農家の嫁の日記

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zoom RSS されど、龍は手を伸ばす。 135 ――無双OROCHI異聞録―――

<<   作成日時 : 2014/11/14 15:37   >>

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「ハヤブサ? 大丈夫かい?」
「―――――!」
 ねねに声を掛けられて、ハヤブサははっと我に帰る。
「ああ………」
 軽く答えて茶をすすった。その様子にねねは苦笑すると、一つ息を吐いてハヤブサから離れた。
「とにかくゆっくり食べて、良く休むんだよ? 食器はそのまま置いておいてくれたら、また下げに来るから――――」
「ありがとう」
 そう言って軽く頭を下げるハヤブサにねねも笑顔を返すと、そのまま幕舎から出て行った。「無理するなよ」と、言い置いて、武蔵もその後に続いて出て行く。
「……………」
 独り残されたハヤブサは、また、茶から立ち上る湯気をじっと眺めていた。

「……ハヤブサ、ちゃんと休むかねぇ」
 ねねが、後ろからついて来ている武蔵に言うともなしに呟く。それに対して武蔵は「さあな」と肩をすくめた。
(ありゃあ「休め」と言った所で、休むような雰囲気ではないな……。さっき茶を黙って見つめていた時も、思い詰めると言うよりは、何かに集中していたような感じだった……。まあ、だからこそ一流の『剣士』たりえるのだろうが……な)
 『強さ』は、本人の資質だけでどうにかなる物ではない。強いと言われる人たちは皆、常人の何十倍もの努力をして、力と資質を磨き上げているものなのだ。
(俺も負けてらんねぇな……。修業しないと――――)
 武蔵は大きく息を吐いて前を向くと、愛刀を片手に歩きだしていた。

(イメージ……。確かに、俺はイメージしているな……。素戔鳴と戦う時のイメージを……)
 幕舎の中でハヤブサは、茶の湯気を見つめながら、イメージを始める。描く相手は、あの素戔鳴の姿だ。

 あの剣がどう動くか。
 雷撃がどう走るか。
 攻撃のモーションは。
 それをどうかわすか。
 受けるか。
 何処で踏み込むか。

 イメージしろ。
 可能な限り。
 イメージ
 そして、集中―――――

「…………」

 ハヤブサは湯飲みを傍らに置くと、また木刀を握りなおして左手一本で素振りを始めた。刀を振る時に一番重要なのは左手の動きだ。その基本動作を何度も確認するように、ハヤブサは木刀を振り抜く。

 まっていろ、素戔鳴。
 今度こそ、お前を倒す。
 そしてシュバルツ
 今度こそ――――お前を、守り抜いてみせる!

 幕舎の中を、木刀の空を裂く音が何度も響き渡る。ハヤブサの身体からはまた、汗が滴り落ち始めていた。


 巫女かぐやは辟易していた。
 とにかく太公望からは次から次へと術の要求が来る。しかも、飛ばす時間軸も戦場もバラバラと来ているものだから、彼女自身目が回りそうになっているのだ。
「だ、大丈夫? かぐちん!」
 そんな彼女の横で、甲斐姫が心配そうにしていた。
「お水を持って来たよ! とにかく飲んで、一息入れて?」
 そう言いながら甲斐姫は、かぐやに向かってコップに入った水を差し出す。
「ありがとうございます。甲斐様……」
 かぐやは甲斐姫からコップを受け取ると、こくこくと水を飲み干した。いつもしとやかな彼女からしたら勢いが良すぎるほどの飲み方なのだが、水一杯も飲みかねるほど、彼女は休む間もなく術を発動させ続けていた。
「助かりましたわ、甲斐様。ありがとうございます」
「甲斐『様』なんて呼び方は止めてよ。甲斐『ちん』で良いって言っているのに」
 そう言って笑う甲斐姫の表情に、哀しげな陰りがあるから、かぐやも瞳を曇らせてしまう。
「甲斐様……大丈夫ですか? 戦から帰ったばかりなのですから、少し、お休みになられた方が――――」
「ううん、大丈夫だよ。私はどこか怪我をしている訳でもないから――――」

 そう。
 私は守られていた。
 いつだって
 何時だって―――――

 だから

「それよりも、かぐちんの事手伝わせて。あんまり役に立たないかもしれないけど、何かしていた方が落ち着くから――――」
「甲斐様……」
 あまりにも哀しげな微笑みを浮かべる友人に、かぐやもさすがに心配になる。そろり、と、かぐやから彼女に伸ばされる手。だが、それが届く前に、またも太公望から呼び出しがかかった。
「かぐや!! 何をしている!! 次の術の準備だ!!」
「は、はい! ただいま参ります!」
 かぐやは太公望にそう返事をすると「それでは甲斐様、また後で」と、言い置いてそこから走り去って行った。

「かぐや、待ちかねたぞ」
 かぐやが太公望の元に行くと、次の戦場に行くであろう武将たちが、もうそこで待っていた。
「申し訳ございません。すぐ、準備いたします」
 かぐやがそう言って術の準備をしている横で、太公望がそこで待機している徐晃と張遼に何事かを耳打ちしている。どうやら、次の戦場でやっておいて欲しい事の確認の様だった。
「承知いたした。この張遼、そのお役目を果たして御覧にいれる」
「徐公明、確かに承った!」
「うむ、頼んだぞ」
 二人は太公望に頷いてから、かぐやの方へ歩み寄ってくる。
「では、御二方とも、思い浮かべられませ。貴方方が向かうべき戦場を――――」
 二人の武将を光陣へと招き入れたかぐやは、時渡りの術を発動させる。また、今回も滞りなく術をかけられた事に、かぐやはホッと息を吐いた。
「かぐや、大丈夫か?」
 そんな彼女に女媧が声をかけてきた。
「頻繁に術を発動させすぎだ。少し、休んだ方が――――」

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