農家の嫁の日記

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zoom RSS 戦う君に、花束を 129

<<   作成日時 : 2017/07/25 01:32   >>

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「どうした? ドモン」

 問い返してくる兄を、ドモンはまっすぐ見つめ返す。

「兄さん。俺も、ここに残ってノゾム王子の護衛についてもいいか?」

「……………!」
 シュバルツは、かなり驚いたように瞳を見開き、メリルもかなり驚いたように「いいんですか!?」と、ドモンに問いかけてきた。
「ああ。乗り掛かった舟だ。俺もできれば、ことの顛末を見届けたい」
「しかしドモン……。お前にはお前の仕事があるはずだろう」
 シュバルツの言葉に、しかしドモンは頭を振った。
「しばらくは、大きな大会も、試合もない。俺がここにとどまっても、問題はないと思う」
「それは、そうかもしれないが………」
 シュバルツは、少し戸惑ってしまう。
 確かに、ドモンがノゾム王子の護衛についてくれる、というのならば、正直、これ以上心強いこともないのだが─────
(しかし、何故だろう)
 弟の行動が、シュバルツは少し疑問だった。

 なぜ、ドモンは、ノゾム王子に、そこまで肩入れをするのだろう?
『自分のファンだから』と、言うだけでは─────少々、思い入れが過ぎているような気もするのだが。

「う………ん…………」

 ここで、ノゾム王子が軽く身じろぎをする。どうやら、意識が戻ってきたようだった。

「あ………。僕、は…………?」

 ゆるゆると、ベッドの上で身を起こす少年に、メリルが「ノゾム様」と、案ずるように駆け寄っていた。
「ノゾム様、大丈夫ですか? どこか痛いところは、ございませんか?」
「あ……うん………。大丈夫………」
 少し戸惑いながらも、特に身体に異常は感じなかったので、ノゾムは正直に答える。その少年の前に、ドモンが歩み寄っていた。
「ドモン様……」
 少し驚いたように、顔を上げる少年を、ドモンは真正面から見つめる。
「おい、倒れる前のことを、お前は覚えているか?」
「え………? あ…………!」
 少し戸惑ったように、ノゾムは声を上げたが、すぐに、はっと、息をのんでいた。どうやら、何があったのか思い出したらしい。

「て、敵は……? みんなは、大丈夫だったの………?」

「大丈夫だ。あの程度の敵にやられるほど、俺たちは弱くない」
 ノゾムの案ずるような言葉に、ドモンはきっぱりと言葉を返す。

「それよりも、ノゾム。お前に、確認しておきたいことがある」

「は、はい……。なんでしょう」

 少し戸惑い気味に見上げてくる少年に、ドモンは、おもむろに口を開いた。

「お前、姉さんを好きか?」

「えっ?」

「姉さんのこと、大切に思えるか? 信じることが、できるか?」

「もちろんです!」

 ドモンの質問の意図が分からなくても、ノゾムは正直に、きっぱりと言い切った。

「僕は、お義姉様が大好きです! お義姉様のことは、信じられるし、信じたい、と、思っています!」

 これは、ノゾム王子の中では譲れぬ想い、譲れぬ願いだった。誰に何と言われようとも───
 義姉を、悪く思いたくもなかったし、疑いたくもなかった。

「そうか」

 ドモンは短くそう言うと、ノゾム王子の直ぐ目の前に膝をついて座る。きょとん、と、瞳をぱちくりさせている少年の手を、そっと取った。

「なら、お前はそのまま────その想いを貫け………!」

「え…………!」
「ドモン様………!」

 ドモンの言葉に、ノゾムとメリルは少し戸惑う。そんな二人に、ドモンは更に、言葉を続けた。

「お前がそれをするのなら、俺は、全力でお前を支えるから────」

「ド、ドモン様………!」
 ノゾムは少し、『信じられない』と、言ったような面持ちで、彼の言葉を聞き、握られている手を見つめていた。
「何故…………!」
 このドモンの行動と言葉は、自分には過ぎた物のように、ノゾム少年は思えた。だから、問い返さずにはいられなかった。

 何故
 何故
 何故なのか、と………。

 それに対してドモンは、少し、自嘲的な笑みを、その面に浮かべていた。

「俺は、そうやって信じることが、出来なかった事があるから」

「……………!」
 そのドモンの言葉に、それを傍で聞いていたシュバルツの方が、はっと、息を呑んでいた。

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