農家の嫁の日記

アクセスカウンタ

本の販売を始めました!
ここより本の注文画面に飛べます。
当ブログでも発表している『キョウジ兄さんに捧げる物語』を小説同人誌にしました。手作り感満載ですが、興味ある方はどうぞ〜

災害で亡くなられた方、被災された方に哀悼の意を捧げるとともに、心よりのお見舞いを申し上げます。
がんばれ日本!!

zoom RSS 戦う君に、花束を 105

<<   作成日時 : 2017/05/22 13:46   >>

ガッツ(がんばれ!) ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 0

 だからドモンは、ノゾム王子と連絡の取れるSNSをレインに調べてもらって、メッセージを送ったのだが。

「ああ、送ったぞ? それがどうかしたか?」

 ぶっきらぼうに答えるドモンに、ハヤブサから、さらにとげを含んだ声が返ってきた。

「それのせいで、今、シュバルツに余計な嫌疑がかかっているぞ?」

「えっ?」
 何を言われたか、瞬間理解できずに固まるドモンに、ハヤブサがさらに畳みかけてくる。

「『本当に、ドモン・カッシュの兄なのか』と疑われて、牢に入れられそうになっている」

「何っ!?」

「お、おい、ハヤブサ!?」
 かなり物騒なことを弟に言い出す龍の忍者に対して、シュバルツも驚きの声を上げる。だがハヤブサは、かまわず言葉を続けた。
「もう連れていかれそうになっているぞ?」

「おのれ、言わせておけば………っ!」

 ドモンはわなわなと小さく震えていたかと思うと、携帯に向かって大声を張り上げていた。

「今すぐそっちへ行く!! 兄さんを牢に放り込む、という輩は、全員叩きのめしてやるから、覚悟しやがれっ!!」

 ドモンはそう叫ぶや否や、脱兎のごとく部屋から飛び出していた。
「あ、ドモン、私の携帯………!」
 キョウジは叫びかけて、自分の携帯がベッドの上に転がっているのを発見する。
(別に、壁も窓もぶち破られて行かなかったし、実はかなり冷静だったりするのかな、ドモンは……。ああ見えて)
 ベッドの上の携帯を拾い上げ、どこも壊れていないことを確認してから、やれやれ、と、ため息交じりに苦笑する。
(絶対にひと悶着起きるよなぁ。大事にならなければいいけど……)
 そう思いながら、キョウジが窓から空を見上げていると、不意に、背後から声をかけられた。

「わしも、そこへ向かった方がいいのか?」

「……………!」
 ぎょっと、キョウジが驚いて振り向くと、誰もいなかったはずの部屋の壁際に、いつの間にか一人の銀髪の老人がたたずんでいる。
 ただ、『老人』と、称するには立派すぎる体躯と、鋭い眼光を見れば、彼が『ただ者ではない』と、周りに感じさせるのに、十分すぎる印象を、その人は周りに与えていた。

「マスター………」

 キョウジに『マスター』と、呼びかけられた老人は、にやり、と、笑う。

「そうですね。ぜひ、お願いします」
「承知した」
 老人は短くそう言うと、ふっと、その場から姿を消す。
「………………」
 キョウジは、無言で窓から空を見上げていた。そこには相変わらず、穏やかな天気が、上空に広がっていた。


 そのころ、ユリノスティ王国の執務室では、ハヤブサが穏やかな顔をして通話を切っていた。

「よし」

「『よし』じゃないだろう!?」

 シュバルツは思わず、抗議の声を上げていた。
「あんな言い方をしたら、本当にドモンは、一直線にここに向かってきてしまうぞ!? 騒ぎが起きたらどうするんだ!?」
「いいじゃないか。これで、お前にかかっていた嫌疑が晴れるのならば」
 シュバルツの物言いを、ハヤブサはしれっと受け流していた。
「本人にここに来てもらって、証明してもらうのが、一番の早道じゃないのか」
「それはそうかもしれないが………」

「やっぱり、ドモン・カッシュ様が、今からここに来られるのですか!?」

 シュバルツのすぐそばで、幼い声が上がる。忍者たちがはっとそちらの方を見てみると、頬を限界まで紅潮させたノゾム王子が、小さく震えながら、唇をパクパクとさせている。
「あ………! あう………!」
「ええと、ノゾム王子………。とりあえず、落ち着こうか」
 シュバルツは苦笑しながら、ノゾム王子に声をかけた。このままでは、いろんな意味で、この小さな少年の、心と身体がもたない、と、彼は判断したからだ。
「いくらドモンが超人的な力の持ち主だ、と、言っても、そんなすぐにはここには来られない。彼は今、ここからはるか遠く離れた、『日本』にいるのだから………」

「そ、そうなんですか………?」

 そう言って振り返った少年の瞳に、少し、『正気』の色が戻りつつある。シュバルツは笑顔で頷いた。

「普通のルートで考えるなら、最低9時間はかかるはずだが────」

「お前の身の安全がかかっている。ドモンは、もっと早く来るだろうな」
「そ、そうなんですか?」
 ハヤブサの推測に、ノゾム王子は驚いたような声を上げる。
「6時間以内にここに着いたら、大したものだ」
「6時間………」
 ハヤブサの言葉に、ノゾム王子はちらっと時計を見る。そして、「長いなぁ………」と、ため息を吐いていた。
「仕方がないじゃない。来てくれるのは間違いないようだから、私たちはそれを待ちましょう」
「お義姉様………」
「ね? ノゾム………」
 ナディール姫は、義弟に優しく声をかける。それにノゾムも、素直に「はい」と、頷いていた。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 2
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
 いつも愛読していただいてありがとうございます(^^)。
また、気持ち玉へのクリックもありがとうございます! 
ものすごくものすごく励みになります。
アンケート実施しています(*^^*)ご協力お願いいたしますm(__)m
 当方のブログの内容とあまり関係の無いTBは、削除させていただきます。
 悪しからず、ご了承ください。

アンケート実施中

戦う君に、花束を 105 農家の嫁の日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる