農家の嫁の日記

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当ブログでも発表している『キョウジ兄さんに捧げる物語』を小説同人誌にしました。手作り感満載ですが、興味ある方はどうぞ〜

災害で亡くなられた方、被災された方に哀悼の意を捧げるとともに、心よりのお見舞いを申し上げます。
がんばれ日本!!

zoom RSS 龍と剣と、その拳と 40

<<   作成日時 : 2015/10/21 15:08   >>

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「―――――!!」
 当然キョウジは武器を作るのに集中していて気付く筈もない。助けるために手を伸ばそうとして、それが間に合わないと東方不敗は気付いてしまう。

「キョウジ!!」

 絶望に染まる叫び。その瞬間、キョウジの身体がフッと動く。彼がそこから横に転がった瞬間、彼の元居た場所に鎖鎌がドカッと音を立てて突き刺さっていた。素早く起き上がり、体勢を立て直したキョウジの手には、狙撃用のライフル銃が。
 東方不敗の影から転がり出たキョウジに向かって、一体の影が斬りかかっていく。

 タア―――――ン!

 間髪入れず、乾いた銃声が響き渡る。キョウジの放った弾丸は、斬りかかろうとして来たモンスターの眉間を過たず打ち抜いていた。打ち抜かれたモンスターは、身体をのけ反らせながら、細かい粒子となって四散して行く。

「効いた!!」

 自分の武器選択が正しかった事が証明されたキョウジから、安堵の色が混じった叫び声が上がる。それを見た東方不敗も、「うむ、見事!」と、唸り声を上げていた。
「キョウジよ。その銃と先程持っていた銃――――一体、何が違うのじゃ?」
 東方不敗は再びキョウジを守る体勢を立て直しながら、彼に問いかけてくる。
「発射できる『弾』の種類が違います。広範囲に小さな威力で当たるか、小さな範囲に1点集中で強力な威力を伴って当てるか―――――ただ、それだけです」
 キョウジはそう答えながら、再びライフル銃を構えた。
「だけど、これはあくまで『狙撃』に特化した銃で―――――近接戦闘には向いていないんですけど……ね!」
 タン! と、再び乾いた音をたてた銃は、それでも確実にもう一体のモンスターを葬り去っていた。
(ほう……。やはり、なかなかの腕じゃな……)
 キョウジの銃の腕を見た東方不敗は、心の中で素直に賛辞を送る。やはりこの男の『戦いのセンス』は、悪くない。
「ドモンが来るまで、後3分弱じゃな!」
 東方不敗はそう言って顔を上げる。
「よしっ! キョウジよ!! しのぎ切るぞ!! 援護は任せた!! 好きに撃てい!!」
「はい!!」
 キョウジの返事に、東方不敗は満足そうに頷くと、再び影達との戦いに身を投じていた。それを見ながらキョウジは、フ―――――ッと大きく息を吐くと、ライフルを手に周りの戦況を見渡していた。
 先程の狙撃で2体倒していたが、また4体増えて、6対2の状況になっている。
(影の増えるスピードが………上がってきているな………)
 それだけ『邪神』の方が、ここを攻略する事に、力を入れて来ていると言う事なるのだろう。
「ダークネス・フィンガ―――――ッ!!」
 自分のすぐ近くで戦っている東方不敗。その背中越しに、彼はこの場にいるモンスターたちと、その動きを把握する事に努める。
(射撃のコツは、体幹と呼吸だ)
 脳裏に、ハヤブサの声が浮かぶ。ハヤブサは、自分に戦いの稽古をつける時に、折に触れ、射撃も教えてくれていた。彼自身、弓の名手でもあったからだ。

「戦いで、どんなに呼吸が乱れていても、狙いをつける時は、それを落ちつける。いや、止めるぐらいでも良い――――」

 射撃に必要なのは、敵に囲まれても動じない冷静さ。そして、銃を構え続けていても、ぶれない体幹の強さ。だから体幹を鍛えろ、と、ハヤブサによく言われたものだ。

「そして、戦場全体を見渡す目だ。狙撃は、近くの敵を片っ端から撃つ事がいいとは限らない。最も効果的なポイントを攻撃してこそ、狙撃はその威力を発揮するんだ。尤も……お前なら、説明しなくても分かっていると思うがな……」

(ハヤブサ……)
 キョウジは頭の中で、ハヤブサの教えを反芻する。
 まだまだ、こんな風にハヤブサから教えを請いたい。
 話がしたい。
 だから、死なないでくれ、ハヤブサ。
 こんな『邪神』なんかに、負けないでくれ。

 敵の、味方の動きを読め。
 戦場の、空気を読め。
 そうすれば、撃つべき敵は、おのずと見えてくる筈だ。

 そして見えた時は迷わず

 引き金(トリガー)を引け。

 タァ――――ン!!

 銃声と共に、また屠られる敵。影達は少し怯み、東方不敗の攻撃は、俄然勢いを増した。
「フハハハハ!! さあ!! かかって来んか!! 雑魚共ォ!!」
 喜々として戦いに向かって行く老人。その後ろで、キョウジは撃つべき次の敵を模索する。
(しのげるか……?)
 一体葬ったのに、また二体増えている。数的不利な状況に変わりはない。
「うおおおおおっ!!」
 数体を相手取り、戦い続ける東方不敗。キョウジは、その援護に専念する。二人とも次々と敵を仕留めるのだが、仕留められるのと同じか、それ以上のスピードで敵も増殖していた。倒しても倒してもきりがない状況とは、まさにこのことだ。
(数に押される……! このままでは……!)
 キョウジはギリ、と、歯を食いしばった。
 だが、弱音を吐く訳にも、逃げ出すわけにもいかない。ドモンが来てくれるまでおそらく後少し。何が何でも、しのぎ切らなければ―――――
「――――!」
 『ハヤブサもどき』の刀が、東方不敗の肩を掠める。
「マスター!!」
「案ずるなキョウジよ!! こんな物はかすり傷じゃ!!」
 滴る血を拭うこともせず、東方不敗は構えをとった。
「この程度で!! このワシを倒せるなどと思うなよ!!」
 老人の『闘気』が、さらに膨れ上がっていく。この人は――――一体どこまで強くなると言うのだろう。
(負けてはいられない。私も)
 東方不敗とは対照的に、キョウジは氷の様な冷静さをその面に宿らせていた。
 心乱されていては、狙撃が出来ない。
 集中――――――

 集中しなければ

「…………」
 次に打つべき敵に狙いをキョウジが定めた時―――――おもむろに部屋のドアが、バン!! と、乱暴に開けられた。

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