農家の嫁の日記

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zoom RSS ただひたすらに、君を想う。 34

<<   作成日時 : 2015/08/01 14:22   >>

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 そのままぽろぽろと、大粒の涙を零し続けるハヤブサ。
「そうか………」
 シュバルツは、それ以外に言うべき言葉が無かった。
 ハヤブサがハヤテへの気持ちを大事にしたいと言うのなら、自分は、それに口を出す権利など無い。その気持ちを、尊重するだけだった。
 彼は、大量に血が流れない道を選んだのだ。
 ある意味、ハヤブサらしいと思った。
 彼は元々人斬りなど好まぬ、心優しい性格であるのだから。
 それにしても――――

 シュバルツの『ココロ』は、軋み続ける。
 自分は結局、ハヤブサに『振られた』ことに、なるのだろうか。

(でも、それで良いんだ)

 シュバルツは懸命に、無理やりにでも自分にそう言い聞かせ続けた。
 やっと、彼をDG細胞の脅威から、闇から、解放する事が出来たのだから。
 ハヤブサは、ハヤテに愛されて、幸せになることができるだろう。
 幸せになって欲しい――――
 そう、願う。

「分かった……」

 シュバルツの面に、笑みが浮かぶ。
 だがハヤブサには、それが泣いている表情であると分かった。
 酷く傷ついているのに。
 泣き叫んでいるのに。
 こちらに心配かけさせまいと、無理やりにでも面に笑みを浮かべる事が出来る。

 そんな表情をさせたくなくて
 そんな彼を抱きしめたくて
 自分は、彼の手を取ったと言うのに――――

 結局自分もまた、彼にそんな表情をさせてしまう事になった。

 どうして
 何故――――
 何をやっているのだろう、俺は。

 シュバルツ
 シュバルツ

 今すぐにでも、抱きしめたいのに――――

 それは、許されざる事だとハヤブサは悟っていた。
 もう、この手は、彼に触れる事が出来ない。
 自分は、『ハヤテと生きる』と、そう決めてしまったのだから。

「泣くな……」

 優しく、声をかけられる。
 それにハヤブサは、頭をふった。

 無理だ。シュバルツ。
 この涙を止める方法なんて―――――

 俺は、知らない。

「ハヤブサ……。幸せに、なってくれ……」

「……………!」
 ハヤブサは、瞬間目を見開いた後、「ああ」と、頷いた。
 その時、ハヤブサの面には、穏やかな微笑が浮かんでいた。

(『幸せ』になることなど無理だ)

 ハヤブサは思う。
 自分の『幸せ』は―――――シュバルツ、お前と共に在ることでしかないのに。
 自分の心はもう、闇に沈んで行くしかないのだと言う事を、ハヤブサは知っていた。
 それでも、シュバルツに対して微笑みかける事が出来たのは、彼に心配をかけさせたくない一心であった。自分に対して、彼に未練を残させたくない一心であった。

 済まない、シュバルツ。
 俺は、お前の手を取り続けるつもりでいたのに。
 お前と一生、添い遂げるつもりでいたのに――――

 俺は、お前を裏切ったんだ。
 お前の手を振り払い、別の男の手を取ったんだ。

 お前の方こそ、こんな薄情な男の事など早く忘れて―――――
 どうか、幸せになってくれ。

「ハヤブサ……」

 ハヤブサがあまりにも綺麗に笑うから、シュバルツの心もまた、かき乱された。
 自分が、彼をどれだけ好きか。
 自分が、彼にどれだけ支えられてきたか―――――
 嫌でも、突きつけられてしまう。

 涙が、堪えられなかった。
 想いが、溢れた。

 済まない、ハヤブサ。
 これが最後だから―――――

「ハヤブサ……ッ!」

 自身の中の愛おしさが命じるままに、彼は行動していた。
 シュバルツはハヤブサの懐に飛び込むと、その唇を奪っていた。
「んう………! ん………!」
 瞬間驚いて、固まるハヤブサだが―――――すぐに目を閉じて、それを受け入れていた。
 シュバルツが挿し入れてくる舌を絡め取り、夢中で吸い合う。

 ああ
 やはり
 誰よりも愛おしい、大切なヒト。

 そのキスは、涙の味がした。

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