農家の嫁の日記

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zoom RSS 戦う君に、花束を 12

<<   作成日時 : 2017/01/15 22:54   >>

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「第2章」


「いや〜〜〜『忍者』! 格好良かったなぁ!」
「あれだけのモンスターを、一瞬で!! すごすぎる!!」

 ナディール姫の先導で、城へと帰る地下道の道すがら、トマスとモガールの楽しそうな声が響く。彼らはまだ、先程の興奮から冷めやらないらしい。
「『忍者』って、やっぱり姿が消せたりするのかなぁ」
「影にもぐったり!」
「壁抜け出来たり!!」
「火を噴いたりするんだろうか……!」
「JAPANISE NINJA !! 格好いい〜〜〜!」

「……………」

 ハヤブサは、トマスとモガールの会話を、顔を引きつらせながら聞いていた。
 自分は確かに、姿を消したり、影にもぐったりはできない。
 できないが─────

 何ということだ。
 そういうことができる奴を────俺は一人、知っている。

(『あいつ』を見たら、こいつら大喜びしそうだな……。しかしたぶん、あいつがここに来ることはないだろうが……)

「着いたわ」
 ナディール姫の言葉に、ハヤブサは思考を中断させる。姫が水路の壁の隠し扉のようなものを開けると、その向こうに、上へと続く梯子があった。
 梯子を上り、地表に出ると、目の前に城を裏側から見た景色が広がっていた。どうやらこの地下道は、城の後ろ側と繋がっているらしい。
「トマス、モガール」
「はい!」
「なんでしょう、姫様!」
 呼びかけられた兵士二人が、姿勢を正す。ナディール姫は、そんな二人に優しく微笑みかけた。
「今日は、ご苦労様でした。私と街に出ていたことは話しても大丈夫ですが、ここの出入り口のことだけは、他言無用でお願いしますね」
「了解しました! 姫様!!」
「われら今日のことは────絶対に口外いたしません!!」
 そう言って、兵士二人は敬礼して、姫と別れた。

「……………」

 ナディール姫は大きくため息を吐くと、無言で歩き出す。その後ろについて、ハヤブサも歩き出した。
「ハヤブサ様……」
「『様』はやめろ」
 少し驚いたように振り向くナディール姫に、ハヤブサはつっけんどんに返した。
「俺の存在をいちいち気にするな。俺は『仕事』でお前についているだけだ」
「でも………」
「それに、俺はどの道城に行かねばならん」
「えっ?」
 きょとん、とするナディール姫に、ハヤブサはなおも言葉をつづけた。
「そろそろ、俺のクライアントと会わねばならん時間だ。正式に、お前のボディーガードの依頼を受けねばならん」
 それを聞いたナディール姫の表情が、少し明るいものになった。
「では────ハヤブサ様は、私の護衛を、引き受けてくださるのですか?」

「戴冠式までだがな」

 ハヤブサはナディール姫に、腕組みをしながら答える。
 しかし、実際のところどうなのであろう。
 ナディール姫の護衛は、本当に戴冠式までで大丈夫なのであろうか?
 狙ってきた刺客の数といい、地下のモンスターといい、姫を取り巻く問題は、かなり根深そうな気がする。見極めてみなければ分からないが。

「俺のクライアントは、カライ内大臣と聞いている。その内大臣にはどこへ行けば会える?」

「えっ!? カライ内大臣が?」
 ナディール姫は、少しびっくりしたような声を上げた。
「そうですか……。カライ内大臣が……」
 それから少し、彼女は考え込むようなしぐさをする。彼女にとってもクライアントとして上がった名前が、少し意外なものであったらしい。
「分かりました、ハヤブサ様……。私も確認したいことがありますので、カライ内大臣を一緒に探しましょう」
 行きましょう、と、言って、ナディール姫は歩き出す。ハヤブサも、そのあとからついて行った。


「お義姉様!」
 城に入ると、黒髪の利発そうな、身なりのいい少年が、ナディール姫に声をかけながら走り寄ってきた。
「ノゾム!」
 ナディール姫も、嬉しそうにその少年を迎え入れている。どうやら二人は、近しい関係にあるのだろうなと、ハヤブサは思った。
「お義姉様、また外に行かれていたのですか?」
「うふふ、そうよ」
 それを聞いた少年が、心底うらやましそうな表情を浮かべる。
「いいなぁ、お義姉様……! 今度私も連れて行ってください!」
「そうね……。もう少し落ち着いたら─────」

「なりませんよ。ノゾム」

 その場に女性の声が、ぴしゃりと響き渡る。
 声のした方に視線を向けると、緑青色の豪奢なドレスを身にまとった女性が、毅然とそこに立っていた。
「王族のあなたが、そんなところに行く必要はありません。危険すぎます」
「母上……」
「お義母様……」
 少年はナディール姫に縋りつき、姫はその女性に対して畏まった。どうやら、その女性はナディール姫よりも身分が上位の者になるらしい。ハヤブサは目立たぬように壁際に下がり、その様子を見つめていた。

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