農家の嫁の日記

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当ブログでも発表している『キョウジ兄さんに捧げる物語』を小説同人誌にしました。手作り感満載ですが、興味ある方はどうぞ〜

災害で亡くなられた方、被災された方に哀悼の意を捧げるとともに、心よりのお見舞いを申し上げます。
がんばれ日本!!

zoom RSS 龍と剣と、その拳と 41

<<   作成日時 : 2015/10/23 11:56   >>

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「兄さんッ!!」
 息せき切って部屋に掛け込んで来たドモンの視界に、ハヤブサと背格好のよく似たモンスターの姿が飛び込んでくる。ただでさえ『兄の危機』だと頭に血が上っているドモンの沸点は、一気に限界点を突破してしまった。

「おのれッ!! ハヤブサぁ!! また兄さんにちょっかい出しに来たのか!? 今日と言う今日は、もう許さん!!」

 ドモンのその叫びを聞いた東方不敗とキョウジは、思わずズルッとこけそうになった。
「いや、ドモン……。それハヤブサじゃないし、本物は寝てる……」
 一応キョウジはぼそっと弟に呼びかけてみるものの、ドモンの方が既に聞いていない。一番最初に視界に飛び込んできた『ハヤブサもどき』との戦いに、もう夢中になっている。その姿を見て「阿呆弟子じゃな……」と呟く東方不敗に、キョウジも返す言葉が浮かばなかった。

「うおりゃああああっ!!」

 一体目のハヤブサもどきとドモンの戦いは、あっという間にドモンの勝利で終わった。地面に叩きつけられたモンスターは、あっという間に粉々の粒子になって四散して行く。
「どうだ!! 思い知ったか!!」
 と、鼻息荒く顔を上げたドモンの視界に、今度こそ複数の『ハヤブサもどき』の姿が飛び込んでくる。
「な、何だこれはぁ!?」
「ドモン!!」
 やっと状況を把握してくれたか、と、キョウジがドモンに呼びかけた、その矢先。

「おのれ!! ハヤブサめ!! 今度は分裂して兄さんにちょっかいかけようって言うのかっ!?」

「……………!」
 そのボケボケな発言に、東方不敗とキョウジは今度こそ、ズルッとこけた。おかげで東方不敗はモンスターの刀を受けそこないそうになり、キョウジは持っている銃を暴発させかける。二人とも軽くピンチに陥りかけたが、そこは流石に東方不敗。すぐに立て直していた。

「この……! 馬鹿弟子があっ!!」

 しかし、弟子のあまりのぼけっぷりに、拳骨を振るわずにはいられなかったらしい。彼が叫び声とともに振るった渾身の拳は、凄まじい拳圧を伴って、複数のモンスターを巻き込みながらドモンを直撃していた。
「うおっ!?」
 これには流石にドモンも面食らってしまう。吹っ飛ばされて目を白黒させている所に、師匠の怒声が飛んできた。
「全く……! 貴様は本物と偽物の区別すらつかんのか!? 貴様ほどの馬鹿を見た事が無いわ!!」
「うるさい!! ここぞとばかりに師匠面をしやがって!! 兄さんを守ろうと一生懸命戦っている俺の、どこが悪い!!」
「状況を読めと言うのじゃ!! この馬鹿弟子が!!」
 キョウジは口論を始めた師弟を半ば顔をひきつらせながら見つめていた。何だかこの先、果てしなく嫌な予感しかしない。
「お前のそのとぼけた発言のせいで、こちらがどれだけ危険な目に遭ったと思っておるのだ!? 本物と偽物の区別もつかん眼(まなこ)なら、くりぬいてその上に銀紙でも貼っておけい!!」
「おのれ言わせておけば、好き勝手言いやがって……!!」
「あ、あの……マスターにドモン? あんまりそう言う口論をしている場合でもない様な気が――――」
 一応キョウジは、そろりと二人に忠告してみる。しかし、割と頭に血が上ってしまっている二人には、案の定と言うべきか、キョウジの声は全く聞こえていないようであった。
「もう完全に頭に来た!! 師匠!! 今日と言う今日は決着をつけてやる!! 俺は今日こそあんたを超えるッ!!」
「面白い……! やれるものならやってみろ!! この馬鹿弟子がぁ!!」
 そう叫びながら東方不敗が構えを取ると、ドモンも負けじと構えをとる。
「言われずともっ!!」
 そしてそのまま二人が本当に戦い始めたりするものだから、キョウジは本当に途方に暮れて、頭を抱え込んでしまう。
(あ〜〜………始まっちゃった……。どうしてこの二人が戦いの場で揃うと、話すより先にこういう展開になってしまうんだろう……)
 一応二人の戦いは、周りのモンスターたちも巻き込む形になってはいる。しかし、二人の視界から、完全に自分の事が忘れ去られてしまっているように感じるのは、気のせいなのだろうか。
(……つまり、自分の身は自分で守れってことなのかな……。別に良いんだけどさ。最初からそう言う約束だったし……。ああでも―――――)
 キョウジは多少恨めしさを含んだ眼差しで、眠り続けるシュバルツを見つめる。こういう時こそシュバルツがいてくれたら、と、思わずにはいられなかった。彼がいてくれたら、少なくとも自分の身の安全の心配する事は、必要なくなるのに。
「起きろ〜」
 そう言って、眠るシュバルツの身体をツンツンと突いてみるのだが、やはり、強制的に眠らされている彼が、起きる筈もなく。キョウジははあ、と大きなため息を吐いていた。
(いや、しっかりしろ、キョウジ・カッシュ! 元々シュバルツとハヤブサを守るために、私はここにいるのだから――――)
 守ろうとしているのに、頼ってどうする、と、キョウジは己を叱咤する。いつの間にかシュバルツに頼ることが習慣化してしまっている、己の思考回路に苦笑していた。
 幸いな事に、モンスターたちの注意も、ドモンと東方不敗の戦いの方に奪われている。こちらに襲いかかってくる気配は無いようであった。キョウジは銃を抱えて、大きく息をフ―――――ッと吐いた。
「……………」
 もう一度、自分が張った結界の範囲と、今の敵と味方の位置関係を把握する。
(とにかく今は、自分の身を守ることを最優先にしよう。援護は、可能な時にするようにすればいいか)
 そう考えてキョウジがもう一度銃を構えなおそうとした時、部屋のドアが開いて、また人が入ってきた。
「兄貴〜! って、何だ!? この部屋!!」
「何だ、外に敵がいないと思ったら、こんな所にいたのかよ!」
「そして、あの御二方は、敵をそっちのけで戦っている、と」
 ジョルジュが部屋の中で互いに戦い続けている東方不敗とドモンを見つけて、呆れたようにため息を吐く。
「兄貴にマスターアジア!! 俺とも手合わせをしてくれよ〜!!」
 そう言って少年が喜々として戦いに混じっていく様を、チボデーとジョルジュが呆れたように見つめていると、キョウジからそっと呼びかけられた。
「チボデーにジョルジュ! ちょっとこちらへ来てくれないか?」
「お、兄さん! そんな所にいたのか?」
「どうしたのですか?」
 敵の間をかいくぐりながらこちらに来てくれた二人に、キョウジはホッと胸を撫で下ろしていた。
「見てのとおりさ。部屋の中に強力な敵が湧き始めて――――」

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