農家の嫁の日記

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zoom RSS されど、龍は手を伸ばす。 180 ――無双OROCHI異聞録―――

<<   作成日時 : 2015/01/18 12:54   >>

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「何って……この作戦の成功を」
「いや――――俺が聞きたいのはそうじゃなくて!!」

「いたぞ!!」

 仙界軍の兵士の声が響くと同時に、大量の矢が飛んでくる。
「―――――ッ!」
 ハヤブサは龍剣を振るってその矢を叩き落とし、シュバルツがその後ろでひょいひょいと矢を避けた。
「シュバルツ!! 分かっているのか!?」
 矢を叩き落としながらハヤブサが叫んだ。
「この矢が掠めただけで、お前は死ぬんだぞ!?」

「……そう、らしいな」

 ひょい、ひょい、と、矢を避けながら、シュバルツは懐から短刀を取り出す。そして何を思ったのか――――いきなり自分の左手を、自身の腕から斬り落とした。
「――――!?」
 ギョッと、目を剝くハヤブサを尻目に、シュバルツは素戔鳴に向かって切り落とした左手を、ポーン、と、投げつける。

「刎(ふん)ッ!!」

 素戔鳴は目の前に飛んできた『異物』に対して容赦なく天叢雲を一閃させた。シュバルツの左手は、あっという間に粉みじんにされて、跡形も無く消し飛んでしまう。

「ああなるほど。確かに、これは私が戦っちゃいけない案件の人だ」

 そうのんきに言っているシュバルツの左腕から、また左手がズボッと音を立てて『生えて』来ていた。
「なッ……! か……ッ! シュバルツ……ッ! おま……!」
「ほらほら、ハヤブサ。よそ見をしている暇はあるのか?」
「―――――ッ!」
 振り向いたハヤブサに襲いかかってくる、大量の矢。

「死ねい!!」

 更にこちらに向かって牙を剝く、素戔鳴からの雷撃。

「シュバルツ!!」

 龍の忍者は咄嗟に、シュバルツを抱きかかえて跳んだ。雷撃をかわす。だが、矢をすべて避け切ることは出来なかった。一つの矢がその身に刺さってしまう。
「ぐっ!!」
「ハヤブサ!!」

 ザンッ!! と、音を立てて茂みに飛び込む。そのまま忍者たちは、身を低くしてそこから走りだす。

「何処へ行った!?」
「探せ!!」

 仙界軍の兵士たちの怒声が背後に聞こえる。
 忍者たちは一時的に、仙界軍の猛攻から逃れることに成功していた。


 周囲の安全を確認してから、ハヤブサは身に刺さった矢を抜く。抜く時の痛みで、ハヤブサは低く呻いた。
「クッ……!」
「ハヤブサ……。大丈夫か?」
「シュバルツ……! お前なぁ……!」
 とにかくシュバルツに対して言いたい事が沢山あった。だからハヤブサは、怒鳴りつけてやろうと口を開ける。だが、そうやって口を開けた瞬間、シュバルツに何かを口にガボッ! と、押し込まれて、ハヤブサは口がきけなくなってしまう。
「……………」
 押し込まれた物は、どうやら食べ物の様だった。口の中いっぱいに、甘い香りが広がる。龍の忍者はシュバルツを怒鳴りつけるために、口の中のそれを平らげることにした。シャクシャクと音を立てて、それがハヤブサの体内に吸収されていく。
「旨いか?」
 聞いてくるシュバルツに、ハヤブサはとりあえず素直に頷いた。
「いや、旨いが――――そうじゃなくて!!」
「ああ、やっぱり――――傷が治って来ているぞ?」
「…………!」
 そう――――食べさせられたのは『仙桃』であるが故に、ハヤブサの傷を癒したのだ。
「すごい効き目だな……。持って来て良かった。薬効成分があるとは知っていたが、自分の体ではその効果が分からなくてな。私は『人間』ではないし、自分の身体はすぐ治ってしまう代物だし――――」
「お、お前……まさか、それは……例の――――」
 感心したようにハヤブサの傷を見つめているシュバルツに、ハヤブサは己が身体の震えを止める事が出来ない。
「ああ。村の『仙桃』だぞ? よく分かったな」
「分からいでか!!」
 しれっと返すシュバルツに、ハヤブサは思わず怒鳴りつけてしまっていた。
「お前!! この『仙桃』は、この騒動の最大の元凶だぞ!! そんな物をお前が素戔鳴の前で持ち出したりしたら――――!!」
「最大級に『挑発』出来そうだな……。村人に怪我人が出たらいけないと思って、持って来たのだが――――」

「……吾が、どうしたって?」

「―――――!!」
 その声に忍者二人が驚いて振り向くと、彼らの視線の先に、バチバチと帯電している素戔鳴の姿が飛び込んでくる。素戔鳴の怒りが凄まじすぎて、それが表に放電現象として現れてしまっているのだ。
「…………!」
 ピク、と、顔をひきつらせるしかないハヤブサの横で、シュバルツが尚も懐から、巨大な袋を取り出した。
「まだ沢山あるぞ? ハヤブサ。何せ村人たちにどれだけ怪我人が出るか分からなかったから、ストックだけは常にたくさん用意しておくようにしておいたんだ」
 そう言って、シュバルツは「サンタの袋か!!」と、突っ込みを入れたくなるような袋を、ハヤブサと素戔鳴の目の前にドン! と、置く。中には文字通り『大量』の仙桃があったから――――
「な………! な………! な………!」
 素戔鳴の頬がぴくぴく、と、震え、龍の忍者は言うべき言葉を失ってしまう。
 お前今までどうやってそれを持っていたんだ! と、突っ込みを入れる暇すらなく。

「死ね――――――い!!」

 裂帛の叫びと共に放たれる素戔鳴の雷撃から、また忍者二人は必死になって逃げなければならなくなった。

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