農家の嫁の日記

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zoom RSS 戦う君に、花束を 102

<<   作成日時 : 2017/05/14 11:44   >>

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「ど、どうしたんですか?」
 いきなりのシュバルツのこの行動に、かなり戸惑ったナディール姫から声をかけられる。それにシュバルツは、思いっきり爽やかな笑顔を向けていた。
「ああ、気にしないでくれ。こいつが馬鹿なだけだから」
「シュ……シュバルツ………」
 ふらふらと呻きながら起き上がったハヤブサを、シュバルツは、また、ゴン!! と、殴りつけている。
(こ、これは………きっと、あまり深く突っ込まない方が、良いパターンね………)
 ナディール姫は、顔を引きつらせながらも、なんとなく察していた。これはきっと、立ち入ってはいけない『大人な事情』がありそうな案件なのだろう。


 やがて、カライ内大臣も執務室に戻ってきて、執務が再開された。

「シュバルツ様が、『信頼に足る』人物である、と、言うことは、私も重々承知しております」
 ここまで言ったナディール姫が、少しため息を吐いた。

「……問題は、『ドモン・カッシュ様の兄』であるかどうか、その真贋であると、思いますが────」

「……そうですな。ノゾム様の話では、ドモン殿の関係者である、ということは間違いなさそうですが────」
 カライ内大臣も、難しい顔をしている。ノゾムも、戸惑い気味の顔をしている。それを確かめる有効な術が、今のところ、本当にないからだ。

「確かめる方法なら、あるぞ」

 皆が途方に暮れている中、龍の忍者の声が響く。

「それは、どのような方法ですかな?」

 じろり、と、にらみつけてくるカライ内大臣に、ハヤブサは軽く笑って答えた。

「簡単なことだ。『本人』に、ここに来させればいい」

「ええっ!?」
「何ですと!?」
「本人ですか!?」
「お、おい、ハヤブサ────!」

 部屋にいる皆が、それぞれに驚きの声を上げる中、ハヤブサの意図を正確に理解したシュバルツが1人、彼に呼びかけていた。

「まさかお前、本当にドモンをここに呼びつけるつもりか!?」
「簡単だろう? お前がいれば」
「それはそうかもしれないが────」
 ハヤブサの言葉に、シュバルツは少し苦い顔をした。
「だがそんなことをしたら、騒ぎが起きる。ここにいる皆に、迷惑をかけてしまうことになるぞ」
「では、どうするのだ? お前は、自分が『ドモンの兄』だと証明する手段を、何か持っているのか?」

「……………!」

 その言葉に、有効な反撃の言葉を持ち合わせていなくて、シュバルツはぐっと、言葉に詰まった。それを見たハヤブサは、さもやれやれ、と、言った体を装って、深いため息を吐いた。

「今のままだと、ナディール姫は、城内の安寧を保つために、お前を牢に放り込まなければならなくなるぞ?」

「ええっ!?」

 誰よりも大きな声を上げたノゾムが、縋るように義姉の方に振り返る。ノゾムの視線を受けたナディール姫は、それに向かって「ないない」と、首を横に振っていた。
 今のところ、シュバルツの正体に関しては『灰色』だが、限りなく『白に近い灰色』だとナディール姫は思っている。疑わしくもない者を、牢に放り込むようなまねなど、できようはずも無い。しかし、龍の忍者はさらに畳みかけてくる。
「それでもいいのか?」

「駄目です!!」

 ノゾムが、必死の形相でシュバルツに縋り付く。

「その子を、ずっとそうやって縋りつかせておくつもりか?」
「う…………!」
 ハヤブサの指摘に、シュバルツはグッと言葉に詰まる。ハヤブサは、やれやれ、と、ため息を吐いた。
「な? その子のためにも、さっさとこの問題に決着をつけた方がいい。第一お前が牢に放り込まれたら、俺はお前を詰問するために、毎晩牢に行かないといけな」

 ドカッ!! バキッ!!

 ハヤブサの意図を正確に読み取ったシュバルツが、またも彼に鉄拳制裁をふるっていた。

「ね、ねぇ……。お義姉様……」
「何? ノゾム」

「ど、どうして、シュバルツ様は……あんなに怒っているの……?」

「さあ…………」
 ノゾムのその質問には、ナディール姫も苦笑しながら首をかしげるしか術がない。よくわからないが、『大人の事情』が深くそこに絡んでいるのではないか、と、彼女はなんとなく思っていた。

「馬鹿なこと言っていないで、さっさと話を進めろ! お前は────!」

「ううう………! シュバルツが冷たい………!」
 さめざめと泣くハヤブサに、ナディール姫が顔を引きつらせながら声をかける。
「あの……大丈夫ですか?」
「気にしないでくれ。これは、病気のようなものだから」
 そう言ってシュバルツはさわやかにほほ笑んでいるが、どことなく怒りのオーラを感じる物だから、ナディール姫も、この問題はこれ以上突っ込んではいけない、と、判断していた。
(変わった『病気』もあるものね………)
 彼女が、自分もこの『病気』にかかっている、と、共感するのは、もう少し先の話なりそうであった。

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