農家の嫁の日記

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zoom RSS 久しぶりに、小説を書いてみた〜 2

<<   作成日時 : 2018/06/30 14:40   >>

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 久しぶりの小説を書き、完結したのであげておきます。

 ハヤブサさん×シュバルツさんのBL小説です。

 エッチ場面があるんだかないんだか分からないですが、楽しめる方はどうぞ〜〜

 たぶん、R-15ぐらいの内容には、なっているかと思われます。


「ハヤブサ………」

 シュバルツは、しばらく床の上から起き上がることが出来なかった。
 出来ぬままに、顔を覆って、身体を震わせて泣いた。

 哀しかった。
 切なかった。

 あまりにも、孤独に震えるハヤブサの『ココロ』が。
 そんな中でも『愛している』と言い続けていた、ハヤブサの『ココロ』が────

 済まない。
 済まない、ハヤブサ。

 私には、こうするしか────お前に応える術がなかった。
 総てを赦し、曝け出し、受け入れることでしか
 応える術が、もうなかった。

 彼になら、引き裂かれてもいい。
 殺されてもいい。
 
 自分は本気で、そう思っている。

 しかし──

 自分が、そう願う度に、誰かが囁く。

(どうせお前は、死ねないのだろう?)

 そう。
 死なないモノが、いくら命をかけようとしたところで────

 それは結局、ただの欺瞞でしかなかった。

 自分の言葉には、『誠意』が宿らない。
『真実』がない。

 ハヤブサにも、それが伝わってしまっているのだろう。

 魂が無いモノに、いくら愛を囁いても、それは空しく地に墜ちるだけだった。

 それがハヤブサを、孤独へと追いやった。
 きっと酷く、傷つけてしまった。

 済まない、ハヤブサ。
 本当に済まない。

 早く気づいてくれ。
 結局の所、私はお前を、傷つけることしか出来ないのだから─────

「………………」

 シュバルツはのそりと身を起こし、開いたままの座敷牢の扉を、じっと見つめていた。

 この座敷牢は、きっと、ハヤブサの『ココロ』の表れなのだ。
 閉じ込めておきたいのに、そうすることを選ばない、優しい人。
 傷つけられたのに、尚も愛を囁こうとする、優しい人────

(どうすればいいのだろう)

 ハヤブサは、『任務に行く』と、言っていた。ならば、しばらくここに帰ってくることは無いはずだった。

 どうすればいい。
 ハヤブサのために、私は一体どうすれば

(任務……大丈夫だろうか……)

 シュバルツはただ、座敷牢の出入り口をじっと見つめていた。


 それから1週間後。
 里には任務を終えた龍の忍者が、無事、帰還を果たしていた。
 喜びに沸く里の者たち。
 だがそれとは対照的に、ハヤブサはむなしさに襲われていた。

 初めてだ。
 こんなに任務中に、自らの『死』を願ったことは。

 しかし残念ながら、龍の忍者が『死』に至るには、その任務はあまりにも、難易度が低すぎて。

 こうしてまた、おめおめと、里に帰還してきてしまったのだ。

(さすがにシュバルツは、帰ってしまっただろうな……)

 長老に任務の報告をしながら、ハヤブサは半ば泣きそうになってしまっていた。

 やつ当たってしまった。彼に。
 ひとえに、自分の『弱さ』が原因であるが故に。

 彼が、懸命に自分のことを思いやり、手を伸ばしてきてくれていたのは明白だった。
 彼は、彼が出来る最大限の『誠意』を、自分に向けてくれてきていた。

 それを、受け止められなかったのは自分だ。
 子どものように、勝手に傷ついて、孤独に陥り、理不尽に彼を傷つけてしまったのは、他ならぬ自分なのだ。
 そんな自分がどうして────彼に『側にいて欲しい』などと、望む権利がある、と言うのだろう。

 最悪だ。
 愛する人を、きちんと愛することが出来ない自分であるならば。
 生きている意味などありはしない。
 自分など死んでしまった方が、よほど、愛する人を幸せに出来るのでは無いかとさえ、思ってしまう。

(きっと、いない)

 出来れば、そこに向かいたくない。
 だけど、確認だけはしなければ、と、ハヤブサは己を奮い立たせて、シュバルツを軟禁した座敷牢のある屋敷へと向かった。

 きっと、シュバルツはいない。
 いるわけがない。
 いたらおかしい。

 そう考えながら、座敷牢のある部屋へと降りたって────

「………………!」

 虚しく空になっている、出入り口の開いた座敷牢を見つめる事となった。
 がっくりと膝をついて────ハヤブサはそんな自分に、思わず苦笑してしまう。

 この期に及んで何を
 何を期待していたのだろう、自分は。

 シュバルツは、帰ってしまったんだ。
 いいんだ。
 それが正常だ。
 あれだけ踏みにじってしまったんだ。
 それで、まだのうのうとここに居たら、それこそシュバルツの『正気』を疑わなければならない。

(どうやって死のうか……)

 膝の上で拳を握りしめながら、ハヤブサが漠然とそんなことを考えていたとき────『その声』は、突然にハヤブサの耳朶を打った。

「あれ? ハヤブサ、帰ってきてたのか」

「─────!」

 驚いてハヤブサが顔を上げると、ちょうどシュバルツが、座敷牢の壁を抜けて、中に入ってきているところだった。

「済まないな。田悟作さんの家の者が、夜番に当たっていて、母親の方も、寄り合いに行かなければならないとか何とかで────そこの家の子守を引き受けていたんだ」

「え…………」

「母親が帰ってきたから、お暇しようとしたのだがな……。なんだかんだと引き止められてしまって……」

「………………」

「やっと今、帰ってこれたんだ……。あれ? もしかして、私がここに居なかった方がよかったか?」

 呆然と目を見開いたまま固まってしまったハヤブサを、シュバルツが心配そうにのぞき込んでくる。

「い………いや………」

 ハヤブサは慌てて頭を振った。おずおずと見上げると、シュバルツはほっとしたように微笑んでいた。

「そうか……。よかった……」

「シュバルツ……」

「かなり悩んだんだが、やっぱり、お前の顔を見てから帰ろうと思ったんだ。その方が………あ!」

 ここでいきなりハヤブサに抱きしめられるから、シュバルツの言葉は止まることとなってしまった。

「シュバルツ……! シュバルツ……!」

「ハヤブサ………」

 シュバルツは、震えるハヤブサの背中を、優しく撫でる。

「済まない……! 俺はお前に、酷いことをしたのに………!」

「私なら平気だ。謝る必要なんてないよ」

 優しい言葉に、しかし、ハヤブサは頭を振った。

 優しすぎる。お前は。
 踏みにじることすら、平気で許してくれるヒト。

 そんなお前だからこそ、俺は────

 大切に、愛さなければならなかったのに………!

「シュバルツ………」

 そっと呼びかけて、唇を求めると、愛おしいヒトも、優しく応えてくれた。
 そのまま2人とも、甘やかな口付けに没頭する。

「……………」

 気がつくとシュバルツは、ハヤブサによって、座敷牢に設えられた褥の中に押し倒されていた。

「あ…………!」

 少し驚いたように瞳を見開くシュバルツの上に、ハヤブサが覆い被さってきた。

「任務から帰ってきたばかりじゃないのか? 少し、休んだ方が……」

 こちらを案ずるようなシュバルツの言葉に、ハヤブサは優しく微笑みかけた。

「案ずるな。優しくゆっくり抱いてやるから……」

「……………!」

「まずはお前に、触れさせてくれ………」

「お……お手柔らかに……」

 腹の下で可愛らしく恥じらう愛おしいヒト。
 それを見たハヤブサは、ニコッと微笑んだ。

(無理だな)

 こんなに可愛らしくて愛おしいヒト────徹底的に乱れさせる以外、選択肢が無いじゃないか。

 愛している。
 これからも、愛し続ける。
 どのようになろうとも、これから先ずっとだ。

「あ…………!」

 衣服を少しずつ乱されながら、ハヤブサに優しく触れられる。
 甘やかな嬌声を上げながら、シュバルツもまた、決意していた。

 愛している。
 愛している、ハヤブサ。

 どのようになろうとも、私は自分から、お前と離れるつもりは無いから。
 お前が必要とする限り、私は側に居続けるから────

 座敷牢の中に、シュバルツの喘ぎ乱れる声が響く。
 里の夜はまだ────深まっていくばかりであった。








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