農家の嫁の日記

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災害で亡くなられた方、被災された方に哀悼の意を捧げるとともに、心よりのお見舞いを申し上げます。
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zoom RSS 龍と剣と、その拳と 27

<<   作成日時 : 2015/09/27 00:18   >>

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(しかし……この石に覆われた龍剣を、どうやって取り出せばいいのか……)
 ハヤブサがそう思案していた、まさにその時。

「ハヤブサ!!」

 男の声がしたかと思うと、いきなり自分の身体が抱きかかえられ、強引に飛ばれた。
「―――――!?」
 それと同時に、自分たちが居た場所が、ドコォッ!! と、音を立てて穿たれる。
「な…………!」
 茫然としている自分の顔を、男が覗き込んできた。
「怪我は無いか?」
「よ、余計な御世話だ!! 離せっ!!」
 はっと我に帰ったハヤブサが軽く足掻くと、男はあっさり彼の身体を解放していた。

「………どうやら、『守護者』がお出ましの様だな……」

「―――――!」
 男の言葉にハヤブサが顔を上げると、あわく光を放つ『石』の上に、仁王の様な恰好をした者が姿を現していた。身体全体が白い光に包まれ、筋肉質な両の腕には、二振りの大剣が握られていた。
 その者は無表情のままにふわりと音も無く地面に降り立つと、こちらを睨み据えて来た。
(龍剣を欲する者は誰だ?)
 まるで、そう問いかけるかのように。
「……………!」
 ハヤブサがそれに応えるかのように剣を構えようとすると、男がスッとその傍を離れた。
「…………?」
 窺うように男の方をハヤブサが見ると、男は言った。

「これは、君が戦うべきだ」

「―――――!」
「これは、君の戦いだ。………そうだろう?」
(確かにそうだ)
 男の言葉に、ハヤブサも一応納得する。龍剣を手に入れるために、ここに来たのは自分だ。だからこれは、自分が挑むべき戦いである事、ハヤブサも十分承知している。
 しかし――――
 ハヤブサは守護者に向かって刀を構えながら、男の方にもちらりと視線を走らせる。
 自分があの守護者と戦っている間、男の方から邪魔が入らないか―――――という懸念故であった。
 その視線の意味に気付いた男の方が、やれやれと肩をすくめる。
「ハヤブサ……。心配せずとも、私はお前の邪魔をしたりはしない」
「本当か?」
 眉をひそめるハヤブサに、男は小さくため息を吐いて答えた。
「言った筈だ。私は君と争う気はないし、ここから出たいのだと。そして、ここから出るためには、君が龍剣を手に入れてくれないと困るんだ」
「困る?」
 怪訝な顔をするハヤブサに、男は更に言葉を続けた。
「これは私の推測だが………君が龍剣を手に入れれば、この閉じられた空間も開いて、外に出られるようになるのではないのか?」
「…………!」
「何時までも二人で、ここに閉じこもっている訳にはいかないだろう。ここから出て―――――互いの目的を果たさなければ」
「『目的』……貴様の『目的』は、何だ?」
 『龍剣を手に入れる』と言う、自分の目的は明白だ。しかし――――里を襲って来た筈のこの男の『目的』がいまいち見えて来なくて、ハヤブサは少し困惑する。しかし、そんなハヤブサを、男は突き放すように言った。

「私の目的など――――君には関係ない事だろう」

「関係ないだと!? 里を襲っておいて――――!!」
 色めき立つハヤブサに、男はまたもやれやれと肩をすくめた。
「……分かった。ならば、こうしよう。君が龍剣を手に入れたら、私も君に我が『目的』を話す」
「本当か?」
 問うハヤブサに、男は頷いた。
「ああ。私は君に、嘘はつかないよ」
「…………!」
(およそ、『忍者』らしからぬ奴だな………)
 ハヤブサは男の言葉を聞きながら、強くそう思った。忍者の本質は危道。だましだまされるのが常であると言うのに。
「嘘をつかない」と言った男のこの言葉は、果たしてどこまで信じられるものなのだろうか。
(頭からこの男を信じるのは危険かもしれない……。だが………)
 ハヤブサは、自分から少し離れた所で、丸腰で佇んでいる男を見る。
 今のところこの男の行動は一貫している。この男は本当に―――――自分に龍剣を手に入れさせようとしている事だけは、どうやら間違いが無い様だ。

 ならば

 ハヤブサは、剣を改めて構える。
 自分は、龍剣を手に入れるまでだ。そうすれば―――――男の『本心』も、見えてくる物があるだろう。

「いざ参る」

 少年ハヤブサは、『守護者』に向かって正眼を向けていた。


「第3章」


 東京の街の一角で、黒い影達とシャッフルの紋章を持つ者たちとの戦いが、未だ続けられていた。彼らの拳が、剣が、振るわれるたびに、影達は細かい粒子となって四散して消えて行った。
「一体いつまでこんな事を続ければいいんだ!?」
 目にもとまらぬ連続パンチを繰り出しながら、チボデー・クロケットが叫ぶ。
「次から次へと―――――倒しても、きりがないぜ!!」
「泣きごとなど聞きませんよ、チボデー・クロケット」
 フェンシングの剣を激しく振るいながら、ジョルジュ・ド・サンドが口を開く。
「この影達が居なくなるまで、戦うまでです。それが人々のため――――如いては、マリアルイゼ様のためです!」
「はっ! お前は二言目にはそれだな!」
 この気真面目な騎士道を貫くフランス人青年に、チボデーは半ば呆れたようにため息を吐く。
「姫様のため、姫様のため―――――って、お前はそれで恥ずかしくないのかねぇ?」

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