながら、小さく身を震わせてこちらを見ている。その瞳からは、大粒の涙が、次から次へと零れ落ちていた。
「シュバルツ………」
 ハヤブサがシュバルツの涙を優しく拭っていると、彼のヒトから問いかけられた。
「ハヤブサ……! こっちが現実か……? じゃあ、さっきまでの光景は……夢か………?」
 シュバルツの肌には、まだ少し暴力の爪痕が残っている。それにツキリと胸を痛ませながらも、ハヤブサは頷いた。
「ああそうだ……。ここが現実だ………。先程まで、お前は俺に────」
「ハヤブサ……!」
 その言葉が終わらぬうちに、シュバルツが縋り付くように抱きついてきたから、ハヤブサも言葉を失ってしまった。呆然としているハヤブサに、また腕の中のシュバルツから問いかけられた。
「ハヤブサ……! 本当に、お前はここに居るんだな……? 『生きて』居るんだな……?」
「あ、ああ………」
 ハヤブサも、戸惑いながらも頷いた。
「そうだ……。俺は生きている。お前の目の前に、ちゃんと居る………」
「………良かった………」
 腕の中の愛おしいヒトがほっと安堵のため息を漏らしながら、また、ぎゅっと抱きしめてきた。
「生きていてくれて良かった……。お前が死ぬなんて、耐えられなかった………」
「シュバルツ……!」

「独りにしないでくれ………! 置いて逝かないでくれ、ハヤブサ………!」

「…………!」
 シュバルツの言葉に、はっと、息を呑むハヤブサ。そのハヤブサの気配に、シュバルツもまた、瞬間的に我に返った。
(な……! 何をやっているんだ、私は………! ハヤブサにとんでもない我が儘を……! 無茶な要求を────!)
 そう、シュバルツはその身体を『DC細胞』で作り上げられた『アンドロイド』
 それは、半永久的に活動が行える可能性を秘めていた。
 だからシュバルツは、自分はハヤブサの生涯のパートナーにはなり得ない存在であると自覚していた。ハヤブサが自分を必要としなくなれば、いつでも身を引けるようにしておかねばならないのに。
 さっきの一連の、自分の言動は何だ。
 ハヤブサに置いて逝くなとか、独りにしないでとか────

 私はハヤブサに『不死の人外になってくれ』とでも要求するつもりなのか。

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