農家の嫁の日記

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災害で亡くなられた方、被災された方に哀悼の意を捧げるとともに、心よりのお見舞いを申し上げます。
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zoom RSS 戦う君に、花束を 134

<<   作成日時 : 2017/08/10 22:59   >>

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(しまった………!)
 後悔したが、後の祭りである。目の前には、ものすごく幸せそうな顔をした、龍の忍者の姿がある。
「……………!」
 そんな彼の姿を見ていると、シュバルツの方も、なんだか毒気が抜かれてしまった。

 好きな人の、幸せそうな笑顔を見るのは、嬉しい。
 嬉しいから、ついつい、彼に、何もかもを許してしまっている自分がいる。

 いいのだろうか。
 『DG細胞』という、特殊なもので構成されている、人ならざる自分は
 『人間』であるハヤブサと、本来ならば、深くかかわりすぎてはいけないのだが────

「シュバルツ………」

「う…………」

 ハヤブサの、その優しい微笑みに、シュバルツの方はいたたまれない居心地の悪さを感じる。
 だから──────

「馬鹿。さっさと持ち場に戻れ。仕事をおろそかにするんじゃない」

 つっけんどんな物言いをして、ハヤブサを突き放すことを選択していた。その言葉に、ハヤブサも「そうだな……」と、少し残念そうに、シュバルツから距離を取っていた。
「……………」
 それを見て、シュバルツは少しほっと息を吐く。
 彼のそばにいて、これ以上
 自分の方こそ、平常心を保つことが難しくなりそうだったから─────

 ハヤブサからもたらされる『熱』に、自分がどれだけ煽られているか、揺さぶられているか─────

 彼は気づいているのだろうか?

「では、私は行く。お前も、仕事に励めよ」

「ああ」

 ハヤブサが頷いたのを確認してから、シュバルツは踵を返して、その場を後にしていた。ハヤブサも、しばらく彼が去った方向を名残惜しそうに見ていたが、やがて顔を上げて、姫の護衛の任務へと戻っていっていた。


 そのころ、メアリカン合衆国では。
 ハヤブサから連絡を受けたアーサーが、とある高官と接触をしていた。

「やあやあ、ヒメイネス殿。お元気そうで何より」

「アーサー殿? 何用だ?」

 少し小柄で、小太りなその男は、アーサーの顔を見るなり、少し不快そうに眉を顰める。そんな彼の表情にはお構いなしに、アーサーはずけずけと言葉を続けた。

「何、難しい話ではありませんよ。貴方が連絡を取っていた、シロア国の高官から、『貴方に話を聞くように』と、教えてもらったものですから」

「……………!」

「ユリノスティ王国の周辺の海路の権益について─────と、お話すれば、お分かりになられますかな?」

 少し険しい眼差しで、ヒメイネスを睨みつけるアーサー。すると、ヒメイネスの方が、いきなり無言で踵を返した。そのまま脱兎のごとくその場から逃げ出そうとする。
 しかし。

「逃げても無駄ですよ! ヒメイネス殿!」

 そう叫んだアーサーが手を上げると、四方から武装した兵たちが出現し、そのままヒメイネスを取り囲んでしまう。

「ゆっくり聞かせていただきましょうか……。シロア国と、ヒメイネス殿の間で、一体どんな約束事をされていたのか……。ユリノスティ王国に対して、どんな画策を企てていたのか………」

「ひ………!」

「連れて行け」
 アーサーの言葉に従って、兵たちがヒメイネスを連行していく。その後ろ姿を見ながら、アーサーは、ユリノスティ王国からこの情報をもたらしてくれた、龍の忍者に思いを馳せていた。
(これでいいのだろう? リュウ……。外国からの、敵対勢力の流入は、この件でだいぶ減らせるはずだ……)
 元々、ユリノスティ王国の基盤が揺らげば、それに隣接する大国のシロア国に、何かと有利になる状況が発生する。そして、死したイワンコフが持っていたライターが、シロア国の諜報員が持っている、特殊な仕様の物だった。ハヤブサはそれを、アーサーに伝えたのである。
 腕利きのエージェントでもあるアーサーは、その情報からイワンコフの背後を洗い出し、メアリカン合衆国内でシロア国に内通していた者を、見つけ出すことまで成功していたのである。
 この件は、シロア国をけん制するための、いい材料になることだろう。
(外の勢力を抑えることは任せろ、リュウ……。だから………姫を頼むぞ………)
 アーサーが見上げる先の空には、抜けるような青空が、広がっていた。


「どういうことなのです!? これは!!」

 城内の、とある一室で、王太后の叫び声が響き渡る。昼間なのに日の光が差し込まないその部屋は、常に暗闇に包まれていた。 

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