農家の嫁の日記

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zoom RSS 戦う君に、花束を 88

<<   作成日時 : 2017/04/12 14:08   >>

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「第4章」


「はぁ…………」

 執務室でナディール姫は、疲れ果てたようなため息をついていた。
 その横にはカライ内大臣が、眉間に深いしわを刻んで立ち、ハヤブサが難しい顔をして腕を組んでいた。
 苦笑しながら立つシュバルツの横には、ノゾムが縋りつくようにくっついて立っている。

 かなり、不可思議な状況だが、ここに至るまでには、本当に、いろいろとあったのだ。


「ドモン・カッシュからメールが来た、ですって?」

 ノゾムからタブレットを受け取りながら、王太后が怪訝そうに眉を顰める。
「はい、お母さま!」
 ノゾムは嬉しそうにうなずきながら、王太后にメールを指し示す。
「これです! このメールが………!」
「これですか?」
 王太后は、ノゾムに指示されるままにそのメールを見て、すぐに眉をひそめていた。

「何です? この不愛想なメールは………!」

 そのまま、王太后は、不愉快そうにノゾムにタブレットを突っ返す。
「こんなもの、相手にする必要はありませんよ、ノゾム。偽物に決まっています」

「偽物………」

 少し、がっかりしたように、王太后からタブレットを受け取るノゾム。
「ノゾム………」
 義弟が沈んでしまった様子を、気の毒に思ったナディール姫が、彼に向かって手を差し出した。

「私にも、見せてくれる?」

「はい、お義姉様」
 幼い義弟は、素直にタブレットを差し出す。
「どれがそうなの?」
 姫がそう聞くと、義弟は慣れた手つきで、その端末を操作していた。
「これです。これが───」

「…………………」

 義弟に指し示されるままにそのメールを見て、ナディール姫の方も、眉をひそめていた。

「本当にこれ?」

 問い返す義姉に、義弟も、こっくりと頷き返す。
「うう〜〜〜ん………」
 ナディール姫が、かなり複雑な顔をするから、ハヤブサも、思わず一歩、前に進み出ていた。
「俺も、見せてもらっていいか?」
 ドモン・カッシュとは、知らない間柄ではない。メールを見れば、真偽の判断ぐらいはつくのではないか。ハヤブサは、そう思ったからだ。
「いいですよ」
 ハヤブサの要求に、ナディール姫はあっさりと応える。差し出されたタブレットをのぞき込んで、ハヤブサもまた、何とも言えない気持ちになった。

 ハヤブサの目の前に差し出された、一通のメール。
 そこにはただ一言。

「お前、俺に会いたいのか?」

 とだけ、書かれていたからだ。
(愛想もくそもないな………)
 ハヤブサは、あきれたようにため息を吐く。
 仮にも、面識もなく、一応『王族』の人間にメールをよこすのだ。それなりの気配りをして、しかるべきなのではないかと、思うってしまうのだ。
 だがまあ、ある意味、この不愛想なメールも、ドモンらしいといえば、ドモンらしいのだが。

「ああ、それは本物のドモンからだよ。なるほど、あいつも、あの動画を見たんだな」

「─────!?」

 突如として聞こえてきた言葉に、その場にいた全員が、ぎょっと、顔を上げ、そちらの方を見る。すると、ハヤブサの後ろから、タブレット端末をのぞき込んでいたシュバルツと、視線が合った。

「シ、シュバルツ様………?」

「ん?」

 ナディール姫が、恐る恐る、と、言った塩梅で問いかけてくる。シュバルツはそちらに笑顔を向けた。

「このメールが『本物のドモン様からだ』と……どうして、断定できるのですか……?」

「ああ………。私は一応、『ドモンの兄』だから───」


「ええええええええええええっ!?」


 突如として響き渡る、驚愕の大合唱の嵐。シュバルツが「しまった!」と、思ったときには、時すでに遅く、全員が、眼をぎりぎりまで見開き、食い破らんばかりに、こちらを見つめていた。

「本当に!?」
「シュバルツ殿が!?」
「ドモン・カッシュの!?」

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