農家の嫁の日記

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zoom RSS されど、龍は手を伸ばす。 183 ――無双OROCHI異聞録―――

<<   作成日時 : 2015/01/21 17:00   >>

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「おのれっ!! ふざけるなッ!!」

 素戔鳴は怒鳴りながら雷撃を放つ。腹立たしい思いでいっぱいだった。
 前を逃げる忍者二人は、決して真面目に戦っている風ではない。特に、黒の忍者の前を逃げる黒髪の男は、抜刀すらしていない。なのに、こちらの攻撃が一向に当たらないとはどういうことだ。ふざけるにも程がある。こちらを舐めているのか――――!?

 完全に頭に血が上ってしまった素戔鳴は、それ故に、気づくことができなかった。自分達が今、『罠』に嵌められている、ということに。

 まずそれは、狭い山間の道に入った時に起きた。
 パラパラ……と、礫が落ちて来たかと思うと、ドドドドッ!! と地響きを上げて、大量の巨大な岩が転がり落ちてくる。
「素戔鳴様!!」
 部下の叫びにはっと気が付いた時には既に遅く――――何人かの兵がその岩に跳ね飛ばされていた。それと同時に頭上から取り囲むように響き渡る、銅鑼の音と鬨の声。
「――――!」
 ばっと顔を上げる素戔鳴の視界に、劉備軍の旗が飛び込んできた。その中心に、白馬に乗り『竜胆』という槍を構えた黒髪の長髪の青年が、こちらを見下ろしている。
「討て―――――ッ!!」
 青年の号令と共に、無数の矢が頭上から襲いかかってきた。
「クッ……! 走れっ!! 走れ――――ッ!!」
 素戔鳴は隊を前に走らせて、何とかその山間の道から脱出した。

「おのれ……! 奴らは何処へ行った……?」

 何とか岩と矢の嵐から逃げ切り、肩で息をする素戔鳴の視界の端に、森へと逃げて行く忍者たちの後ろ姿が映る。
「おのれッ!! 逃がすものか!!」
 激昂する素戔鳴はその姿を見るや、なりふり構わず後を追いかけだす。
「す、素戔鳴様!!」
 兵たちも慌ててその後に続いた。

「……奴らは何処へ逃げた?」

 薄暗い森の中、素戔鳴は忍者たちの姿を見失ってしまう。――――と、そこに、ピシュン! と、音を立てて飛んでくる、一本の火矢。
「――――!?」
 それが小さく盛り上げられた黒い砂の山に、命中した刹那。そこから四方に向けて――――火の柱が走った。
「むっ!! いかん!! 火計だ!! 退け――――ッ!!」
 素戔鳴が気付いた時には既に遅く、あっという間に木々に火は燃えうつり、火の海に囲まれてしまう。更にそこでも、混乱を助長するかのように周りから響いてくる銅鑼の音と鬨の声。
「う、うわあっ!!」
「た、助けてくれ〜!!」
 兵達の悲鳴が交錯する。流石の素戔鳴軍も、炎の中、ただ混乱して逃げ惑うしか無かった。

「ぬうっ!! 小賢しい!!」

 ブオン!! と、唸りを上げて素戔鳴から振り下ろされた天叢雲が、木々をなぎ倒し、炎の中に脱出路を作り上げる。
「皆の者!! こちらだ!! ついて参れ!!」
 素戔鳴に導かれて、兵達は何とか炎の海から脱出した。

 ほうほうの体で炎の海から逃れた素戔鳴軍の前に、小さな小川が現れる。
「応、丁度よい。皆の者、この川の水で火傷を癒せ!」
 この小さなせせらぎに、兵士たちもほっと息を吐き、やれやれと流れの中に入った。
 そして水浴びを始めた瞬間―――――

 ゴゴゴゴゴ……

 地を這う様な不吉な音に振り向く素戔鳴の視界に、鉄砲水が押し寄せてくる。
「な―――――!!」
 素戔鳴は慌てて川から上がる。だが、逃げ遅れた兵士たちが、あっという間にその鉄砲水に呑まれて行ってしまった。
「ぬ、ぬう………ッ!」
 またたく間に大半の兵士たちを失った事実に、素戔鳴は唇を噛みしめるしかない。と、そこに追い打ちをかけるように、鬨の声が響き渡ってくる。

「さあ! 野郎ども!! かかれぇ―――――ッ!!」

 張飛の号令以下、劉備軍が一斉に素戔鳴軍に襲いかかって行く。この光景を見た瞬間、素戔鳴の目の色が―――――変わった。

「おのれッ!! 人間風情がっ!!」

 ドォンッ!!


 素戔鳴の身体から、凄まじい程の闘気が爆発的に膨れ上がって行く。その闘気は空に雲を呼び、雷を呼んだ。激しい雷鳴がとどろく中、素戔鳴の咆哮が響き渡る。その様は、まさに神の雄叫び――――であった。

「へっ! 面白ぇッ!!」

 だが張飛も負けてはいない。素戔鳴の人間離れした咆哮を聞いても、臆するどころか喜々として突っ込んで行く。
「我こそは燕人(えんひと)張飛!! 素戔鳴とやら!! 勝負だあああッ!!」

 ガンッ!!


 素戔鳴の天叢雲と、張飛の蛇矛が真っ向からぶつかり合う。その衝撃で空気が裂け、土埃が舞い上がった。鬼気迫る合の打ち合いが、何合か続く。だがすぐに、素戔鳴の方に軍配が上がった。
「刎ッ!!」
 天叢雲から放たれた雷の力が、張飛を弾き飛ばす。
「ぐわっ!!」
「張飛殿!!」
 張飛の軍に追いついて来た趙雲が、張飛を案ずるように声を上げる。
「素戔鳴!! 今度は私の番だ!!」
 若き青龍の志士が、竜胆を構える。
「我が名は趙子龍!! 素戔鳴!! 我が槍を受けてみよ!!」

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