農家の嫁の日記

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当ブログでも発表している『キョウジ兄さんに捧げる物語』を小説同人誌にしました。手作り感満載ですが、興味ある方はどうぞ〜

災害で亡くなられた方、被災された方に哀悼の意を捧げるとともに、心よりのお見舞いを申し上げます。
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zoom RSS 戦う君に、花束を 98

<<   作成日時 : 2017/05/04 14:48   >>

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「何か食事を調達してきてやろうか?」

「いいんですか!?」
 ハヤブサの提案に、ナディール姫は勢いよく顔を上げる。その食いつきの良さに、ハヤブサは多少面食らったが、すぐに頷いていた。
「ああ。市場の、いつもの物でいいのだろう?」
「はい! ありがとうございます!!」
 表情を輝かせながら、礼を言うナディール姫。シュバルツがそれを(可愛いな)と、ほほえましく見つめていると、横でノゾムもハヤブサの方に身を乗り出しているのが分かった。
「ハヤブサ」
 シュバルツの呼びかけに、ハヤブサが振り返る。
「ん?」
「この子の分も、お願いして良いか?」

「……………!」

 ノゾムが、びっくりしたようにシュバルツの方に振り返る。ノゾムと視線の合ったシュバルツが、ニコ、と、微笑んだ。
(くそっ!! 可愛い………!)
 うっかり萌え上がったハヤブサは、彼を抱きしめたくなる衝動を、必死に抑えつけなければならなくなった。

「行ってくる。シュバルツ、姫を頼む」

 ハヤブサは短くそう言うと、執務室を後にしていた。

「…………………」
 ハヤブサが去った後の執務室は、暫し沈黙に包まれる。そんな中、ナディール姫は、1人黙々と、イガールの報告書を読み続けていた。

「よく分かりました。ありがとう」

 ナディール姫は、イガールに報告書を返す。
「また何か、新たに分かることがありましたら、報告して下さい」
「はっ!」
 イガールは一礼して、報告書を受け取った。そのまま、礼に則り、踵を返して執務室を出て行こうとする。

「イガール」

 それを、ナディール姫が呼び止めた。振り返るイガールに、ナディール姫が少し、心配そうな眼差しを向ける。
「顔色が少し悪いようですが、大丈夫ですか?」
「姫様………!」
「報告は急ぎません。少しでも休んで、体調を整えておいて下さい」

「ありがとうございます。姫様」

 ナディール姫の言葉に、イガールが柔らかく微笑む。彼は軽く会釈をすると、執務室から外へ出て行った。


「イガール殿」

 外に出て、少し歩いたところで、イガールはハヤブサに声をかけられた。
「ハヤブサ殿」
 彼は少し意外そうに、足を止める。
「どうされたのですか? 貴方は、市場に向かわれたはずでは────」
 疑問を呈するイガールに、ハヤブサは軽く苦笑した。
「勿論、これから向かうが、少し貴殿に頼み事があってな」
「頼み事ですか? 何でしょう」
 私に出来ることであれば────と、律儀に応えるイガールに、ハヤブサは頷いていた。

「何、たいしたことではない。イワンコフの持ち物を見ることが出来れば、と、思って」

「持ち物ですか?」
 きょとん、とするイガールに、ハヤブサは頷いた。
「急ぎはしない。都合がついた時でいいから、声をかけてくれ」
「分かりました」
 二人は頷き、そして、互いの向かう方に、各々歩き始めていた。


「さてと」
 ナディール姫は、改めてシュバルツの方に向き直った。
「私は、貴方のことを検分しなければならないのですが─────」

「………………!」

 ノゾムが、硬い表情をして、シュバルツに縋り付く。
「そんなに構えなくても大丈夫よ」
 ナディール姫は苦笑していた。
 実際、彼女はシュバルツを、そんなに疑っているわけではなかった。
 と、言うか、かなり信用していた。
 シュバルツの今までの行動を見ていれば、彼の人柄の良さが伝わってくるし、自分が信頼を置いているハヤブサが、彼を手放しで信用しているところを見ても分かる。普段、大人にめったに心を開かないノゾムが、すがるようにシュバルツに懐いている、と、言うのも、ナディール姫の中では、かなり彼に対してプラスの方向に、評価が働く要因になっていた。

 シュバルツは、善良な人間だ。これはもう、ナディール姫の中では、疑いの様のない事実だった。

 だから問題は、彼の正体。
 彼は本当に、『ドモン・カッシュ』の兄なのだろうか。
 それが『事実』なら、本当にすごいことだが、一体それを、どうやって確かめれば、いいというのだろう────

(私が『ドモンの兄』というのは、動かしようのない事実だが………)

 シュバルツもここで、途方に暮れてしまう。
 自分が、『ドモンの兄』と、証明する手段など、本当に持ち合わせてなどいないのだから。

「……………」

 ノゾムは、シュバルツの顔を、不思議そうにのぞき込んでいた。
 彼は確かに、『キョウジ・カッシュ』と同じ顔をしている。しかし、『キョウジが忍者』という情報は、自分も持っていないから、それをどう受け止めればいいのかわからなくて、困惑した。

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