農家の嫁の日記

アクセスカウンタ

本の販売を始めました!
ここより本の注文画面に飛べます。
当ブログでも発表している『キョウジ兄さんに捧げる物語』を小説同人誌にしました。手作り感満載ですが、興味ある方はどうぞ〜

災害で亡くなられた方、被災された方に哀悼の意を捧げるとともに、心よりのお見舞いを申し上げます。
がんばれ日本!!

zoom RSS 龍と剣と、その拳と 43

<<   作成日時 : 2015/10/27 15:14   >>

面白い ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

「大丈夫だとは思うけど、戦いに入る前に、一つだけ注意しておいて欲しい事があるんだ」
「注意ですか?」
 少し意外そうな声を上げるジョルジュに、キョウジは頷いた。
「ああ。分かっているとは思うけど、今この辺り一帯は停電に陥っている。今、ここの電力を賄っているのは、この、自家発電機なんだ」
 キョウジはそう言いながら、自分の近くにある機器を二人に見せる。
「これが、街の境界線に張られている結界と、ハヤブサの延命装置を動かす電力を供給している。これが止まると大変な事になるんだ……。だから、この家の何を壊してもいいけど、この周辺の機器だけは壊さないように戦って欲しい」
「ああ……ドモンの奴が電柱ぶっ倒していたからなぁ……」
 しみじみ言うチボデーに「あ……やっぱり?」と、キョウジも苦笑するしかない。その向こうでドモンが「おりゃああああああ!!」と、叫びながら敵を殴り飛ばし、屋根を壊していた。
「真・流星胡蝶剣―――――!!」
 その隣でサイ・サイシーも究極奥義を繰り出して暴れている。見る見るうちに、屋根やら壁やらが、跡形もなく破壊されて行く様が見えた。
「ふい〜。こいつら、やっぱり外の奴らより手ごわいなぁ」
 ストン、と床に着地したサイ・サイシーが、棒を片手に構えをとりながら、率直な感想を述べる。
「ああ。こいつら『龍の忍者』の動きをコピーしている様な奴らだからな……!」
 トン、と、その横に身軽に着地したドモンもまた、改めて構えをとりながら、口を開く。
「『龍の忍者』!? 兄貴はそいつとも、戦った事があるの!?」
 サイ・サイシーの問いに、ドモンは振り向きもせずに答えた。
「言っただろう。あいつはよく兄さんにちょっかい出しに来ると。だから、俺はそのたびに手合わせをして―――――」
 抜刀しながら近づいてくる一体の『ハヤブサもどき』に向かって、ドモンは躊躇いもせずに踏み込み、突っ込んで行く。ドモンは鉢巻を器用に使って『ハヤブサもどき』から刀を絡め捕ると、そのまま拳と拳の応酬に、勝負を移行させていた。
「こいつは確かに強い………! だが―――――」
 一瞬の隙を突いたドモンの強烈な右ストレートが、化け物の身体にもろに入った。
「オリジナルほどではないッ!!」
 そのままゴッド・フィンガーを炸裂させ、また一体、モンスターを屠っていく。
「おいらも負けてらんねぇ!!」
 サイ・サイシーはそう言うと、彼もまたモンスターたちとの戦いにその身を投じていた。

「よし! じゃあ俺たちも行こうぜ!」

 チボデーがそう言って立ち上がりかけた時、ジョルジュの顔色が変わった。
「ちょっと待ってくださいチボデー! 一番の『破壊魔』が、もうすぐここに来ます!」
「えっ?」
 ジョルジュのその言葉に、キョウジと東方不敗はきょとん、と、目をしばたたかせる。しかしチボデーは、憶えがあるのかはっと顔色を変えていた。
「確かにそうだな!! 『あの技』をここでやられるとまずいぜ!!」
「ええ!! この部屋どころか、家ごと吹っ飛ばされかねません!!」
「と言う訳で兄さん! 俺たちはちょっと外に出てくる!」
「えっ? あ、ああ………」
「東方不敗マスターアジア! キョウジ殿を頼みます!!」
「フン! 言われずとも!」
 茫然とするキョウジを尻目に二人は立ち上がると、再び戦いをかいくぐりながら部屋から出て行った。
「破壊魔って………?」
(ああ……なる程のう……)
 顔に疑問符を浮かべるキョウジに対して、東方不敗は顎を扱きながら頷いていた。何か、思い当たるところがあったらしい。


「…………」

 その頃噂のアルゴ・ガルスキーは、外の敵を倒しつつ、その巨体をのそりと移動させながら、キョウジの家の前まで来ていた。家の中から濃厚な『邪気』を感じた彼の足は、自然と家の方へと向かって行く。
 家の傍まで来ると、中から戦いの衝撃音と叫び声が聞こえ、破れた窓や壁の間から、敵と戦っているドモン達の姿が見えた。
(なるほど……。外の敵は、ここに来ていたのか……)
 アルゴは、戦っているドモン達の様子と、敵の放つ『邪気』の濃さからそう判断する。そして―――――彼はこう断を下してしまった。
 この状況、家ごと『ガイア・クラッシャー』で吹き飛ばした方が、話は早い、と。

「ガイア・クラッ………!!」

「おお――――ッと!! まった―――――――ぁッ!!」


 間一髪のところで、チボデーが飛び込んでくる。制止が間に合ったと悟って、チボデーもジョルジュも、ホッと胸を撫で下ろしていた。
「敵を一網打尽に出来る物を……何故止める?」
 少し納得のいかないような表情を浮かべながら、アルゴが問いかけてくる。その問いに、チボデーから少し遅れて到着したジョルジュが丁寧に答えていた。家ごと破壊してはならない、その理由を。

「なるほど、分かった」

 ジョルジュの説明に納得してくれたのか、アルゴが大きく頷く。
「要は、ハヤブサ殿とシュバルツ殿。それと、キョウジ殿の傍にある発電機を壊さなければいいのだな?」
「ええまあ、そうなのですが――――」
「ならば、戦い方を変えよう。このアルゴ、己が拳のほかに、もう一つ得意とする得物がある」
「へえ〜。それはどう言う―――――」
 ものだ? と、問いかけようとしたチボデーの前に、『それ』が出されて、チボデーもジョルジュも、若干ひきつったような顔になる。何故ならアルゴの手には、「どこから出した!?」と、突っ込みを入れたくなるような、鎖に繋がれた巨大な刺付きの鉄球が握られていたからだ。
「え……? おい、まさか家の中でそれを振り回す気じゃあ………」
 チボデーの問いが終わらぬうちに、アルゴが玄関のドアをバン! と、乱暴に開け放つ。入ったところで『ハヤブサもどき』のモンスターたちと、早速視線が合った。

「グラビトン・ハンマ―――――ッ!!」

 叫び声と共に、振り回される鉄球が、容赦なく壁や窓を破壊して行く。ついでにモンスターたちも、一緒くたに吹っ飛ばされていた。
(あ……確かに、破壊魔だ………)
 アルゴ・ガルスキーのある意味豪快すぎる戦い方に、キョウジももう顔をひきつらせながら見つめるしか術は無い。キョウジの家は最早、シュバルツとハヤブサが眠る寝台の周りを除いて、無事である所を探すほうが困難な状況になりつつあった。
(うわあ………。後片付けが……!)
 部屋の中の惨状を見ながら、キョウジは深いため息を吐く。これだけ辺りが破壊されていても、まだ一般人の死人が出ていない事が、せめてもの救いだろうか。
(それにしても……戦いが終わった後の事を考えてしまう自分って―――――)
 自分の思考回路のおかしさに、ふとキョウジの顔から笑みがこぼれた。
 今は、『邪神』との戦いの真っ最中で、これから先も、どういうふうに戦いの流れが転がっていくか、全く読めないのに。
 戦いに勤しむ、弟と、その友人たちの顔を見る。
 自分の傍で生き生きと戦う、東方不敗の顔を見る。

 何故なのだろう。
 戦いに『負ける』と、想像する事の方が、はるかに困難であった。
 それだけの面子が揃っていると、キョウジは感じていたのだ。

(とりあえず私は、予備の自家発電機の制作を急ごう)
 キョウジはそのまま発電機の制作を再開する。そして、眠り続けるシュバルツを見ながら、起きたら死ぬほどこき使う事になるな、と、苦笑するのであった。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
面白い

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
 いつも愛読していただいてありがとうございます(^^)。
また、気持ち玉へのクリックもありがとうございます! 
ものすごくものすごく励みになります。
アンケート実施しています(*^^*)ご協力お願いいたしますm(__)m
 当方のブログの内容とあまり関係の無いTBは、削除させていただきます。
 悪しからず、ご了承ください。

アンケート実施中

龍と剣と、その拳と 43 農家の嫁の日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる