農家の嫁の日記

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zoom RSS 戦う君に、花束を 36

<<   作成日時 : 2017/02/07 21:47   >>

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(真っ先に思い浮かぶのは、イガール隊長だが…………)

「………………」
 何故だろう。あの男はあまり、頼れないような気がする。
 人柄もよく、兵や民たちからも慕われ、剣の腕もたつ人物なのだが────
(押しが弱いな………)
 そう感じて、ハヤブサは苦笑していた。
 周り人間の要望を聞くことは、悪いことではない。しかし、聞きすぎるのもどうかと思う。
 彼はもう少し他人の意見をはねのける勇気も持たないと、周りに気を使いすぎて、つぶされてしまうような気がしてしまうのだ。
(惜しいな……。剣の腕が立つだけに……)
 だが仕方がない、と、ハヤブサは思う。
 剣の道に生きる人間は、人の間でうまく立ち回って生きていくには、得てして不器用すぎるものだから。

(正直、自分がもう一人欲しいな………)

 そう感じて、ハヤブサはため息を吐く。
 自分と同等の能力を持った仲間が、もう一人欲しい。
 そうすれば、一人は姫の護衛に就き、その間にもう一人が、城の中をあちこち探りまわることができる。
 姫に対する攻撃を防戦するだけではなくて、反撃に移ることも可能になってくるのだ。
「………………」
(しかし、俺と同等の能力を持った人間など─────)

 ここでハヤブサは、はっと思い当たった。

 いる。
 いるではないか。

「間諜」という能力値においてなら
 俺と同等か、それ以上に高い力を発揮する奴が─────

 ハヤブサにとっては最愛のヒトである、シュバルツ・ブルーダーの姿が脳裏に浮かぶ。

 彼は姿を消し、人の影の中に潜むことができる。
 縄抜けができ、壁も自在に通り抜けられる。
 そして、DG細胞という特殊な物体でその体を構成されているがゆえに、『不死』──────凡そ、間諜活動においては、これ以上ない、というぐらい『チート級』の能力を持った存在だった。

(呼ぶか……?)

 連絡する手段はある。
 事情を話せば、彼はきっと、力を貸してくれる。シュバルツは、そういうヒトだという確信があった。
 彼が来てくれるだけで、自分にとっては、どれほど心強い存在になるだろう。

 しかし─────

「……………!」
 ハヤブサは、ぐっと唇をかみしめていた。

 だめだ。
 これは自分の『仕事』なのだ。
 シュバルツは、本来ならば、関係のない第3者。こちらの事件とはかかわりなく、平穏に暮らす権利が、彼らにはあるのだ。それを侵してはならないと、ハヤブサは強く思った。

 それにきっと、頼りすぎてはだめだ。

 自分は今まで『独り』で仕事を請け負ってきたのだ。これからもそうするべきで、そうあるべきなのだ。
 そうしなければ、きっと自分は、どんどん彼に頼ってしまって─────

 自分はいつでも、彼を求めるようになってしまう。
 深いところで、自分の『業』に、キョウジやシュバルツを巻き込んでしまう。
 それは、許されることではない、と、ハヤブサは思うのだ。

(自分は、シュバルツの『業』に巻き込まれたがっているのに………勝手な話だよな………)

 そう感じて、ハヤブサは苦笑してしまう。

 兎角人の心は厄介なものだ。
 自分は、いくらでもシュバルツのために消耗することを望むのに、シュバルツが自分のために消耗することは嫌がるだなんて。

(……今居ないヒトのことを考えても仕方がない。現実的なことを考えなくては)

 独りで、姫の護衛として対処する以上、やれることには限界がある。戴冠式を終えて、彼女が王位についてしまえば、『王国の民』たちは、彼女に手出しができなくなるようであるから、それまで暗殺をしのぎ切るのも、確かに一つの手だが────

(……もうしばらく、様子を見るか。明日には明日の風が、吹くかもしれない。何か事態に進展が、あるかもしれないのだから……)

 ハヤブサはそう考えながら、自身も身体を休めることにした。これからのことを考えるならば、本当に────自分が疲労で倒れるわけにはいかないのだから。
「……………」
 周りに殺気がないことを確認しながら、ハヤブサは、浅い眠りについていた。


  「第3章」


 その日も姫は、朝から多忙を極めていた。
 朝食に、やはり毒が入れられていると、ハヤブサは見て取ると、彼は姫を強引に市場の『視察』へと連れ出していた。
 もちろん、彼女に朝食をとらせることと、自身の食料を仕入れることを、目的としている。
 あまり時間がない中で行われた『視察』は、当然あわただしいものとなった。
「おじさん! また今度ね!」
「もう行くのかい? もっとゆっくりしていけば……!」
「ごめんなさい! 時間がないの〜!」
 そう言いながら、彼女は脱兎のごとく、店の前から走り去っていく。その後ろから姫に寄り添うようについていった黒い影が、店の商品の半分以上を持って行っていたりして、それに見合う代金を、屋台の上においていたりするのだが、店主はその事実に気づくのに、少し時間がかかっていた。
「ハヤブサ様……! むちゃくちゃです! もう少しゆっくりしてはいけませんか!?」
「何を言う! むちゃくちゃなのは、お前のスケジュールの方だろう! 何だ、あの過密な予定は!!」
 正式な『朝食』が終わったときに、カライ内大臣の使いの者がやってきて、彼女に今日の予定を告げていったのだが、そのあまりの過密さに、ハヤブサの方が目を回しそうになっていた。

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